- ベストアンサー
心理学データ解析 連関について
最近「連関」って言葉を教わりました。 そのとき教わった意味は「つながりがあり、かかわりがあり、名義尺度であるもの」。 そこで 連関が考えられる例を表にしなさい という課題がでました。 私にはチンプンカンプンで困っています。 どなたか知恵を貸してください。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
「相関」という用語は御存知ですか? 知っておられるならば,「連関」=「名義尺度版の「相関」」ということができます。そこで相関からデータ解析の観点で説明を始めてみます。 ───────────────────────────── 体重 60 51 58 48 51 58 52 63 70 45 ───────────────────────────── 身長 165 160 160 158 163 173 169 175 180 155 ───────────────────────────── 上記の仮想データでは「体重」という変数と「身長」という変数,の二つがあります。両方の変数は,どんな数字をとってもよい連続した数値の変数です(勿論マイナスの変数はとれませんが)。解析をする場合には変数データが「連続量のデータ」か「非連続なデータ」かで大きく扱いが異なります。データの種類には「名義尺度」「順序尺度」「間隔尺度」「比率尺度」と四つに分類できますが,ここでは「名義尺度」は「非連続データ」の事を意味するということを強調しておきます。 さて,上記の二つの変数で相関があるかどうかを調べるとします。相関とは「ある変数とある変数との間に関係がある」ということです。質問者さんの「つながりがあり,かかわりがあり」という部分がこれに相当します。 具体的には「体重の変数が大きければ,身長の変数も大きい(逆に体重↓であれば,身長↓)」という場合では両方とも増加の関係にあるので「正の相関」といいます。対照的に「体重↑であって身長↓」と減少の関係にあれば「負の相関」といいます。このような相関を(-1≦r≦+1)の範囲の数値で表現したものが「相関係数」と呼ばれるものです。ちなみに上記データの相関係数(r)は「0.85」と非常に強い正の相関があります。 しかしこのような相関係数は「連続変数データ×連続変数データ」のみにしか【原則】使えません。では「連続変数×非連続」であればどうするのか? 「非連続×非連続」であればどうするのか?(この場合の「非連続」とは順序尺度ではなく,名義尺度に限定していることに注意して下さい) そのような場合通常の相関係数は使えないので,別の解析法や係数・指標を使わないといけません。 前者であれば「相関比」,そして後者の「非連続×非連続」,より正確に言えば 「名義尺度×名義尺度」のデータにおいて「相関」のような「つながり,かかわり」があるかを調べるのが「連関【係数】」なのです。ここまでで「つながりがあり、かかわりがあり、名義尺度であるもの」の大まかなイメージが掴めたのではと思います。 では本題の連関の例です。 名義尺度とは非連続データであり,回答が選択肢などのカテゴリとして用意されているものです。そうですね 変数A(地域):「α地域」「β地域」「γ地域」 変数B(音楽):「X曲」「Y曲」「Z曲」 として,「地域と,そこで好まれる・流れる曲には関係(相関)がある」ということを調べるとしましょう。このような場合,変数AやBは数字のような連続量ではなく,カテゴリ・選択肢の中から選ばれます。 さてこの例で「連関」があるとはどのような場合でしょうか? X曲 Y曲 Z曲 α地域 0 20 0 β地域 10 0 0 γ地域 0 0 15 かなり露骨な数値にしましたが,これがいわゆる「完全連関」と呼ばれる状態です。見ての通り,「α地域は【絶対】Y曲(α=Y)」「β=X」「γ=Z」と一方の変数のカテゴリともう一方の変数のカテゴリが完全に一致しています。β地域であれば,即X曲なわけです。 X曲 Y曲 Z曲 α地域 7 7 6 β地域 3 4 3 γ地域 5 5 5 逆にこの場合は連関がない状態です。α地域(β,γも同様)だからといって特に好まれている曲はありませんね。 このように「カテゴリ(名義尺度)×カテゴリ」用の相関,これが連関と考えてもらって構わないと思います。なお,連関を数値化した連関係数は0~1の範囲を取ります(クラメールの連関係数など)。
お礼
丁寧な具体例を書いていただき、本当にありがとうございます。 「相関」と「連関」の違いもよくわかりました。 統計学の教科書よりずっとわかりやすいです。 (二つの違いまでは書いていないので) 課題も無事提出できます。 本当にありがとうございました。