これまで専門家の方々が形容詞用法である旨のご回答を寄せられているなかで、一般人の私が申し上げるのは気が引けますが、私にはこの用法はいわゆる「目的」に思えます。
(1)
件の以下の英文(1)は、(2)さらに(3)に書き換えてもほとんど意味が変わらないように思います。
(1) Jim conducted a study to give us some insight into our situation.
(2) Jim conducted a study in order to give us some insight into our situation.
(3) To give us some insight into our situation, Jim conducted a study.
(2)
いわゆる「結果」用法は典型的には
(a)「to+動詞の原型」部分の動詞、
さらには
(b) 述語動詞、
が「非」意志動詞であるように思います。
例えば、
(4) He will live to be ninety. (彼は90歳まで生きるだろう。)
(5) I woke that night to find my house in flames.
(その晩、目をさますと、我が家が炎に包まれていた。)
などです。
(3)
そもそも、形容詞用法というのは
(c) 修飾される直前の名詞が「to不定詞」の意味上の目的語になる、いわゆる「目的語関係」の形容詞用法で数多くみられる用法、
(d) 修飾される直前の名詞が不定詞の意味上の主語になる、主語関係の形容詞用法で上の(c)に比べると決して数多くはみられない用法、
の2つが中心です。
さて、件の英文(1)が形容詞用法であると見る方々はきっと上の(d)の「主語関係」の形容詞用法と見られているように思います。この(d)の場合、
(あ)
多くの場合は直前の名詞句が最上級、およびその類語first, last, nextに修飾されている次のようなものが多いように思います。
(6) She’s the youngest person ever to swim the Channel.
(彼女はイギリス海峡を泳ぎわたった一番若い人だ。)
(7) Tory was the first to recover.
(トリーが最初に回復した。)
(い)
残りはこの上に見たパターンを除いた主語関係の形容詞用法ですが、この例はあまり例は多くないように思います。よく引用される例を見てみます。
(8) I have no man to help me.
(私には助けてくれる人がいない。)
(9) There’s a lot of work to be done.
(するべき仕事はたくさんある。)
(10) That’s something to be avoided.
(それは、どうあっても避けなければならないことだ。)
私はこのような例を見ると、
○ 述語動詞はhaveとbeというどちらも存在に関係する動詞である場合が多い、
○ 上のこととも関係しますが、to不定詞の動詞部分が修飾していくところは直前の名詞句以外には考えにくい、
ように思います。
(4)
上の(3)のように考えると、件の例文:
(1) Jim conducted a study to give us some insight into our situation.
は、私にはto不定詞の形容詞用法には見えないのです。私には上の(1)で書いたとおり、いわゆる「目的」、より正確には文の主語Johnの「意図」と解釈するのが最も自然なように思えます。日本語にすると「ジムは我々に状況を深く理解させようと(意図して)ある研究を行った。」ぐらいに思えます。
お礼
皆様ありがとうございました。 深い分析をありがとうございました。その後BBC World のスポーツを聞いていたのですが、ナダルのニュースで、 ...動詞 to win the game... と言っていました。この動詞は意志動詞だったと思います。 ですからおっしゃる説明は正しくないのではと考えました。