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介錯について
昔、歴史の先生が「西郷隆盛が別府晋介に介錯されたとき、上手く首を落とせなかった」という話を聞いた記憶があるのですが、調べてみてもそんなものは出てきませんでした。 もしかしたら、私が勘違いをして覚えてしまっていたのかもしれません。 三島由紀夫以外に介錯をしてもらって、上手くいかなかった人っていたでしょうか? もし知っている方がいたら、教えて下さい。 お願いします。
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- buchi-dog
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No2ですが、補足します。 18世紀までの西洋では、処刑の際には首切り役人が「斧」で囚人の首を叩き落としていました。これは、No2の文中の「多少鈍くても重くて頑丈な刃物で骨を断ち切る」に当たります。処刑される者の体を首切り台に水平に固定し、重い斧を、力のある首切り役人が首めがけて垂直に振り下ろせば、首の骨を一太刀で断ち切ることが可能です。「首の骨(頚椎)の隙間」などは無視できます。 この原理を「進化」させたのがフランスのギロチンで、首切り役人の斧を、更に重いギロチンの刃に換えて、かつ「垂直に高速で落ちる」ように機械化したものです。 首切り役人も人間ですから、手元が狂ってうまく罪人の首を狙えず、例えば肩や後頭部を斬ってしまい、罪人を「半殺し」にして苦しめることもあったでしょう。斧を振り下ろす力が足りず、首の骨を一刀両断できないこともあったでしょう。この場合も死ねない罪人は七転八倒の苦しみを味わいます。 ギロチンは、そうした「首切り役人」の失敗で罪人が苦しむリスクを一掃し、罪人に瞬時(苦しみを感じる暇がない)で確実な死を与えるための「人道的な処刑器械」でした。この考え方は正しいわけで、ギロチンの祖国であるフランスでは第二次大戦後までギロチンが死刑執行に使われていたはずです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%AD%E3%83%81%E3%83%B3 斧やギロチンによる、罪人を横に寝かせて、刃物の重みと加速度で「垂直方向に首を断ち切る」斬首に比べ、質問者様が問題にしているような「罪人を座らせ、介錯人が日本刀を水平方向に振るって、頚椎の隙間を刃筋を立てて斬る」斬首がいかに難しいかご理解頂けたでしょうか。
- komes
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首を落とすには頸椎の隙間を狙うのが常識でこの箇所以外では往々斬り損じが発生するのは事実です。 介錯人や首切り役は多年の経験でこれを熟知している腕の確かな人があたります。 首を切られる人は頭を少し下げて、頸椎を表し狙う場所を示すのが定めでした。 切腹の小刀を乗せた三宝を腰の下に入れる作法も知りやすい高さにするためです。 首切り朝右衛門でも罪人が暴れて狙いが外れ、最後は押し切りで首をおとしたケースもあります。
- buchi-dog
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大東亜戦争中に学徒出身の陸軍大尉としてフィリピンで戦った山本七平氏の「私の中の日本軍」 http://www.7andy.jp/books/detail?accd=02169512 に、「日本刀で人体を斬る」ことの実態が詳しく書かれています。 その要旨は * 人間の骨というのは非情に硬いもので、刃物で断ち切るのは困難である。「非常に鋭利勝つ丈夫な刃物で、真剣の使用に慣れた者が刃筋を立てて斬る」か、「多少鈍くても重くて頑丈な刃物(山本氏が言うに、端をよく研いだ軍用スコップ)で骨を断ち切る」かしないと、骨に刃物が跳ね返されてしまう。 * 普通の日本刀で、普通の腕前の人が人間の首を斬ろうとすれば、首の骨と骨の間の間隙に刃が入るように斬らねばならない。「骨と骨の隙間」が目に見えるわけではないから、これはきわめて難しいこと。 * 武士が切腹する場合、介錯が一度で上手くいかず、切腹する側が血まみれになっても首が落ちず意識もそのままという惨劇が珍しくなかった。 そうです。これは、人体の構造を考えてみれば納得できることでしょう。 しばらく前に、朝日新聞の投書欄の「語り継ぐ戦争」というコーナーに 「私は中国戦線に従軍していた。小隊長が捕らえた中国兵の首を日本刀を一閃させて落とし、首から血がすさまじい勢いで噴出した。その時の様子は今でも忘れられない」 という投書がありました。「日本刀の一振りで人間の首を斬る」のは、ここまで説明したように相当に困難なことで、将校であれば携帯している拳銃で射殺する方がよほど自然です。上記の投書は作り話の可能性が高いと思われます。 戦国時代、合戦で討ち取った敵の首を取るには「鎧通し」と呼ばれる短刀を用いました。 http://www.weblio.jp/content/%E9%8E%A7%E9%80%9A%E3%81%97 これは「身幅が狭く重ねが極端に厚く、刃長は九寸五分前後という極めて頑丈な造り込みの短刀」であり、(既に絶命した)敵の首の骨の隙間を刃先で探り、探り当てた骨の隙間に刃を突き刺して首を「捻じ切る」のが主用途で、要するに「首を取るための刀」です。「身幅が狭く重ねが極端に厚く」というのは、首を捻じ切るために鎧通しを持つ手に渾身の力を入れても刃が折れたり曲がったりしないためです。普通の刀でそんなことはできません。 長々と説明しましたが、日本刀を一閃して相手の首が飛ぶ、というのは時代小説の中だけの話、もしくは熟練した首切り役人だけができる技と考えてください。
代々世襲である、首切り役人の首切り浅・「山田浅衛門」には、家に伝わる首打ちのノウハウがあると思うのですが、いくら、剣に通じていたとしても介錯役は、別物です。 ましてや、尊敬していた人、この人の切腹は、間違っていると、最後まで、心がきまらなかったり、動揺したりするケースでの失敗は、かなりあるそうです。 普通に生きていたら、そんなに場数が踏めるものでもないですし。 悲惨な例だと、背中に切りつけてしまったり、頭に切りつけてしまったりで、七転八倒の末、周りにいた人がとどめをさすということもあったようです。