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金属酸化物の酸塩基特性

ギ酸の分解に関する触媒作用について、聞いた話です。 塩基性下(塩基性酸化物)では脱水素反応 HCOOH→H2+CO2 酸性下(酸性酸化物)では脱水反応 HCOOH→H2O+CO が進行しやすい。 酸と塩基で何が変わって経路が変化するのかが、いまいちわかりません。 分解のエネルギーが変わってくるのでしょうか?

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  • DexMachina
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回答No.1

flower-smileさんがどの程度、化学を学んでいるのかわからないので、 適切な回答になるか不安ですが(汗) 非常に大雑把に、ということでもよければ、 「CO2とCOとでは、CO2の方が(より)酸性が高い為、化学平衡の観点から、 酸性酸化物と共存しにくい」、ということになるかと思います。 もっと原理的に、というか機構的な説明が聞きたいということでしたら・・・ まず、それぞれの酸化物(一般式をMOとします)の特徴から見ていきましょう。 「M」の電気陰性度が低い場合は、M-O間の電気陰性度の差が大きく なり、酸素との結合はイオン性が高く(=その結合が切れて電離しやすく)なる ため、塩基性酸化物になります。(例;CaO + H2O →Ca(OH)2) 逆に「M」の電気陰性度が高い場合は、共有結合性の高い(=切れにくい) 結合となるため、酸性酸化物になります。(例;SO3 + H2O → H2SO4) 従って、それぞれのMと炭素とで「陽電荷の帯びやすさ」を比較すると、   「塩基性酸化物のM > 炭素 > 酸性酸化物のM」 ということになります。 これを踏まえて、それぞれの酸化物と蟻酸の結合の仕方を考えると、 1)塩基性酸化物との結合(電気陰性度;C>M)    OH    | H-C-O^-    |    OM^+  ← 電気陰性度の低いMが陽電荷を帯びる 2)酸性酸化物との結合(電気陰性度;M>C)    OH    | H-C^+  ←電気陰性度の低い炭素が陽電荷を帯びる    |    OMO^- ・・・となると思います。 蟻酸の分解で水素(H2)が発生するには、炭素と直接結合した 水素原子がH^-として抜ける必要があります。 ところが、塩基性酸化物と結合した場合は問題ないのですが、 酸性酸化物と結合した場合は、炭素が既に陽電荷を帯びている ため、H^-として抜けるのは難しくなります。 (炭素が+2の電荷を帯びるのは不安定&H^-とC^+が電気的に  引っ張り合うので切り離しにくい) 従って、塩基性酸化物を触媒にした場合に比べ、酸性酸化物を 触媒にすると水素を発生する形の分解はしにくくなる、ということに なります。

flower-smile
質問者

お礼

大変わかりやすい回答ありがとうございます! 理解できました。 有機っぽい(?)考え方ができなかったもので、とても勉強になりました。 ありがとうございました。

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