まず、2次方程式x^2-(8-a)x+12-ab=0の判別式は
D=(8-a)^2-4(12-ab)
=(64-16a+a^2)-(48-4ab)
=a^2-16a+4ab+16
=a^2+4(b-4)a+16
になります。
そして、D≧0のときに実数解を持つので、
a^2+4(b-4)a+16≧0を満たします。
ここで、左辺の式を平方完成すれば、
(a+2(b-4))^2 + 16-4(b-4)^2 ≧0となり、
a=-2(b-4)のとき、最小値16-4(b-4)^2をとる事から
この値が0以上であれば、任意のaに対して不等式が
成立する事から、16-4(b-4)^2≧0の不等式を解くと、
4(b-4)^2≦16
(b-4)^2≦4
-2≦(b-4)≦2
2≦b≦6(*)
2≦b≦6となり、bはこの範囲を満たしていれば題意が成立する事
が分かります。
また、以下のような別解もありますので、そちらの方も参考にして下さい。
2次方程式x^2-(8-a)x+12-ab=0の式を変形すると、
x^2-8x+12 = ax-abとなります。
ここで、
y = x^2-8x+12 ---(1)
y = ax-ab ---(2)
(1)(2)の二つのグラフの交点が2次方程式の実数解となります。
まず、(1)について左辺を因数分解すると、(x-2)(x-6)となり、
すなわち、x軸との交点が(2,0),(6,0)になる事が分かります。
ここで、(2,0),(6,0)をそれぞれP,Qとおきます。
また(2)について、y=a(x+b)になる事から、(-b,0)を通る事
が分かります。ここで、(-b,0)をRとおきます。
y=a(x+b)の式に着目すると、aは傾きを表していることが分かり、
aは任意の値を取るので、したがってRを通る全ての直線の式を
表した関数である事が分かります。
以上により、Rを通る全ての直線が(1)との交点を持つような
bの範囲を定めればよい事が分かります。
ここから、図示して確かめていただければ、何とか理解できるかもしれませんが少々複雑になります。
また、Rはx軸上に存在する事に注意して下さい。
2≦b≦6の範囲にあるとき、線分PQ上にRが存在する事となり、
Rを通る直線はどのような傾きを持ったとしても必ず(1)と交わる
事が分かります。
次に、2>bのとき、Rは線分PQの外部に存在する事になります。
ここで、Pにおける(1)の接線Lを基準に考えてみると、Lを平行移動した
ものがRを通る直線となり、この場合、平行なので接線Lと常に交わる事なく、Lよりも常に下側を通過しているので、(1)とは当然交わらない事が分かります。
よって、この範囲ではRを通る直線のうちこのような直線が存在するので、Rを通るどのような直線も(1)と交わるという条件に反するので不適となります。
次に、6<bのときも同様に考えれば、Rを通る全て直線のうち、Qにおける接線に対して平行で、常に下側を通る直線で(2)とは決して交わらない直線が存在するので、不適となります。これらにより、bの範囲は2≦b≦6の範囲のみになります。
といった形になりましたが、別解の方は図形的な解法といった形で、計算そのものは簡単ですが、直感性が必要となり、また論証も少しばかり複雑な感じかもしれません。よって、このような解法もある事だけに理解をとどめ、やはり、実際に解くには前者のような一般的な解法で解くのが一番だと思います。