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熊の処分について
先日、神戸新聞を読んだところで人里に入ってきた熊がほとんど殺していると記事がありました。なぜ、山へ帰さず、ほとんど処分されるのでしょうか。たしかに人を殺した場合、傷つけた場合、やむをえないとおもうのですが、たまたま入った場合、帰すべきとおもうのですが、知識 不足の場合すいません。よろしくお願いします。
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獣医師です。 本業としてではありませんが、クマの保護に関する仕事にも関わっています。また、No.2さんの回答に出てきた「クマの研究をしている大学」の卒業生で、クマで卒論を書きました。材料を入手するために毎週猟友会の猟師さんと山を走り回ったのは懐かしい記憶です。 今では専業でクマに関わっているわけではないので、あまり熱心に最近の情勢を追いかけているわけでもないのですが、当たり障りのないところを。 まずクマの生息数ですが、増えているというのはちょっと違うのではないかと思います。 クマは人工林でも平気で生きていけるシカなどとは異なり、自然林でしか生息できない動物です。自然林が減少し続けている日本で、クマの個体数が増えるというのは理屈に合わないがします。 また、クマの生息数についてはあまり精度の高い調査はほとんどされていません。増えている減っているという前に、まずその基準となる数字すらまともに出せていないので、増減については判らない、というのが正確な言い方でしょう。 捕獲したクマの殺処分率が高いのは、ひとつは他の方の回答のとおり、捕獲したクマを山に放すには、多大な人員と手間を要する、ということがあります。 個体データをとるということもありますが、1頭の捕獲から放獣まで、猟友会、獣医師、行政関係者で10人くらいが動員されています。かかる時間も少なくとも半日かかりますね。場所が山奥だったりすると、移動も入れると丸1日かかることもあります。 麻酔についてですが、クマに効く麻酔薬が去年から厚労省に麻薬指定されました。そのためその取り扱いには、「麻薬使用者」の資格が必要で(誤解を招きかねないネーミングですが・・・)、獣医師といえども誰でも、というわけにはいかなくなってしまいました。 余談ですが私はもちろん取ったのですが、手続きには「麻薬常習者ではない」という医師の診断書が必要だったりで、けっこう面倒でしたね。 麻薬常習者だったりしたら、そもそも獣医師免許も剥奪されるのですが・・・ もう1つの理由は、人に馴れたクマはヒトを恐れなくなり、将来ヒトに危害を加える可能性が高い、ということです。 最近、クマを捕獲・放獣する際に刺激性のスプレーを噴霧して「お仕置き」することを、多くの地域で行っています。そのスプレーは登山用具店などでも「クマよけスプレー」として売られていたりしますが、マジに強烈です。 かなり離れたところに待避していてほんの僅か漂ってきたガスを一瞬吸っただけで、30分ほど喉が焼け付くようにヒリヒリして咳が止まらず、声もロクに出せない状態になります(ちゃんと風上に待避するのですが、スプレーの直前に風向きが変わったりして地獄を何度か味わいました)。 それを正面からまともに受けてもけっこうケロリとしているクマもどうなってるんだと思いますが、このお仕置きが本当に効果があるのかも一部では疑問視されています。まあもう数年経たないとデータも出てこないでしょうが。 そんなわけで、捕獲・放獣もなかなかたいへんなんですよ。
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- umetoshiso
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No1さんのおっしゃるように捕獲は難しいです。ツキノワグマは体格は小さいですが、それでもかなり力が強いそうで、並みの人では1対1では負けてしまうそうです。捕獲には麻酔がどうしても必要ですが、麻酔も獣医さんに協力してもらわないと扱えないし、逃がすときに麻酔が切れて人間のほうへ走ってくるクマもいるとか。一部ではそういった熊を山に返す活動をしていますが、何らかの機関の協力が無いと自治体だけではかなり危険なので難しいと思います。 ツキノワグマは現在数が増えており、殺しすぎなければ数としては問題はないそうです。 でもやはり殺してしまうのはかわいそうですね。クマが人里まで来てしまうのは里山がなくなってきているためだ、と環境を専門にされている先生から聞きました。帰すだけでなく環境から直していってあげることが大切なのかもしれませんが、お金もかかりますし、難しい問題ですね。 私はちらっと話を聞いただけですが、岐阜大学、岩手大学、北海道大学でクマの研究をしています。ツキノワグマ研究会やヒグマ研究会がありますので、そちらのHPを見たりや直接研究していらっしゃる教授にメールするとさらに詳しいことがわかるかと思います。
お礼
ありがとうございます。
- zail
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あくまで、予想にしかすぎませんが…。 山が近ければ殺さなくても返せるかもしれませんが、 山から離れた民家の方まで来た場合、 殺さずに捕まえるというのが難しいのかもしれません。 麻酔銃も量を間違えると死ぬ事がありますし。 あと、民家から出たゴミをあさった熊がいたら、 習慣づいてまたゴミ捨て場に来てしまったりするから ではないでしょうか。
お礼
ありがとうございます
お礼
ありがとうございます。熊を保護することそんなに大変とは知りませんでした。仕方がないかもしれません。