共通点として、以下のようなことがいえるのではないかと思います。
まず、背景として、各国とも深刻な不況による経済危機の渦中にあったということです。一方、他の欧米諸国は、広大な植民地ないし国土を有していたことから、ブロック経済をしき、他国を経済市場から締め出そうとしました。これに対抗し、日独伊もベルサイユ体制に抵抗して、植民地拡張の必要に迫られていったと言う点です。
こうした内外情勢にもかかわらず、国内の政治が空転を繰り返した点も似ていたように思います。つまり、ドイツのワイマール体制、日本の大正デモクラシーによって、政党政治が定着していたものの、政党は対立勢力の批判に明け暮れ、なかなか有効な政策を策定できませんでした。そのため、国民の中に、軍部による強力なリーダーシップを期待する空気ができあがっていったという背景が類似していたと言えるでしょう。
相違点としては以下の点があげられると思います。
まず日本の場合、ヒトラーやムソリーニのようなカリスマ性のある政治家が現れなかったため、実質的には、軍隊の中堅幹部たちに引っ張られていったと言う点です。次に、日本の場合、軍国主義が農民運動と結びついてきたと言うのもひとつの特徴でしょう。
以上、雑駁な説明で恐縮ですが、ご参考となれば幸いです。
なお、詳しくは、以下の書籍がご参考となるかと思います。
軍ファシズム運動史 秦郁彦∥著
出版地 :東京
出版者 :原書房
出版年月:1980.1
資料形態:432,23p 22cm 2800円
注記 : 新装版
お礼
丁寧な説明ありがとうございました。参考にさせてもらいます!