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民法における、無権代理人の責任と債務不履行責任との関係
民法の勉強をしているのですが、質問があります。 民法117条2項によれば、無権代理人の相手方は、悪意であれば、履行または損害賠償責任を主張できない、とされています。 そのような場合、無権代理人の相手方(悪意)は、無権代理人に対して債務不履行の損害賠償(415条)も請求できないのでしょうか?
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無権代理による契約は,本人が追認を拒絶すれば,無効です。(追認拒絶前でも,潜在的に無効の要素を含んでいますが,分かりにくくなるので,追認拒絶された後だけ考えます) しかし,単純に無効としたのでは,相手方の保護に欠けるため,無権代理者に無過失責任を課したのが,117条1項です。 目的が相手方の保護ですから,相手方が悪意有過失の場合まで,その保護を及ぼすことはない,というのが同条2項。 すると,2項では原則に戻って,無権代理行為は単なる無効な行為ということになります。 また,もともと代理人による契約は,相手方と本人の間に法律効果を発生させるものであって,相手方と無権代理人の間には債権債務関係は発生しません。債務がないところに,債務不履行は存在しようがありませんから,債務不履行の損害賠償は請求できません。 なお,不法行為(709条)による損害賠償請求は,また別な話になります。
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- ok2007
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2項は「主張できない」というよりも「履行又は損害賠償の責任を負う」(1項)との規定を「適用しない」としていること、および1項の「損害賠償」は履行に代わるものであると考えられていることから、2項の要件が満たされた場合には無権代理人は履行責任およびそれに代わる責任を負わないことになります。 そうすると、この場合の無権代理人は415条の債務不履行責任も負わない(負いようがない)、といえるように思います。
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回答ありがとうございました。
お礼
>相手方と無権代理人の間には債権債務関係は発生しません この点について自分が勘違いをしていたことがよく分かり、疑問が解けました。 ありがとうございます。