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棒のしなり方の計算方法について教えてください
すみません。以下の質問についてどなたか回答宜しくお願いいたします。 ある一定のしなりをもつ長さLの棒があるとします。その棒を水平にして、右端をしっかり台座に固定します。そして、その棒の下に、棒にそってある程度長さのある重り(M)をぶらさげます。その際に棒の左端がどれだけ下がるか(dL)を知りたいのです。 そして重りの棒に対する位置を変化させなければ、どこで、つまり重りの右か左端などで棒と重りを連結しても、dLの値は変化しないことを証明したいのですが、どのようにしたら良いでしょうか?
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水平な棒BAが右端Aで台座に固定されているとします。重りが棒と平行に(水平に)DC(Cが右端)とあり、棒と重りが棒上の点Eと重りの点Fを結んで固定(EFは鉛直)されているとします。棒の位置C・Dは動かさず、E・Fの固定位置を変えた場合、棒の先端Bのたわみがどう変化するかを考えて見ます。 結論から言うと、既に議論されているとおり、E・Fの位置を変えるとBのたわみ量も変わると言うのが一般的かと思います。 棒に着目した場合、右端が固定され、自重は無視できるとして、外力としては 1)重りによって点Eで下に引っ張る力 2)重りの偏心によって生じる曲げモーメント が考えられますが、1)は常にB端を下向きに変位させるように作用するのに対して2)は場合によって異なります。 a)Fが左より(Dに近い)場合、モーメントが右回りで棒を反りあがらせるように(B端を上昇させるように)作用します。 b)逆にFが右よりの(Cに近い)場合、B端を下げるように作用します。 従って、CDの配置を変えずにEFの配置を左端から右端へと変えて行った場合、荷重条件の変化としては 1)によるB端の下向き変位は小さくなる 2)による〃 大きくなる と言うように変化することになります。従って1)と2)が常にバランスしていればE・Fの配置によらずB端の変位は不変と言うことになるのですが、一般には変化するだろうと言うことです。 本当に変化することを確認するためには計算を行う必要があります。ただし、手計算で行える範囲としては材料が線形弾性、棒のたわみが全体として棒の長さに比べて十分小さい等の制約があります。どのくらいの精度が要求されるのかと併せてこの辺のことに注意する必要があると思います。 参考のため、線形弾性でたわみが小さい場合の計算をしてみました。 Aを原点とし、AからBに向かって座標xを取ります。点xでのたわみをy(下向きを+)とします。dy/dx等をy'等で表します。棒の断面内の応力を積分して得られる断面力(曲げモーメント)Mについて EI・y''=M の関係があったと思います。(E:弾性係数、I:断面2次モーメント) ここで、x=lにおいて下向き荷重Pと偏心による曲げモーメント(外力)が作用しているとした場合、位置xにおける曲げモーメントM(断面力)については、 x≦lの場合: 棒のx=xから左側を切り取った部分についてのモーメントの釣り合いを考えることにより、 M=(l-x)・P-M0 となります。M0は偏心による曲げモーメント(右回りを+)です。 また、固定条件からx=0でy=0、y'=0となります。 以上を考慮してyを計算し、x=lにおけるyをyl、y'をyl'とします。 EI・yl=P・l^3/3-M0・l^2/2 EI・yl'=P・l^2/2-M0・l 更に、 x>lの場合: x>lの部分の棒に外力が作用していないので M=0 となるので、x>lにおいて棒はy''=0となり直線になります。従ってx=l+l2=LにおけるたわみyLは yL=yl+yl'・l2 ={(P・l^3/3-M0・l^2/2)+(P・l^2/2-M0・l)・l2}/EI となります。 上式で、棒の長さをL、E・Fの位置をl(即ち荷重の作用位置)とすればyLがB点でのたわみとなります。更に、重りの重心位置をt、重心からFまでの距離(偏心距離)をeとしてみます。ただし、eはxの正方向に+(即ち、偏心がD寄りの場合に+)とします。すると、 e+t=l M0=P・e L=l+l2 の関係を使って yL=(P/6)(e+t){(e+t)(2・t-e)+3・(L-e-t)(t-e)}/EI となり、右辺ではeのみを変数と見ることができます。偏心eを変えると3次式で変化することが分かります。 ※重りの水平長さをs、 e=s/2(左端側に偏心)、 t=L-s/2(棒と重りのそれぞれの左端側を一致) とした場合、ANo.#3のdyadics13さんの結果: dL = (PL^2)*(4L - 3s)/(12EI) に一致しますが、偏心を右端側とした場合は一致しないようです。
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- stomachman
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元々のご質問は計算のしかたでした。 この種の構造物は「片持ち梁(カタモチバリ)」と呼ばれます。分野は機械工学の「材料力学」で、入門的教科書の初めの方で必ず扱ってあります。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 梁の変形が小さいと仮定します。この仮定がないと、梁の縦方向だけでなく横方向の変位も考慮せねばならず(大変形)、ずっと難しくなるからです。 固定端の位置を0として梁に沿って測った長さをxで表し、点xにおける梁の撓み量(上下方向の変位)をv(x)とすると、 ・固定端では撓みはないから v(0)=0 でなくてはなりません。 また、v(x)をxで微分したものv'(x)は、各点xに於ける梁の傾きを表していますね。 ・固定端では梁が回転できないように固定されているんですから、 v'(0)=0 でなくてはなりません。 v'(x)をさらにxで微分したものv''(x)は、各点xに於ける曲がりの程度を表しています。 v''(x)をさらにxで微分したv'''(x)は、各点xに掛かるモーメントに比例しています。(比例係数は梁の「かたさ」によって違い、これは材質と断面形状で決まるのですが、ここでは本質的でないから、この比例係数を1としましょう。) モーメントというのは、その点xを摘んで捻るようなもの。上下方向には力を掛けないで、ただ曲げようとねじるような力のかけ方で生じるものです。ご質問の例では、錘を梁に繋いだ点に於いてモーメントをじかに梁に加えていますし、固定端においてもモーメントが掛かっています。また、錘をぶら下げたことによって、錘を繋いだ点から固定端までの間の各点にモーメントが掛かります。 ・しかし自由端(錘を繋いだ点より遠い方)ではモーメントはなく、v''(x)=0です。 さらにv''''(x)は点xに加えた上下方向の荷重を表します。錘をぶら下げた点において、その錘の重量だけの力が掛かる。また固定端において、錘の総重量ぶんの抗力が上向きに掛かる。その他の点では0です。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ですからv''''(x) は重さWの錘を接続した点cでだけ値をもち、他の点では0になる。これはデルタ関数で表されます。 デルタ関数とは δ(x) = (x≠0ならば0) ∫δ(x) dx (積分範囲はx=-∞~∞) = 1 という超関数。これは f(ε,x) = (|x|≦(ε/2 )なら1/ε、|x|>(ε/2 )なら0) という関数を考えてε→0とした極限、と思えば良いです。 このデルタ関数を使うと、v''''は v''''(x) = Wδ(x-c)-Wδ(x) と書けます。x=cとx=0以外ではv''''(x)は0です。 すると、これをxで積分したv'''(x)は階段関数になります。もし錘をc点にぶら下げただけならば v'''(x) = (0 (x>cのとき), -W (0≦x<cのとき))+ C ここでCは積分定数です。 しかしご質問の場合c点にモーメントも掛かっている。それは点cにだけ掛かるから、これまたデルタ関数で表され、(テコの腕の長さをhとすると)モーメントの大きさはWhです(hはxと同じ向きを正として符号をつけて測ります)。これを加えると v'''(x) = (0 (x>cのとき), -W (0≦x<cのとき))+Whδ(x-c) + C さて、自由端には力が掛かっていないからx>cのとき0でなくてはならない。このことから積分定数は C=0 であることが分かります。だから結局 v'''(x) = (0 (x>cのとき), -W (0≦x<cのとき))+Whδ(x-c) このv'''(x)をxで積分し、 v''(x) = (Wh (x>cのとき), -Wx (0≦x<cのとき))+D v''(x) は自由端で(x>cのとき)は0になるという条件を考慮して積分定数Dを決めるとD=-Wh出なくてはならず、 v''(x) = (0 (x>cのとき), -W(x+h) (0≦x<cのとき)) となります。 で、梁の傾きv'(x)は、v'(0)=0という条件から、0≦x<cのとき v'(x) = -W((x^2)/2+hx) であり、c点より遠い側では一定値になるからv'(c)と等しい。つまり、 v'(x) = -W((c^2)/2+hc (x>cのとき), (x^2)/2+hx (0≦x<cのとき)) です。 梁の撓みv(x)はv(0)=0という条件から、0≦x<cのとき v(x) = -W((x^3)/6+h(x^2)/2) であり、そしてc点より遠い側では直線になっていて、傾きが-W((c^2)/2+hc)なのだから、 v(x) = v(c)-W((c^2)/2+hc)(x-c) つまり v(x) = -W(((c^3)/6+h(c^2)/2)+((c^2)/2+hc)(x-c)(x>cのとき), (x^3)/6+h(x^2)/2 (0≦x<cのとき)) ということになります。 ================================ このように、荷重分布を4回、モーメント分布を3回、積分することによって梁の撓みが計算できます。 ご質問において錘を固定端から遠い場所Lに取付け、錘の重心がL/2の位置にある場合、W=1とするとc=L, h=(L/2-c)=-L/2ですから v(x) = (L^3)/12 (x>Lのとき), -(x^3)/6+L(x^2)/4 (0≦x<Lのとき) が撓みです。
- stomachman
- ベストアンサー率57% (1014/1775)
整形の先生ですね。 片持ち梁(当然ながら、支持は固定端。つまり回転しない)に、No.1のような荷重をかけたときの撓み。 両者はまるきり似てないと思いますよ。 梁の撓みは小さいと仮定し、また梁の自重は無視します。錘・梁の材料・断面形状はどちらの条件でも同じなので、全部1とおいて計算して良い。そうすると: (A) 固定部から遠い所で錘を接続した場合、接続部に錘の荷重とモーメントが掛かる。そのため微妙にS字型("~"みたいな感じ。絵が描けないので辛いけど)に曲がる。で、接続部より遠い方では先端まで直線になる。錘の重心が接続部と固定部の丁度真ん中にある場合には、この直線は傾き0になります。 固定部の位置 0 接続部の位置 L 錘の重心の位置 L/2 とするとき、固定部からxの位置での撓みv(x)は v(x) =L(x^2)/4-(x^3)/6 … 0≦x≦L v(x) =(L^3)/12… L≦x (B) 固定部のすぐ近くで錘を接続した場合、梁は曲がりようがない。接続部と固定部の間でだけ曲がって、あと先端までは直線になるはず。 固定部の位置 0 接続部の位置 c 錘の重心の位置 L/2+c とするとき、固定部からxの位置での撓みv(x)は v(x) = (L/2+c)(x^2)/2-(x^3)/6 … 0≦x≦c v(x) = ((Lc+c^2)/2)x-L(c^2)/4-(c^3)/6 … c≦x となり、c→0のとき、任意のxについてv(x)→0です。 えと、うろ覚えの計算ですから要チェックですけど、安いプラスチック定規とブンチンとでかいクリップが幾つかあれば容易に実験できるでしょう。撓み方がまるで似てないのはすぐお分かりになると思いますが。
- dyadics13
- ベストアンサー率53% (22/41)
とりあえず計算した結果を示します. おもりの左端と棒の左端をぴったり合わせたと仮定しておきます. また,おもりの撓み量もごくわずかであると仮定します. おもりの重量をP=Mg(g:重力加速度)と置きます. おもりの長さはsとします. 棒の曲げ合成をEIと置きます(E:ヤング率,I:縦弾性モーメント). 左端(自由端)で棒とおもりを束縛した場合の棒左端の撓み量dLは, dL = (PL^2)*(4L - 3s)/(12EI) おもりの右端で棒とおもりを束縛した場合の棒左端撓み量dLは, dL = (PL^2)*(4L - 3s)/(12EI) - P*(s^3)/(12EI) なお"^"は累乗演算を意味します. ということで,おもりの右端を束縛した場合の方が P*(s^3)/(12EI) 分撓み量が少ない,つまり左端で固定した方が撓む という計算結果が出てきました. ただ,s<<Lとして(s/L)^3 << 1 とみなしたらほとんど 同じ撓み量と考えられなくもないです. 他の方々,検算願います.
- wolv
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あ,回答No1で,明らかどうかは自信がなくなりました. 常にdLが同じになるとは限らないと思いますが, 回答No1の図の上の例では,連結点で ┏━┓この向きのトルクがかかり, ┃ ┃ ←┛ ┏━┓逆に図の下の例では, ┃ ┃この向きにトルクがかかりますね. ┗→ それでもやっぱり,上の例の方がdLが大きくなる気がします. 少し時間ができたら証明してみたいと思います.
補足
直感的には勿論、棒の先にて重りを連結するほうがしなりそうなんですが、実際に試してみると変わりません! 棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒台台台 連結 台台台 重り重り重り重り重り重り重り重りB 台台台 という感じです。重りをBの位置にて連結すると、極端に棒の右の部分で、しなるために結局、棒の左端の位置は変わらないんです。試しに、定規などにハサミをテープでとりつけて実験しましたが、左端の下がった位置は一定でした。 是非、証明お願いします。
- wolv
- ベストアンサー率37% (376/1001)
それは, 棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒台台台 連 台台台 結 台台台 錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘 台台台 台台台 こうしたり 棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒棒台台台 連 台台台 結 台台台 錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘錘 台台台 台台台 こうしたりする,ということでしょうか? この場合は明らかに上の例のほうが下の例よりもdLが大きくなりますよ.
補足
みなさんご回答ありがとうございます。 物理から遠く離れた人間としてはかなり理解に苦しんでいますが、 結論として、重りを棒の左で連結したほうがしなりが大きいということになるかと思います。(ちなみに#5での3次式をグラフに書いてみたら、どうも重りが中央の時にしなりが最大になってしまった?) この質問をしたのは、自宅で定規とハサミとスコッチテープを使って実験してみたところ、ハサミの位置を変えなければ、どこで定規に固定しても、しなりの先端位置が同じであった(すくなくとも大きな違いはない)ことに発しています。 また、正確に実験してみて本当に差があるのかどうか検証したいと思います。