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加圧加熱殺菌(レトルト殺菌)に使われるF値について
微生物の加圧加熱殺菌に指標に使用されるD値、Z値、F値について教えてください。 また、詳しい解説のでているような書籍やWEBサイトがありましたら教えてください。
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不十分かもしれませんが簡単に D値:ある一定温度で目的の細菌数を1/10に殺菌する時間。単位は通常(分)、90%致死時間のこと。通常、縦軸に細菌の生存数の対数、横軸に加熱(殺菌)時間をプロットした生存曲線(直線)の傾きから求める。一定温度でのD値を比較すると、その温度での細菌の熱耐性を評価できる。 Z値:細菌のD値は温度によって変化するので、D値では不十分、Z値は死滅速度がどの程度温度に依存するかを示す値。細菌のD値と温度をプロットしたとき、D値が1/10になるときの温度幅。単位は(℃)、縦軸にD値の対数、横軸に加熱温度をプロットした耐熱性曲線(TDT曲線と呼び通常直線)の傾きから求める。一般に栄養細胞と芽胞等を比較した場合、前者が熱に対する感受性が高く、Z値は小さい傾向にある。 F値:実際の殺菌は一定温度で行われるわけではなく、加熱、冷却に伴って温度が変化するためトータルの殺菌効率、致死率を表すものが必要。これがF値、各プロセスの致死率Lを積分したもの。通常、基準温度250゜F(=121℃)における殺菌時間に相当する。 ちなみに L=10^{(T-Tr)/Z} T:殺菌温度 Tr:基準温度 F0値はZ値を10℃に固定して求めたF値。細菌の耐熱性のデーターが含まれなくなるため、殺菌プロセスの評価によく利用されます。 また、缶詰製品のように常温長期保存する食品ではボツリヌス菌芽胞の完全殺菌が要求され、この耐熱性芽胞のD値の12倍の熱処理が要求されています。12Dの概念と呼ばれています。食品衛生法にある「120℃、4分間の加熱」はこれを想定してのことと思われます。
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以下のサイトは参考URLサイトは如何でしょうか? そのページから、 1.http://debye.ch.a.u-tokyo.ac.jp/jikken/theory.html (加熱殺菌機構) ----------------------- 2.http://www12.freeweb.ne.jp/business/ktakao/retort.htm (レトルト殺菌について) F値の解説があります。 成書では(内容未確認!)、 ---------------------------- 食品工学基礎講座/5/光琳/1991.8 食品のマイクロ波加熱/露木英男,首藤厚/建帛社/1974 新殺菌工学実用ハンドブック/サイエンスフォーラム…/1991.9 HACCP必須技術 : 殺菌からモニタリングまで / 横山理雄, 里見弘治, 矢野俊博編. -- 幸書房, 1999 わかりやすい殺菌・抗菌の基礎知識 / 高麗寛紀, 河野雅弘, 野原一子共著. -- オーム社, 2000 最新殺菌技術とその利用 / 堀込広明編. -- 工業技術会, 1990 殺菌・抗菌技術の新展開 / 東レリサーチセンター調査研究部門編. -- 東レリサーチセンター, 1994. -- (TRC R&D library) ----------------------------- ご参考まで。