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「未曽有」の読み
「お父さん」のふりがなは「おとうさん」ですが、殆どの人は「オトオサン」と読んでいると思います。 「未曽有」のふりがなは「みぞう」ですが、「ミゾオ」と読む人と「ミゾウ」と読む人がいるように思います。 速く読んでしまう場合など、どちらかはっきりしない場合もありますが、敢えてゆっくりと「ミゾ・ウ」というように読んでいる人もいます。 (これは主観ですが「ミゾウ」と読む人の方が教養があるように感じます。) 「お父さん」のような単語は比較的多いので、オ段の音に続く「う」は必ず「オ」と読むものと思っていたのですが、 「未曽有」の読みについてはどうなっているのでしょうか?
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「未曾有」について少しばかり過去の文献を確認してみました。 1603~4年に長崎で刊行された「日葡辞書(にっぽじしょ)」には、 「Mizou」(oの上には長音であることを示す補助記号あり)という形で見出しが立ててあって、ローマ字で「イマダ カツテ アラズ」と説明されています。この時期「未曾有」は「ミゾーウ」と発音されていたようです。 J.Cヘボンの「和英語林集成第三版」(明治19年刊、現在、講談社学術文庫に入っています)では、 「Mizo」(oの上には長音であることを示す補助記号あり)の形で見出しが立てられています。この時期「未曾有」の発音は「ミゾー」が一般的だったのでしょう。 中世以降、 1、あう、かう、さう、などは長音化してオー、コー、ソー、 2、えう、けう、せうなどは長音化してヨー、キョー、ショー、 3、おう、こう、そうなどは長音化してオー、コー、ソー、 と発音されるようになりますから(実際は1の長音は開音、2・3の長音は合音と呼ばれ、それぞれ発音が少し異なっていた)、「みぞうう」が「ミゾーウ」と発音され、「みぞう」が「ミゾー」と発音されることは日本語の音韻の変化に対応したごくごく普通の発音といってよいでしょう。 現在「ミゾー」「ミゾウ」両方の発音が行われているのは、たとえば「英語」に「エーゴ」「エイゴ」両方の発音がみられるような「発音のゆれ」にあたるもので、どちらが正しいかという問題ではないように思います。 「『ミゾウ』と読む人の方が教養があるように感じます」とおっしゃっていますが、なるほどそうかもしれません。 しかし「ミゾー」と発音するところを、文字に引かれて「ミゾウ」と発音しているという可能性もあるのではないでしょうか。ちょうど古文を教わり始めのころ、「タモーテ」「トーテ」と音読すべき「給うて」「問うて」(いずれもウ音便形)を「タマウテ」「トウテ」と音読してしまうように。
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- miya-mcl
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OKAT様、ありがとうございます。 まるで探せなかったので、助かりました。 たぶん、それだと思います。 発音についても同じだと習ったと思うのですが、どちらにしろ資料がないので、はっきりしたことが言えずにすみません。 大学の教科書は捨てようがないく置いてあるんですが、ノートやプリント類は全部処分してしまったので。 雨傘など「あめ」が「あま」に変わるのは、その講義で例に出ていたと思います。 辞書の方ですが、日本国語大辞典、古語大辞典の話が出てきていないことに気が付いて調べてみたのです。 手元の辞書は「ミゾー」になっていますが、小さい辞書があまり使えないことは国文科なら誰でも知っています。 そこで、どなたもお調べになっていないようでしたし、もしかすると一般の図書館ではあまり置いていないのかもと思い、調べてきました。 詳しい音についてはわかりかねますが、日本国語大辞典、古語大辞典から、「ミゾー」あるいは「ミゾオ」という読みは、昔からあったようですね。
- OKAT
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質問者へ 漢字熟語で、最後の一字を「ウ」と発音するもの、そして直前の音が「オ段」である例は、前回の回答どおり非常に少数しか挙げられませんでした。それは「未曽有」が少ない例外だとおっしゃりたかったのでしょうか。 miya-mclさんへ >「種瀬」と書いて「たなせ」と読む人ですが、この図で「え」と「あ」が変化しているのがわかると思います。 「たね」が「たな」と変化することについては、江戸時代以前は「通音」という術語を使っていましたが、現代では「音韻交替」と呼ぶようです。 例 雨→「雨傘」(あめ→あま) 酒→「酒屋」(さけ→さか) 目や「瞼」「まなこ」「睫毛」(め→ま) 等々 違っていたらごめんなさい。 なお、「未曽有」を「みぞうう」ともいうのは、「曽」(曾の異体字で現在は曽と書く)の「呉音」には「ぞ」と「ぞう」の二種あるからです。「漢音」は「そう」。 しかし、「未曽有」を「ミゾー」と読むと書いてある辞典もあるのですか。もしそうだったら、大して議論する必要もなかったのですね。(笑)
補足
>それは「未曽有」が少ない例外だとおっしゃりたかったのでしょうか。 「ミゾウ」と読むのかどうかわからないので、私には例外なのかどうかは判断できません。 No.9の説明が「未曽有」だけ例外的に取り扱っているように見えかねないと思ったのです。 No.9の(例2)や(例3)については、おそらく辞書に「『ミゾー』と読む」と書いた方も納得されることでしょう。 でも、もし「う」は2回以上続いたら2文字目以降は「ウ」と読む、とか 「追う」はもともと平仮名で「う」と書いているんだから「ウ」と読むんだ、という論理を展開してきたら 「『ミゾオ』と読むのはおかしい」と結論付けていたと思います。 失礼ですが、正直なところ ・「有=ウ」だから「未曽有=ミゾウ」 ・「構造(こうぞう)」などは「オ」と読むのだから「ミゾオ」 は質問当初から予測していた回答であって、それ以上の論拠を示していただいていない、というのが本音なのです。
- miya-mcl
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#6です。 大変申し訳ないのですが、その本が見つかりません。 可能性として、言語学の教授方が、ご自分の論文を引いていらっしゃったのかもしれません。 とすれば、下手をしたら、私の書いた母音が変わる……というのは、プリントか、板書だったかもしれません。 言語学や国語学の本(もし可能なら、国文科がある大学の図書館に行ければいいのですが)を探してみてください。 大学時代になじんだ本は、地元の図書館では数冊しか見つけられませんでしたし、その中に母音が変わることが書いてある物を見つけることができませんでした。 お詫びにもなりませんが、記憶にある範囲と、調べてきたことを書きますね。 長文になってすみません。 イ――――――――ウ \ / エ――――オ \ / ア たぶん、これであっていると思いますが、違う場合はどなたかご指摘ください。 (AAを作ったことがないので、ずれていたらすみません) この関係で音がかわります。 先の例に書きました「種瀬」と書いて「たなせ」と読む人ですが、この図で「え」と「あ」が変化しているのがわかると思います。 以上は、言語学関連の講義で習ったものです。 教授の名前はわかっていますが、大学がバレるので伏せます。 ご了承ください。 以下は、今日調べてきた内容です。 「日本国語大辞典」では、「みぞう」は「みぞうう」と同意となっていました。元は仏教用語なのですね。知りませんでした。 仏教用語として読むときは、「みぞうう」だ、というような事も書いてありましたが、禁帯出なので具体的に何が書いてあったかは覚えられませんでした。すいみません。 「みぞう」のほうの読みは「ミゾウ」「ミゾー」の両方がありましたので、どちらでもよいと考えていいのではないでしょうか。 また、「古語大辞典」によれば、「ミゾオ」と「ミゾオウ」の二つの読み方があったようだ、とあり、表記は「みそう」「みそうう」だったそうです。 詳しくは、上記の2種類の辞典をどうぞ。 小さい図書館だとないかもしれません。 ちなみにこの二つの辞典ですが、国文科はよく使う辞典です。 残念ながら、「みぞうう」が「みぞう」になった理由はわかりませんでしたし、日本国語大辞典に両方があることから、どちらかが正しいというわけでも、どちらかが消えというわけでもないようですね。 一般的なのは、小さい辞書には「みぞう」しかありませんので、こちらを使うのでしょう。
補足
辞書などで見かけた気もしますが、 母音の関係の図は、どのような意味なのでしょうか? 新潟弁ではイとエの区別がないという経験をしているので、 イとエが近いというのは解りますが、そういう図なのですか? 「みぞうう」は「未(み)曽(ぞう)有(う)」ということですか?
- OKAT
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No.7です。 質問者の補足に回答します。 【字音仮名遣い】とは「漢字の音」を仮名書きする時の仮名遣いを言います。「未曽有」を「みぞう」と仮名書きするのがそれに当たります。 「構造」を仮名書きして「こうぞう」となるのも「字音仮名遣い」です。ま、言ってみれば「現代仮名遣い」の一部で、和語でなく漢語の「音読み」の仮名遣いです。 【オ段+「う」となる熟語で「オ」と読む熟語】 質問の意味がよく分かりませんが、構造(こうぞう)学校(がっこう)など多数あるとあるのですが、それに含まれないということですか。とすれば熟語の読み仮名で「オ段+「う」となる熟語で、最後の「ウ」を「オ」と読まない熟語、すなわち「ウ」を「ウ」と発音する熟語」を挙げることになりますが、それでいいのでしょうか。 なら、「ウ」と発音する漢字が最後にくる熟語ですね。未曽有の外に「降雨」(コーウ)「豪雨」(ゴーウ)「毛羽」(モーウ=羽毛が普通)「堂宇」(ドーウ)「疎迂」(ソウ)等々。このくらいが努力の限界です。 ひょっとしたら「疎迂」だけが相当する?
補足
新たに「字音仮名遣い」という言葉の勉強にもなりました。ありがとうございました。 No.9さんの回答に於いての(例1)に属するようなものが他にあれば、と思ったのです。なので >すなわち「ウ」を「ウ」と発音する熟語」を挙げることになりますが、それでいいのでしょうか。 まさにこの通りで、仰る通り「疎迂」だけです。
No.3,4、5です。 もう一回質問者さんの立場(考え方の頭の構造)に立って説明します。ほかのところは見ないでよろしい。 ★『オ段+う』で『お』と発音するもの 長音のときは全て『お』と発音する。長音というのは伸ばして発音するときです。 (例1)お父さん(おとうさん)→「おとーさん」 伸ばすところ すなわち「-」のところは「お」と発音します→「おとおさん」 (例2)校長(こうちょう)→「こーちょー」 伸ばすところ すなわち「-」のところは「お」と発音します。 父という漢字の「とう」の「う」は伸ばすときの「う」で、「う」自体に意味はありません。 校長の「校」という漢字の「こう」の「う」も伸ばすときの「う」で、「う」自体に意味はありません。 「長」という漢字の「ちょう」の「う」も伸ばすときの「う」で、「う」自体に意味はありません。 ★『オ段+う』で『う』と発音するもの 上記の長音以外のものは、すべて『う』と発音する。 (例1)未曽有(みぞう)→「未(み)曽(ぞ)有(う)」で、「う」は「有」という漢字の読みです。これは曽という漢字の読みを伸ばして発音するものではありません。あくまでも有という漢字の読みですから、しっかり「う」と発音しなければなりません。 (例2)降雨(こうう)→「降(こう)雨(う)」で、「降(こう)」の「う」は降という漢字を伸ばして発音するための「う」です。すなわち長音です。この「う」は降という漢字の一部です。「う」自体に意味はありません。おとうさんの「う」と同じです。 「雨(う)」の「う」は雨という漢字の読みです。したがって発音は「こーう」→「こおう」となります。 (例3)負う、請う、添う、問う などの動詞の活用形 この場合の「う」は、長音ではないのでしっかり「う」と発音します。 ●まとめ 『オ段+う』で長音以外の「う」は全部「う」と発音します。長音の場合は伸ばして発音しますから「お」と発音します。 この長音であるかどうかの判別ができないと、話になりません。 校長をコーチョーと書いて、それほどヘンではない。 降雨をコーウと書いても、それほどヘンではないが、「コーー」と書いたらヘンでしょう。 未曾有をミゾーと書いたらヘンなんです。 王をオーと書いても、それほどヘンではないが、 「負う」をオーと書いたらヘンですね。 要するに長音かどうかがポイントです。 以上終り、もう寝ます、おやすみなさい。
補足
何度も回答していただき、ありがとうございます。 「未曽有」は「ミゾウ」と読むべきだ、と納得しつつあるのですが、 どうもしっくり来ないというか、パンチに欠けるといいますか…。 例1~例3と分類していただいたことによって 逆に「未曽有」の特殊性が浮かび上がってしまったように思います。 (例1)に該当する熟語がもっと見つからない限り「『未曽有』は例外的に『ミゾウ』と読むのだ」 と言われても仕方がない論法だと思うのですが、いかがでしょう?
- OKAT
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また、やってしまった入力ミス。「未曾宇有」は勿論「未曾有」の間違いです。<m(__)m>
- OKAT
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「未曾宇有」というわずか3文字の熟語の中にずいぶん多くの国語の問題が存在しているのですね。 「未だ(いまだ)曽て有らず」という漢文が熟語化して出来た「3文字熟語」ですが、(「曽て」が「かつて」なのか、「かって」なのかも問題ですが、ここでは触れません)普通漢文は「漢音」で読むのが中心なので「未曾有」は「びそうゆう」になるところですが、「呉音」の「未(み)曾(ぞ)有(う)」という読み方が定着したと思われます。「未」を「び」と読む熟語はほとんど見かけません。「未明」は呉音と漢音を使って「みめい」と読みますね。 また、仮に「未曾有」という熟語をまとめて「ミゾオ」「ミゾー」と読むのだと主張される人があったとしても、現代仮名遣いは「字音仮名遣い」にも適用されるので、読み仮名は「みぞう」と付けられます。 しかし、読むのは本来の漢字に注目すれば「ミゾウ」だと思います。
補足
>現代仮名遣いは「字音仮名遣い」にも適用される この辺りについて、もう少し解説いただけないでしょうか? オ段+「う」となる熟語で「オ」と読む熟語が他にあるようでしたら 教えていただけないでしょうか?
- miya-mcl
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具体的な回答ではありませんが、日本語の発音について少し。 日本語は、ふりがなとは別に、発音するにあたって変化します。 ここで図が書けないのでわかりにくいと思いますが、母音の「う」「お」、または「え」「い」、または「あ」「お」、または「あ」「え」は、発音しやすいように変化します。 顕著なのは人名です。 ちょっと有名人で思いつかないので、とある会社の名前で。 あまり多い名前ではないのですが、ある地域に「種瀬」さんがたくさんいます。 この方は「たなせ」さんと読みます。 「ね」が「な」に変わっています。つまり母音で言えば「え」が「あ」に変化しているんです。 名前ですから、ふりがなも「たなせ」さんになりますが、母音の変化の一つの例です。 未曾有に限らず、こういうことはよくあります。 漢字、ふりがなと、発音は必ずしも一致する物ではありません。 ちなみに、手元の国語辞典では「ミゾー」となっています。 国語関連の書籍を紹介したいのですが、大学で使った資料が手元になく、書名がわかりません。 図書館で国語関連の書籍を探してみてください。 そのほうがすっきりすると思います。 販売されているものを探す方が難しいと思いますので、図書館、それもできれば地元の国文科の方が通うような図書館をおすすめします。
補足
回答ありがとうございます。 「国語関連の書籍」よりもう少し詳しい範囲で本を教えていただけると幸いです。
>では「みぞう」の「う」は長音ではないので、逆に「ミゾオ」と読んでは間違いということになりますか? ・・・・「ミゾオ」と読んでは間違いです。「未曽有」の「有」はそれ自体に意味があり、「曽」の発音をのばすために(長音化)するためにつけたものではないのは明らかですね。ですから「有」の漢字をハッキリと「う」と発音するのが正解です。 >「オ」と読むのに「う」と書くのか「お」と書くのかという疑問ではなく、私が知りたいのは、「う」と書くのに「オ」と読むのか「ウ」と読むのかについてですが ・・・・同じことです。上の解説でおわかりになったでしょう。 >紹介いただいたサイトでは、どこを辿れば疑問が解決できるでしょうか?・・・次の箇所を読んでください。 ・ 第1(原則に基づくきまり) ・ 第2(表記の慣習による特例) >オ段+「う」で他に「オ」と読むものはありますか? ・・・長音の「う」以外はないと思いますが。私はそんなことを考えたことがありません。 オ段+「う」で「う」と発音するものならば・・・負う、請う、添う、問うなど。 ポイントは長音かどうか、認識することです。 「盗聴」は「とうちょう」と書きますが「とーちょー」で、発音は「とおちょお」。 「堂宇」は「どうう」と書きますが「どーう」で、発音は「どおう」、すなわち、最初の「う」は長音で、後の「う」は「宇」の読み。 「大きい」は「おおきい」と書き、「おおきい」と発音します。 オ段の長音は普通は「う」と書くのですが、これは例外的に「お」と書きます。 ここのところは参考URLの「・ 第2(表記の慣習による特例)」を見てください。 以上です。もう寝ます。おやすみなさい。
補足
>・・・・同じことです。上の解説でおわかりになったでしょう。 すみませんが、わかりません。 1~6,付記とありますが、どれになりますか? 6だとしたら「う」と書く場合について言及されていないので 適用されないと思いますが…。
NO.3です。NO.3のURLはあんまりなので、下のURLなどから勉強されたらいかがでしょうか。 http://www.bunka.go.jp/kokugo/main.asp?fl=list&id=1000003927&clc=1000000068 なお「有」という漢字は、普通「ゆう」と発音しますが(漢音)、呉音では「う」と発音します。
補足
「オ」と読むのに「う」と書くのか「お」と書くのかという疑問ではなく、 私が知りたいのは、「う」と書くのに「オ」と読むのか「ウ」と読むのかについてですが 紹介いただいたサイトでは、どこを辿れば疑問が解決できるでしょうか? >なお「有」という漢字は、普通「ゆう」と発音しますが(漢音)、呉音では「う」と発音します。 「稀有(けう)」「有無」などの言葉の存在は気づいていますが、 オ段+「う」で他に「オ」と読むものはありますか?
補足
「ミゾー」の方が歴史の流れに沿っているということですね? むしろ「ミゾウ」の方が新しい読み方ということでしょうか?