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翻訳の時に・・・・。
例えば小説の翻訳をする時に、 登場人物の名前の表記はどのように調べるのですか? 音のとおりに表記するのでしょうか・・・・? 教えてください。よろしくお願いいたします。
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色々な言語において、慣用的によく使われる固有名とか、或る単語の発音と丁度一致するような単語、また、その言語の「標準的な発音」慣習で読むと、どうなるか、で大体判断します。 しかし、すべての固有名の読み方が知られている訳でなく、アメリカの小説なら、当のアメリカ人読者でも、人によって読み方が変わって来るような名前は、何が正しいのか、よく分かりません。 作家が存命中の場合、作家に、色々な疑問点と一緒に、丁寧な質問の手紙を出して、教えてもらうことをします。これが一番正確で、そして、英語なら英語の音を、日本語で、一番近い音はどれかということで選びます。或る程度、日本語で習慣になっている読み方は、それを踏襲したり、また翻訳者の判断で、この音に近いとするなど、臨機応変です。 また作家が逝去している場合など、どうしても知りたい発音は、作家の近辺の人から聞いたりします。ラヴクラフトという作家は、発音不能な、子音だらけの神の名前を造ったので、何と発音するのか、色々な説があり、作家が生前こう発音していたという友人の言葉を根拠に、こう発音する、と主張している日本人もいます。 アーシュラ・K・ルーグィンの作品に『闇の左手』という小説があります。この話は未来の架空の惑星の話で、独特の文化や言語をルーグィンは造っています。 この作品の登場人物のなかで、別の同じシリーズの短編が訳された時は、「アーガベン」とカタカナで表記された名前がありました。しかし、この長編のなかでは、「アルガーベン」と変化しました。 これは、元の綴りを見ると、英語的に読むと、最初の「ア」にアクセントがあるように見えますし、英語としては「アーガベン」が自然なのです。しかし、作家は、特殊な意味を、この名にもたせていたので、「ガ」がどうもアクセント位置らしいのです。 このことは、作家に直接問い合わせたか、作家の方から、注意が来たのだと思います。普通だと「アーガベン」ですから、そうでなく「アルガーベン」だという風にです。 すでに亡くなりましたが、レーガン大統領という人がいました。この人が大統領選に臨んだ時、確か、日本の新聞は、「リーガン候補」と書いていました。ところが、その後、「リーガン大統領」が短期間あり、やがて「レーガン大統領」に変わりました。これは、大統領サイドから、自分の名は、日本語で表記するなら、むしろ「レーガン」が近いというメッセージがあった為だったと思います。 日本人の耳では、「リーガン」にも「レーガン」にも聞こえる名前だったのです。 どれだけ、その言語の色々な単語の発音、固有名の発音について知っているかで、或る程度の見当が付きますが、日本人の名前のなかにも、当人に教えてもらわないと読めない名前や、難読地名などがあります。これと同じで、例外がたくさんあり、作家存命なら、作家に問い合わせることがもっとも正確なことです。 わたしの知っている別の例では、フォークナーの短編に、「ウォッシュ」という名の老人が登場する話がありました。翻訳したのはかなり有名な翻訳家で、その名前は、英語の常識の発音からは、「ウォッシュ」がもっとも適切だったのです(Wash という綴りだったはずです)。 しかし、翻訳家は、この名を、「ワッシ」と訳し変えます。何故、こういう変化が起こったかというと、フォークナーが日本を訪ね、翻訳家はフォークナーと話す機会ができ、色々と以前から疑問に思っていたことを質問したり、雑談したのです。 すると、Wash という名は、Washington の愛称だったと分かったので、それなら、「ワッシュ」か「ワッシ」で、結局、「ウォッシュ」は訂正されたのです。 また、A Rose for Emily という作品があって、これも、「エミリーの薔薇」だったのですが、何故、この作品が、「エミリーの薔薇」か、分かりませんでした。話のなかで、薔薇がまったく出てこないからです。作者フォークナーに聞いた所、本当かどうか、作者だけが知っていることですが、「薔薇でもあげないと、エミリーが可哀相ではないか」と答えたというのです。 そこで、この作品の日本訳題名は、「エミリーの薔薇」から「エミリーに薔薇を」に変わりました。作品を書いた作家が、こういうことだと説明したので、解釈が可能になったのです。 その他、色々なことが関係してきます。「マクドナルド」というファーストフードの店がありますが、あの「マクドナルド」をネイテイヴに発音してもらうと、まったく「マクドナルド」には聞こえません。「マッキャダナル」に近いように聞こえます。しかし、これも不正確です。日本語で表現できない音なのです。 何と読むのか、それ自体分からない名や、また、分かっていても、どう日本語で表せばよいのか、困るものもある訳です。マーク・ツウェインか、マーク・トウェインか、マーク・トゥウェインかなども問題になります。それぞれの時代の日本語の流行もあります。
その他の回答 (2)
あげ足を取るようで申し訳ないのですが、どうしても訂正したい箇所があるので、#2の回答に関してです。 「レーガン大統領」は現在91歳で、まだ生きています。アルツハイマーの為、公の場には出なくなりましたが、アメリカの大統領で一番長生きした大統領ということで、まだまだっ長寿の記録を更新されるかと思います。参考サイトは「レーガン大統領」のホームページです。 これだけでは回答にならないので、思い付いたことを幾つか申し上げます。 ある小説で"Nicklelodeon"というアメリカの子供用のマンガを放送しているケーブルテレビ局のことを、「ニックルロデオン」だと思いますが、実際の読み方を違うように訳していたのを見たことがあります。これは「ニケロディアン」とした方が、実際の発音に近いです。 このように、実際の読み方を知らずに、そのまま音の通りに読んで翻訳すると、違和感が出てくることもあります。理想としては、翻訳者が登場人物名や企業名など(この場合はテレビ局の名前)を英語のスペルも表記して説明してくれたら、英語の勉強にもなって良いですね。 カタカナだと「ベス」ですが、英語だと"Beth"というように、発音が全く違う名前のことを考えると、名前に一覧表を付けて欲しいですね。
- 参考URL:
- http://webteamone.com/
お礼
二度にわたる回答、ありがとうございました。 やはり音どおりではないということですね。 色々難しいですね・・・・・。 ありがとうございました。
- HIDE32
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イギリスに住んでいて、良く日本人の友達にテレビとかの通訳を頼まれます。 登場人物が日本人なのか外国人なのかによって違います。 例えば、フランス人にLaurentと言う登場人物がいるとします。 普通は「ロウラント」と発音をしますが、正式には「ロウホン」と 言います。 Andreも「アンドリュー」と言うし、一概に音の通りに表記をするわけでは ありません。 地名もそうです。例えばGreenwichは日本人は通常 「グリーンウィッチ」と言いますが、正しくは「グリニッチ」です。 よく日本人が間違えるのは「Holborn」。通常は「ホルボン」と言いますが、 実際は「ホーボン」です。
お礼
ありがとうございました。 お礼が送れて申し訳ありません。 色々な例があるようですね。 参考になりました。
お礼
ありがとうございました。 お礼が遅れてもうしわけありません。 その作品の背景にも関係することがあるなんて おもしろいですね。 参考になりました。