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両生類の発生
高校の教科書に、「イモリの発生において、精子侵入点の反対側に灰色三日月板ができる。この位置に将来、原口背唇部ができる。」「原口背唇部は赤道面から植物極よりの部分にできる。」と書かれてあります。 ということは、精子の侵入点というのはある程度限定されるのでしょうか。一番早く卵に到達した精子が(到達場所に関係なく)受精できると思っていました。限りなく動物極に近い所で精子が侵入した場合、その反対側(限りなく植物極に近い)に灰色三日月板ができ、そして原口ができることになってしまいますが、実際は植物極にごく近いところに原口は出来ないですよね。教えてください。
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- suiran2
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「イモリの発生において、精子侵入点の反対側に灰色三日月板ができる。」 これは明らかな間違いでは無いのかと日頃から思っています。なぜ間違いかと言いますと,両生類でも受精様式が異なります。カエルは単精で一匹の精子しか卵に侵入しません。しかし,サンショウウオやイモリは多精で何匹も精子が卵内に入ります。精子侵入点とはどの精子が入ったところを言うのでしょう。イモリに盤割の動物のような明確な卵門があるという話も聞きません。ですから正しくは「イモリの発生において,精子が侵入すると灰色三日月環ができる。」ではないかと思います。また,灰色三日月環は卵を回転させることにより任意の場所に作ることができることが知られています。精子侵入点とどのような関係があるのか未だ不確かなのではと思います。誰か正しいことを教えてください。日本の発生学者はもっと啓蒙活動や教育にも力を入れて欲しいですね,はっきり言って怠慢だと思います。
- TTOS
- ベストアンサー率40% (209/510)
動物の種類によって事情は違いますが,カエルでは動物半球だけから精子は侵入します。 (参考文献:発生のプログラム 石原勝敏著 裳華房) ウニはどこからでも精子が進入できますが、魚類の場合動物極に精子がやっと通れる入り口「卵門」があります。
お礼
ありがとうございます。魚類には卵門というのがあるということ、はじめて知りました。「参考文献」を購入して勉強します。
- kumakumakumako
- ベストアンサー率50% (11/22)
卵は単細胞であり、精子の侵入点はどこでもOKです。 一言で表しますと 『精子侵入点』が先に決まっているのではなく、 『精子侵入点』の位置により、『背腹軸』が決定するわけなのです。 両生類の場合、最初に背腹軸が決定されるのは受精直後です。 以下、順を追って少し詳しく書いてみます。 --------------------- (1)受精 ↓ (2)精子侵入点に向かって受精卵の表層だけが30°回転。 (表層回転(cortical rotation)) ↓ (3)それにより細胞質に存在する背側決定因子が移動、将来の背側が決定。 ↓ (4)その際にβカテニンが核に蓄積、オーガナイザー形成に必須の遺伝子の活性化。 ↓ (5)背側形成されるオーガナイザー付近から原腸形成が始まる。 --------------------- ・・・と、いう流れです。 精子の侵入位置により背腹軸が決定され、 それによって灰色三日月のできる位置も決定するのです。
お礼
ありがとうございます。大変参考になりました。ただまだ自分の中で理解できていないことがあります。精子は植物極側に侵入することもあるのでしょうか?われわれ哺乳類の場合や魚類、両生類など卵黄の分布の異なる動物で、侵入点に違いや特徴があるのでしょうか?
お礼
ありがとうございます。発生初期の仕組みについてもっと勉強していきたいと思っています。参考になる書籍などご存知でしたらまた教えてください。よろしくお願いします。