もう、答えは出尽くしているようですね。複数と単数の問題だけでなく、限定、非限定も考えるというのが、可算名詞を考える上で悩みますよね。ちょっと別の角度から説明させて下さい。長くなりそうなので、ですます体ではありません。
a dog と the dog では、見えている(または想像している映像)が違う。
頭の中に犬が複数いるのが、a dog 。the dog は、1匹しかいない。a dog というのは、one of the dogs のイメージ。
頭の中に100匹ぐらいの犬を想像して。これが、普通の状態。聞き手(listener)も、その状態。その中の1匹に目を付け I love a dog. と言う。聞き手も分からない犬を選んで「犬が好き」。聞き手は「え? 選んじゃったの? どれ?」って言うかも。……どうしても「ある1匹の犬」というイメージがある。
でも、a dog は総称に使えるはず。どんな場合? 部屋に100匹の犬を飼ってる犬の研究家(すごい)が、どれでもいい1匹を抱き上げ(サンプルにして)、「犬はね、……」と犬という動物について語るような時。1匹で充分状態。
the dog は、現時点で、話し手(speaker) も聞き手も会話で1つにしぼってきた「過程」があって、話し手、聞き手、それぞれの頭の中には、限定された1匹の犬しかいない。the という檻の中に1匹しかいない状態。
例えば、この「過程」がなくても、最初からそれぞれの頭の中に1つしかない moon などは、the をつける。これが唯一の the 。
(moon は a new moon のような表現もある。なぜだか考えてみて。)
A, B 2人が買い物の後、Aが、「あ、ドリンク買うの忘れた」と言えば、Bは store という単語を今まで出してなくても、Let's go back to the store. と言える。この状況で、話し手も聞き手も、頭の中にはすでに特定の1つの store しか思い浮かんでいないから。これが説明しなくてもいい状況の the 。(私なら、Let's go back! だけかも。どこへ戻るかは、お互い自明だから。)
the dogs は、the dog が見えない檻で限定されたように、the という1つの檻に複数の犬がいる映像。檻の外には1匹もいない。会話の「過程」を使い、2人で絞り込んできた犬。まだ絞り込んでなくても、直後の説明(修飾)で絞り込む場合もある。I like the dogs he keeps. 彼が飼っている犬全て。the を取ると、I like some of them. の意味。
the という檻に、世の中全ての犬を入れれば、「過程」がなくても犬全体のはず、the dogs を総称とはしない。世界の果てのかわいそうな犬まで具体的に想像する(可算だから具体的な数)のは少なくとも私の頭では無理。でも例外を認めない表現は? all という黒幕をかぶせてひとまとめ。all of the dogs 数を想像しなくていい、例外なし表現。
the dog (総称) 説明がない状態で使われる the dog は、前述の「状況で分かる(限定された)1匹の犬」。でも、特に主語で、the dog が総称に使われることがある。この時、話し手も聞き手も頭の中に、いろいろな動物が想像できる状態。まるで図鑑の様に代表選手が1匹づついる。説明しなくても the dog が犬の代表選手1匹を指すことが分かる。頭の中には1匹の犬しかいない。例外なし。でも 総称でない the dog と混同しない? だから、「過程」なしで、説明もつけずに文頭に使う。そうすれば総称。
dogs Last night, I saw dogs singing on TV. (すごい例文)
こうやって話し手が話題を切り出した時、聞き手は、dogs まで聞いた時点で、想像できる限りの犬から何匹か集めて映像を作る。まさか世界中の犬全部ではないからね。でも、何匹集めていいか分からない。これが不特定多数の dogs 。
dogs (総称) the dogs で、総称を表すことはないと言った。the という檻に入れた時点で、檻の外の犬はイメージできない。つまり、the dogs で総称を表そうとすると、例外なし状態。(the + 名詞=100%) 。では、世界中の犬からどれでもいいから、想像可能なだけの犬を集めてイメージしてみよう。集めきれてはいないけど、これを犬全体だと呼ぶわけ。もちろん例外ありは話し手も聞き手も分かる。すごい恐い顔の大きな犬は私は好きではない。でも、そういう例外を認めた上で、I like dogs. と宣言できる。(これくらい英語は論理的。)
ところで、どの犬が cute で、どの犬がそうでないか世界中の犬を分別できる? できないから I like the cute dogs. で、cute dogs を限定し総称にすることは難しい。(しかも主観的判断の形容詞だから、聞き手と共通認識が共有しにくい。)つまり、全体(不特定多数)として、I like cute dogs. にするしかない。ペット屋さんで、自分が cute だと思う犬を数匹、檻に入れて家に帰れば、I like the cute dogs. は言えまる。I like these cute dogs. の意味です。
まとめ
好き嫌いを言うのに、わざわざサンプルを抜き出さなくても……。これから、どんな大きさの犬が好きとか、どんな色の犬が特に好きとか話がはずみそうなのに。一匹だけのサンプルでは……。
でも、dogs を使えば、すでに頭の中に想像できる限りの犬がいるから、話もはずむ。
つまり、like, love の問題ではなく、可算名詞の世界の話。
以上、長い説明になってすみません。最後までのお付き合い、ありがとうございました。
お礼
ありがとうございました。参考にさせていただきました。 お礼が遅くなり申し訳ございません。