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「ほきあがる」の意味は?
用例(前田夕暮著、「麦ふみ」) ~黒い股引きを長く踏んばってほきあがった麦の葉をさっ、さっ、すっ、すっと踏んで行くのだが、踏まれた麦の葉が、しっとりとおきあがる気配を、~ 注)「ほき」と「さっ、さっ、すっ、すっ」に傍点があります。 「ほきあがる」を見出しに採録している辞典をご存知の方は居られますか。辞典にない場合、方言として生きている地方がありますか。 「元気よく」とか「勢いよく」とか、そんなニュアンスで受け取ればよさそうですから辞典類にないからと言って特には困っていません。仮にの話ですが「ほき」が「祝く(ほぐ)」を出自とする接頭語であるなどという事情でもあれば、薀蓄を聞かせて欲しく思います。 よろしくお願いします。
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茨城県県西部の方言に「ほきあがる」できなく「ほく」が残っている地域があります。 たぶん「ほく」は「芽吹く」の「ふく」がなまったのものではないでしょうか。 用例「おめんとこの葱はよくほきてんな。」(おたくの葱の葉が育ってますね)
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- Ishiwara
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65年前の群馬県。都市部の少年が、人手不足の農村に駆り出されたときのことです。「ホキル」がまったく分かりませんでした。#3さんの言われるとおり、農作物などの急速な成長を示す語です。 農家の人は、この語を“シモネタ”にも使っていましたが、不思議に「いやらしく」なくて、おおらかな感じがしたのを覚えています。 現在は、だれも使っていないようです。
お礼
2007-65=1942、昭和17年(?)。戦争中ですね。農村へも学徒動員があったのでしょうか。「ほきあがる」よりこちらの方が面白そうです。閑話休題。 群馬では「ほきる」が「農作物などの急速な成長」を意味することがわかりました。関東では「ほきる」が優勢なのでしょうか。 「ホキル」、「農作物などの急速な成長」、「シモネタ」。この三題話は連想が働きません。 有り難うございました。またの機会にもよろしくお願いします。
- azuki24
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『日本国語大辞典』(小学館)と、その姉妹編?の『日本方言大辞典』にも、「ほきあがる」「ほきる」は載っていません。 『現代日本方言大辞典』 (明治書院、平成5年刊)には、「ホキル」という語が載っていました。以下要旨。 ホキル【茂る】 群馬 草などが大きく伸びること。 ホキル【茂る】 埼玉 草が茂る。 ホキル【伸びる】 茨城 芽が伸びる。ホギルとも言う。 ホギル【茂る】 千葉 草が茂る。芽ばえる。大木の場合はイガクナルと言うのが普通。 ホキル【茂る】 八丈 葉が茂る。芽が伸び出してくる。 ホキル【育つ】 神奈川 植物が生長する。 前田夕暮は、神奈川県大住郡大根村(後の中郡、現在の秦野市)の出身ですね。 神奈川県央地域では、麦の芽が伸びて麦踏みできるほどに育ったさまを「ほきあがる」と言うのかもしれません。 「ほきる」の語源は不明です。 『角川古語大辞典』(角川書店)にも載っていないので、古語ではなさそうです。 麦踏みは、麦の芽が伸びてまだ若葉の頃に行う作業なので、麦の「穂」とは関係なさそうな気がします。穂が出てから踏んだりしたら大変なことになります。 むぎ‐ふみ【麦踏み】 麦の伸び過ぎを押え、根張りをよくするため、早春、麦の芽を足で踏むこと。 『広辞苑』
お礼
1 実は質問文で述べたー「ほき」が「祝く(ほぐ)」を出自とする接頭語云々―は『日本国語大辞典』(小学館)で「ほきあがる」を探しているときに抱いた感想でした。この辞典は他の辞典より「ほき・***」の形を多く収録していて、この形の単語には共通してよい意味の勢いを感じさせられました。このときの印象が質問文の後半になったのでした。 2 今まで『現代日本方言大辞典』は閲覧したことがありませんが、この辞典が「ほきる」を見出しに選び、『日本国語大辞典』が「ほける」を見出しに選んだ上に解説の中で「ほきる」にも触れているところをみると、「ほきる」と「ほける」はどちらが優勢ということなく拮抗しているのではないでしょうか。 3 「ほける」なり「ほきる」なりが普通に遣われていることが判れば、複合語の「ほきあがる」や「ほけあがる」も自然な用法で最早特別な関心をもつような存在ではないのだと思いますが、こんな感覚は粗過ぎましょうか。 4 私の只今の直感では神奈川県央地域であっても、「ほける」や「ほきる」と麦との関係は特には無く、麦であろうとなかろうと「ほきあがる」と言いたいときは言えるのだと思いますが、これも仮説に過ぎません。 5 「ほける」の語源を考える全くのスタートの時点では「ほける」の「ほ」は麦であるか否かは別にして、「穂」であるとの仮説も排除しない方がよい気がします。といいますのは植物とは無縁でなさそうだからです。 今後は機会があれば『現代日本方言大辞典』にも関心をもつことにします。これによる情報の外、幾つかの見解を寄せて下さって有り難うございました。またの機会にもよろしくお願いします。 29日(日)までは締め切らないでおきます。ご了承下さいませ。
- s-macwin
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確信無しです。 「ほき」の「ほ」は麦の穂のことではないでしょうか? 「ほきあがる」は「(麦の)穂が上がる(伸びる)」かな・・・? 種麦を蒔く - 芽が出る - 葉、茎が伸びる - 麦穂が出始める - 麦穂が伸び始める ← この頃に麦踏みを行います。 http://www.pref.chiba.jp/fukyu/field_note/hatasaku/hatasaku_0512.html ちなみに私の持っている国語辞典と古語辞典には 「ほきあがる」の項目は載っていませんでした。
お礼
ANo.1のお礼の欄もご覧下さいませ。 一つの仮説として「ほきあがる」の「ほ」は「(麦の)穂」と関係があるかもしれませんね。 有り難うございました。またの機会にもよろしくお願いします。 調べてくれている方がいるといけないので29日(日)までは締め切らないでおきます。ご了承下さいませ。
お礼
これはANo.1、ANo.2共通のお礼と事後報告です。 「ほく」と「ほきてんな」がヒントになって手掛かりが得られました。 小学館、徳川宗賢監修「日本方言大辞典」に見出し「ほける」があって、「草木が芽を出す」「生える」「成長する」・・・など様々な意味をもち、東北、関東を主として全国的に「ほきる」「ほほける」「ほーける」「ふける」「ほくる」・・・など色々なヴァリエーションがあることが記述されていました。確か北海道と九州には使用例がなかったかもしれません。ただし、この辞典が北海道と九州では使用しないといっているのではなく使用例の記載がなかっただけです。 茨城では「草がよくほきたから刈らなくちゃ」の例があって、ご回答と全く同じ使い方でした。 「ほきあがる」の「ほき」もこの系統だと思います。 一つの仮説として「ほき」は「芽吹く」の「ふく」の転化かもしれませんね。 有り難うございました。またの機会にもよろしくお願いします。