再登場の rei00 です。話が複雑になりそうでしたので前回の回答では省略したのですが,ki-m さんの回答がありましたので,追加回答しておきます。
構造式からD,Lを見分ける方法,と言うよりこれがD,Lの定義なんですが。本来は ki-m さんが御指摘の様にグリセルアルデヒドと関係付けて決定していました。しかしこの方法ではあいまいなものが多々出てきます。例えば,SH, NH2, CN 等の CHO, OH, CH2OH と直接関係のないグル-プが複数あった場合,解釈の仕方でDにもLにも定義できてしまいます。極端な話,COOH は CHO が酸化されたものとも CH2OH が酸化されたものとも考えられます。
この様なあいまいさを避けるため,現在ではD,Lによる表記は糖やアミノ酸といった特定のものでしか使用されません。また,糖やアミノ酸の場合も別の形での定義が一般的です。
糖の場合:
Fischer 投影式で構造を書きます。そして,番号が1番大きい不斉炭素原子に結合している OH 基が右側にある構造をD体とし,左側にあるものをL体とします。
アミノ酸の場合:
COOH 基を上にして Fischer 投影式を書きます。そして,NH2 基が左側にあるものをL体,右側にあるものをD体とします。
この場合, ki-m さんが指摘の IUPAC ル-ル(糖に用いたもので炭水化物命名法と言います)とD,Lが逆になる化合物が出てきます。例えば,通常のスレオニンはアミノ酸命名法では NH2 基が左にきますのでLになりますが,炭水化物命名法では番号が1番大きな不斉炭素原子に付いている OH 基が右に出ますのでD体になります。
通常はアミノ酸であれば,アミノ酸命名法を用いるわけですが,もし両者の区別を示すには,D,Lの右側に下付きの s, g を付けて示します。ここで,s は serine に由来しアミノ酸命名法に基づく事を示し,g は glyceraldehyde に由来し炭水化物命名法に基づく事を示しています。
お礼
ありがとうございました。