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パレート最適とは?経済学の目指す状態について
- 経済学では、「パレート最適」と呼ばれる資源配分を目指しています。
- パレート最適な状態では、他人の満足度を下げることなしに自分の満足度を上げることができます。
- 競争市場ではパレート最適を達成できず、政府の介入が必要とされています。
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質問者が選んだベストアンサー
初めまして。回答がついていない事に注目し、質問を拝見し、それからパレート最適について知った者です。定義を知ってから数分ですからお役に立てるとは思いませんが参考までに。 (1)「パレート最適とは、他の誰かが効用を悪化させない限り、どの人の効用も改善することができない状態」で、経済学上これを目指す目的は、「資源の効用を最大にすること」が経済学の目的の一つであるからと考えられます。経済学の基本原理は、「有限な資源を効率的に配分して人の欲求を満たす」ことにあります。この「効率」だけに注目した概念と考えられます。資源は有限(これを希少性といいます)なので、その配分しだいで、一人だけ満足したり、10人が満足したりします。 ここで気をつけるべきと思われるのは、たとえ一人の満足でも、10人分以上の効用がある場合、資源はパレート効率的に消費されたと考えられる点です。パレート効率=公平な配分ではなく、あくまで効用の最大化である点は注目すべきと思います。パレート最適という概念はこのように簡便なものさしで、経済学的目標の一指標に過ぎないと考えられます。 市場の失敗とは「資源の効率的配分が妨げられた状態」で、「競争」「情報」、「資源移動性」、「公共財」などの欠陥が原因で起こります。特に公共財については市場では実現できない財やサービスのことで、市場では必ず失敗するために政府の介入が必要です。具体的には警察、消防、治水などで、個人が市場で購入することが難しいものに相当します。安全を自分は購入するが、隣近所は購入しないといった市場的な取引が不可能な財やサービスのことです。 (2)完全競争下にある資源はパレート最適に配分されると考えられます。これは「厚生経済学の第一基本定理」によって仮定され、上記のような公共財などがない市場経済での話と思われます。 (3)市場の失敗のもう一つの原因に、「外部性」があります。これは取引当事者以外の効用が減少することで、例えば滑走路建設に伴う周辺地区の地価下落などが該当します。低下したパレート効率を補償するために政府は補償金その他の政策で介入する場合があります。さらに、市場が考慮できない負の外部性には公害、騒音などがあります。 以上ご参考までに。文献Economics Principles and Practices/ Gary E Crayton著
お礼
質問に対し回答がなかったということだけで、ご自分の貴重な時間を使い、1から色々と調べ上げてくださった心意気に感激しました! 回答もしっかりとまとまっていてわかりやすく自分の疑問点にピンポイントで記してくれています。 今回の質問を通じて、「まずは自分で努力して調べてみる」ということを改めて思いました。それと同時に、「困っている人が居れば一緒に考えてあげる」ということが大事なんだなぁと思いました。 最後に・・・ web上とはいえ回答者様のような素晴らしいお方と出会えたことをうれしく思っています! ほんとうにありがとうございました!