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痛覚って、後天的になくせるもの?
昔、何かの小説で、もう手の施しようのない末期患者のために、 痛覚を感じる神経だけを切断して、 僅かなでも静穏な余生を与えるための手術を行う、などという内容があったような気がするのですが、 今思うと、本当にそんなものあるのか?とすごく気になります。 もしその手術があった場合、なんという名称で、 どんな基準で、それが許可されるのでしょうか? 日本でも本当に行われている手術なんでしょうか? 長くなりましたが、知っている方がいましたら、ぜひご返事していただけると、非常にありがたく思います。
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- ruehas
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こんにちは。 ご質問を拝見したときから私も気になっていたのですが、何とかそれらしいものを見付けましたよ。どうやら「感覚上行路遮断術」という外科手術らしいです。 我々の身体の様々な部位からの感覚情報といいますのは、一旦、脊髄に集められてから大脳皮質・感覚野に中継されるものです。そして、この身体末端の感覚器官から大脳皮質に向かう神経伝達路を「感覚上行路」といいます。 では、この感覚上行路のうち、脊髄から大脳皮質に痛みを伝達するメイン回路を切断してしまうならば、感覚器官の受容した痛覚は脊髄までは伝達されますが、大脳皮質には送られないということになります。因みに、全身の苦痛を消滅させるためには上下・左右半身の、最低でも四箇所を切断する必要があります。 理屈としてはこれで間違いないとは思うのですが、まさか、これが「鎮痛医療」として実際に可能であるとは知りませんでした。但し、これにどのような法的・倫理的な制約があるのかは分かりませんし、また、日本のそのような実例・症例があるのかも調べられませんでした(ゴメンなさい)。 「倫理的」という言葉を持ち出しましたのは、質問者さんもご指摘なさいますように、これは末期癌の患者さんに対する延命治療などとほぼ同じことであるからです。一度処置をしてしまったならばまず元に戻すことはできませんし、何よりも脊髄といいますのは運動・感覚・自律といった末梢神経系の要でありますから、もし失敗すれば半身不随は免れません。たいへん危険な手術でありますから、何らかの規制、もしくはよほどの事情がなければ行うことはできませんよね。 詳細がいまいちはっきりしなくて申し訳ないのですが、この「感覚上行遮断術」という用語は現在出版中の医学書にも載っています。 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4895535983.html 更に、色々調べていましたら、私も昔見たことがあるのですが、アメリカ映画の「ダークマン」というSF物の主人公がこの手術を受けたために特殊能力を獲得し、復習を果たすという設定であったことが判明しました。もちろん、特殊能力というのはSFの中での話です。 それから、学生時代のことなのですが、少年誌に掲載されていた「スーパー・ドクターK」という連載漫画の中にも、恐らくこのネタを使っていたのではないかと思われる一話があります。これは、戦場に向かう兵士が傷みいうものを全く感じないようにされてしまうというお話なのですが、果たして、このストーリーがハッピーエンドであるわけがありませんよね。 下らない話ばかりで恐縮ですが、質問者さんがお読みになった小説以外でもこれを取り上げているものがたくさんあるということは、少なくともこのような「感覚上行路遮断術」という医学技術が何処かで社会的にクローズアップされた事実があるということではないでしょうか。痛みを感じない手術なんて、確かにセンセーショナルですよね。 確証に辿り着くことができませんでしたので、飽くまで参考ということでお願い致します。お医者さんや専門家ならば知っているひとがいるはずなんですが、やはり本物のお医者さんはこんな所には回答はしないのでしょうかねえ。
お礼
まさかこれほど詳しく調べていただけるとは! 本当にありがとうございました。 そしてお疲れ様です、そういう手術があることがわかっただけでも、 喉のつかえが取れた心地です。