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ゲル電の際、制限酵素でDNAを切る意味
大腸菌からDNAを生成した後、DNAを制限酵素で切ってゲル電を流すことで生成できたか確認しますが、切断するとなぜ統一された長さになり、切断しないとなぜさまざまな長さのバンドがでてくるのでしょうか。例えば、3000bpのDNAを生成したとすると、切断せずにそのままゲル電を流したら3000bp以下のところにいくつかバンドがでてきて、切断すると3000bpのみのところにしかバンドがでてこないのがなぜなのかがわかりません。
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大腸菌から精製したDNAというのはプラスミドDNAのことですよね?単にDNAというとゲノムも含まれます。 プラスミドは環状のDNAですが、丁寧に抽出してやるとほとんどのプラスミドはスーパーコイルと呼ばれる形状で取れてきます。これは、ちょうどツイストドーナツのように環がねじれて、細く短い棒状になっています。したがって、立体的にゲルの網目構造中を移動しやすくなります。抽出後すぐに泳動して、一番濃く、一番移動度の大きいバンドがこれにあたります。 マーカーと比較して正しい長さに観察されるバンドは、環状が完全に切れて、直鎖状になったプラスミドです。ある程度の長さになるとDNAは物理的な衝撃でも切れやすくなるので、抽出の操作等によって直鎖状になることがあります。 マーカーと比較して、正しい長さよりも長鎖の位置に見られるバンドは、リラックスド・サーキュラーとよばれる、固定したねじれなどのない、ふつうにイメージされるような環状のプラスミドです。これは、輪になっている分、立体的にかさだかいので、ゲル中を移動しにくくなり、電気泳動すると高分子側で観察されることになります。リラックスド・サーキュラーは、スーパーコイルのプラスミドDNAの2本鎖のうちの1本だけに切れ目(nick)が入るとできます。 ちなみに、正確に言うと、 「直鎖状のものが正しい長さの位置に見える」 のは、分子量マーカーのDNAに直鎖状のものを用いているからです。それぞれの形状に対応したマーカーを用いれば、それぞれ長さが正しく見えるはずです。私はリラックスドのは見たことありませんが、スーパーコイルのマーカーは市販されています。
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- lamb1204
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#3です。 >一つ確認したいのですが、pDNAと制限酵素がうまく反応すると、全て直線状のプラスミドになり、 はい。全てのプラスミドが完全に切断できていれば直鎖状になります。 (ただし、諸々の条件次第では、突出末端がアニールして、見かけ上環状に振舞う場合も存在します。) >反応しきれないときにリラックスド・サーキュラーが生じるという理解でよろしいでしょうか。 制限酵素の反応に限って考えると、反応しきれない時は、単にスーパーコイルの未切断のものがのこることが多いように感じます。ただし、「スーパーコイルが苦手な制限酵素」を用いた場合にはリラックスド・サーキュラーが多くなるような気もします。
お礼
ありがとうございます。 問題がすっきり解決してすごく嬉しいです。
- atyushi
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経験的に、プラスミド全長の2/3のところにスーパーコイルの バンドが現れるみたいです。 いくつかというのがなぞですが スーパーコイルの形にもいくつかパターンがあるみたいです。 また、プラスミド全長の2/3の2倍の大きさ プラスミドダイマーのバンドもたまに見受けられます これらはすべて同じプラスミドなので、 制限酵素で切断すると 同じ大きさのところに 直鎖DNAバンドとして現れるのではないでしょうか?
お礼
早速のご回答ありがとうございました。
- MIYD
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生成は精製の変換ミスで、 大腸菌からプラスミドを精製したさいの操作についてのいいんですよね? 通常プラスミドは環状の形で大腸菌内に存在しています 環状の場合、直鎖状に比べて早く泳動されるため、 見掛けの長さが短く見えます そのプラスミドの1箇所を切る制限酵素で切断すると、 特殊な高次構造をとらない場合は、 プラスミドの本来の長さの移動度になります
お礼
「生成」は変換ミスでした。すみません。 早速のご回答ありがとうございました。
補足
すごく丁寧に説明してくださりありがとうございます。 一つ確認したいのですが、pDNAと制限酵素がうまく反応すると、全て直線状のプラスミドになり、反応しきれないときにリラックスド・サーキュラーが生じるという理解でよろしいでしょうか。