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ルイセンコの遺伝学
ルイセンコの遺伝学とはどういう説なのですか。 なぜ異端者といわれるのですか。 メンデルの遺伝学とどんな点で対立しているのですか。
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ルイセンコの遺伝学の基本的な主張は、「(後天的)獲得形質が遺伝する」というものです。何故、そのようなことが可能になるのかは、ルイセンコは適当な理論を作ったかも知れませんが、この基本的な主張そのものが、実証されなかったので、理論も無意味です。 ルイセンコは、検証実験を行い、科学的に実証されたと主張しました。この「獲得形質が遺伝する」とは、例えば、父親が、努力の結果、優秀なスポーツマンになった場合、この優秀なスポーツマンの獲得形質が、子供に遺伝するということです。 あるいは優秀な科学者でもよいのですが、確かに知能の遺伝は認められていますが、その知能を努力によって研鑚し、到達した知識的な水準が、獲得形質として、遺伝するとしたものです。子供は、知能が高いだけでなく、父親の後天的経験的成果を遺伝によって継承できるのです。 無論、知識がそのまま遺伝するというより、父親が習得した科学の分野について、子供は、より容易に、すでに一度学んだことを思い出すような意味で、習得が可能となるというものです。 メンデルの遺伝学と異なるところは、メンデルは、先天的形質の遺伝を主張し、その主張は、多年にわたる観察実験で、実証されてていたということでしょう。 上の人間を例にした「獲得形質の遺伝」の例は、わたしが作ったもので、ルイセイコン自身は、植物において、後天的に優れた形質を獲得したものは、その形質を遺伝させえるとして、つまり、寒い場所で、果実を実らせることができた植物は、その獲得形質を遺伝させ、その植物の子孫は、寒いところで、果実を実らせることができるというような話であったのです。 品種改良で、寒さに強い品種を作り出すという話なら、上の寒いところで果実を実らせることのできる植物もおかしくないのですが、たまたまある個体に起こった、個体が獲得した性質が、品種改良でもないのに、遺伝するとしたことが、おかしいというか、実証されていれば、おかしいことではないのですが、実証が実際にされていないのに、主張だけが通ったことがおかしいのです。 ルイセンコ説は、ラマルクの説の焼き直しだとも言えるのですが、ルイセンコは政治的に、自己の説を利用し、当時のソ連において、ブルジョワ進化論に対し、マルクス主義進化論という、非科学的なものを、提唱して、権力に接近し、彼が政治科学者になったということでも、スキャンダルであったのです。 政治と科学者が癒着すると、実証されていない科学理論が、政治のプロバガンダ目的で喧伝され、正当と認められ、それに反論する科学者たちの科学的検証の主張が、ルイセンコを中心に、政治的意図で、握りつぶされたということが問題であるのです。 科学的真理は、政治家が決めるものではなく、科学者が政治と癒着すると、科学的真理の探求そのものが歪められるという、現代における代表的な事件が、「ルイセインコ説事件」であるのです。 ルイセンコが「異端者」であるのは、科学は、検証と実証によって、その仮説の真理性を明らかにせねばらず、科学はオープンな討議がなければ、客観性が保証されないという原則に反し、みずからの学説を正当化し、更に、政治的権力をも握ったルイセンコは、科学者としての、妥当性を失っているという意味で「異端者」なのです。 >戯言の記9 >http://homepage2.nifty.com/tan-deki/tawagoto9.html
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- toppo2002
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環境条件の変化で生物の遺伝的性質を方向づけ変化させ得ると説いたそうです。
ダイレクトな回答ではありませんが、以下の参考URLが参考になりますでしょうか? 「ルイセンコ」 ◎http://www.brh.co.jp/s_library/j_site/scientistweb/no30/ (ルイセンコの時代があった 生物学のイデオロギーの時代に) ●http://www.brh.co.jp/s_library/j_site/scientistweb/no11/ (分子生物学のロマンティック時代と私) ご参考まで。