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脳は他人にも使える?
こんにちは。記憶と脳についての質問です。 記憶は脳に記録されているんですよね。 だとすると昨日の私の脳と今日の私の脳では違いが あるわけです。その違いは他者から視覚的に 観察できるものなのでしょうか? また将来的に生体、もしくは死体からその記憶内容を 読み取ることが出来る可能性もあるのでしょうか? 脳のデータが本来の持ち主以外の手によって 利用できるものか興味があります。よろしくおねがいします。
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くどいようですが、素人が一般向け解説書を読んだ範囲で勝手に想像しているだけですので、そのおつもりで。 脳が情報を記憶する方法は、コンピュータの方法とはかなり違うようです。 コンピュータの場合は情報が1ビットづつ電荷あるいは磁気の有無(あるいは昔のように紙テープにあいた穴の有無)などの形で記憶素子に静的に記録されていますので、その様子を読み取ることは容易です。 しかし脳の場合は、記憶のキモを担っているのは個々脳細胞の状態ではなくて「神経回路接合部(シナプス)の反応パターン」のようです。 あるシナプスへの複数の入力回路から入って来る情報の組合せがタイプAの時は出力はa、入力情報がタイプBの時は出力がb……といった具合に一つのシナプスの反応パターンは入力情報の状態によって変化します。 さらにこのシナプスからの出力が他の複数のシナプスに入力される事によって、関連する一連のシナプス群ネットワークの反応パターンが繰返しによって定まっていくことがすなわち脳が「記憶する」と言うことのようです。 これは動的な記憶作用ですので、時々刻々の活動の変化(そして情報の流れ)の様子を追跡して読み取らなければなりません。 変な例ですが、例えばサッカーのルールを読み取るためには、試合の静止写真だけをいくら見ていても判りません。選手がプレーをして動いている様子を観察して初めて一連のルールを読み取る事が出来るようになります。 したがって、言うまでもなく生きて活動している脳でしか「記憶」の観察は行えないと思いますし、死後の脳の場合は何らかの方法で再起動してから観察しないとならないのではないでしょうか。 実際の情報抜き出し作業は、140億個の細胞やそのネットワークのごく一部づつ行って、あとで総合して解析するという段取りにせざるを得ないでしょうが、それにしても非常に困難な道のりのような気がします。革新的な観測技術や全く新しい情報理論が必要になってくるのではないでしょうか。 でも、いつかは実現するかも知れません。 詳しい方からのフォローを待ちたいと思います。
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- wakari_mas
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近年、脳科学では興味深い研究がなされているようです。BMI技術(Brain Machine interface)というのですが、簡単にいうと脳とコンピューターをつなげてしまおうという技術です。 この技術により脳に電極を埋め込む手術を受けた人が、考えただけで、テレビのチャンネルを変えてしまったり、遠くにあるロボットアーム(義手)を動かすことが実際に可能になっています。 さらに、記憶は海馬が主に司っていますが、人口海馬を作って記憶の容量を増やしてしまうこと(コンピューターのHDを増やすように)を研究している人がいます。海馬の神経回路は比較的単純な構造をしているため、これと同様のチップを作成して、脳に埋め込んでしまおうという計画です。 これが可能となったら、このチップを解読して他人の記憶をかいま見ることも可能になるかも知れませんね。でも、ひとそれぞれ、記憶の方法が異なるかもしれないので、その翻訳となると、かなり難しい気がします。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >テレビのチャンネルを そういう話があることはいつかニュースで聞いた気がしますが、 まさかもう実現しているとは! 宗教の関係等、実行するには問題の多い研究だと思っていたのですが、、 すごいですね。機械に近い部分も多いってことですか。 東野圭吾が作品の中で「人は脳を神聖視し過ぎる」のようなことをいっていましたがそれを思い出しました。
- phobos
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面白いご質問だと思いましたので回答させていただきます。ただ、まったく素人なので、そのおつもりでよろしく。 > 違いは他者から視覚的に観察できるものなのでしょうか? 「視覚的に」とはもちろん「肉眼で」の意味ではないという前提で。 ご存じとは思いますが、現在の技術でも、ある刺激に対して「脳のどのあたりが活動している」といったことはMRIで観察できるようですね。 (http://www.cns.atr.jp/Events/200511/OpenHouse05_Yamashita.pdf) この技術の延長・改良で「昨日の私の脳と今日の私の脳の違い」を計測して表示することは、おおざっぱで良ければ原理的に出来そうな気がしますが、いかがでしょう。 ただ「脳から記憶内容を読み取る」となると、原理的に非常に難しくなるような気がします。なぜなら 1)140億個の個々脳細胞と全ての神経ネットワークについて時々刻々の活動状態を検出・記録する技術 2)そうして得られた個々脳細胞とシナプスの状態が、どの記憶とどう結びついているかを解析する技術 という気の遠くなるような技術の開発が必要と思われるからです。 特に2)が難しいような気がします。 というのも、私の素人考えですが、脳のどの部分をどのように使うか、どの部分に何の記憶をどのようなやり方で格納するかということは、おそらく個人個人によって大幅に違うのではないか?と思われるからです。 しかも、ノイズが大量に渦巻いている中から必要な情報がズルズルと浮かび上がっては消えていくような働きをしているのではないかと思われます。 いずれにせよ人間の脳は想像を絶する精妙緻密な構造と分析困難な複雑怪奇・カオス的な動作をしていることが、今後の研究でますます判ってくるのではないか?と言う気がします。 以上、素人の勝手な空想でした。
お礼
最新技術どころか高校生物の知識も不十分なバカの質問に 大変丁寧なご回答ありがとうございます。 >1)140億個の個々脳細胞と全ての神経ネットワークについて時々刻々の活動状態を検出・記録する技術 >2)そうして得られた個々脳細胞とシナプスの状態が、どの記憶とどう結びついているかを解析する技術 …なるほど。無理そうな気がしてきましたw たしかに脳は個人毎にカスタムされていて一律な解析は困難な気がしますね。
補足
恥を承知で重ねて質問すみません。 記憶の内容を「他人が理解出来る形に変換」は置いておいて、取りあえず抜き出しまで。 もし抜き出しができるとして、それはどのように行われると思われますか? 私は、CT、MRI的な何かで輪切り→ズームアップ→配列(?)を確認。 そしてその後意味を読み解く というようなイメージなのですが。 また脳に保存された内容は死後の腐敗等を考えないとすれば、 取り外したHDDのように死亡後にも残ると考えられるのでしょうか? 全くの想像でも結構です。お暇なときにでもお答えいただけたら嬉しいです。
お礼
前回お答えいただいた1)2)はそういう内容だったのですね。 ほとんど理解出来ていませんでしたw失礼しました。 リアルタイムでの情報の動きを追う必要があるわけですか。。。 脳の活動が停止していてもそこから情報が読み取れれば (倫理的なことは抜きにして)面白いと思ったのですが なんらかの機械でたとえ神経回路を丸裸にしても、それは表面的なことしか見えてないってことですね。 私のイメージしていた視覚的理解とは違うようです。 ご回答ありがとうございました。