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初期値が違うと結果が劇的に違う現象をなんというのでしょうか
初期値が少し違うと収束値が劇的に違うというのはよくある現象だと思うのですが、それを一般になんと呼べばいいのでしょうか。例えば、気温が数度上がると、海流が変化して気候が劇的に変わるとか、ある種の昆虫の密度が閾値を超えると急に凶暴になるとか。一般名があるのでしょうか。カタストロフィかとも思ったのですが、少し意味合いが違う気がします。 よろしくお願いします。
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>昆虫密度が高くなって閾値を超えると…というのもこれでいいのでしょうか。 そのとおりです。カオスの有名な一例です。 (詳しくはここ↓をどうぞ) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E5%BC%8F 「ロジスティック式」または「ロジスティク曲線」と いう微分方程式で、カオスと認識される前から、 生態学の世界では有名な式で、大学の教養の数学で 使うような微分の教科書に載っていることもあります。 もともとは人口増加の数式モデルとして考えられたものですが、 例えば、シャーレの中で培養する細菌の増殖率の計算に 応用できたりするので、生物学の本にも出てくることがあるんです。 >カオスであるかどうかの判断基準がよく分からないので、どういうところに目をつけるといいのか教えて頂けると嬉しいです。 カオスは専門ではないのですが、高校生のときからけっこう はまった話だったので、いろいろ噛み砕いた話ができると 思います。 ★カオスとは、決定論的なシステムから生じる、非決定論的な (又は確率的にしか求めることができない) 現象のことです。(なお分からないでしょうか?<笑い>) 決定論的とは、まさに高校までの物理でやってきたような、 式に初期値を入れて計算すると、ばっちり答えが出るというものです。 何か自然現象を計算しようとして、計算式を立てるとします。 計算と測定値が大きくずれていたら、普通、式が不完全だとか、 計算を間違ったと思いますよね。 ところが式が完全でも、計算違いをしていなくても、 計算値が実際の現象の測定値から大きく ずれたり、こうなる可能性が50%くらいと確率的にしか言え ない場合があることが20世紀の半ばころ周知となった んです。 ●気象現象はカオス力学系の現象のため、明日の天気は決定的に答えが 出せず、降水確率でしか言えないわけです。 1950年代まで、明日の天気が計算で求められないのは、 気象現象を計算する式が不完全なのと、気象観測データの 測定精度が低いだめだと考えられていたんです。 ですから、観測所の数が増えるだけでも、気象 予想精度は上がると思われていたんです。 そこで、エドワード・ローレンツと言う人が、当時 大きく発達し始めていたコンピュータを使って、 観測精度がどのくらい上がれば、天気がうまく予想できる ようになるか、コンピュータによる数値シミュレーションを いろいろやってみたわけです。 ★重要なのは、実際の現象を計算するための初期値には、 必ず測定誤差が含まれているということです。 気象現象の場合、初期値とは風速とか気温、湿度などですが。 ローレンツは、観測所の測定誤差がいろいろ出ることを 考え、初期値をほんの少しづつ変えて、シミュレーションを 繰り返したんです。 例えば、初期値を10%変化させても、計算結果の変化率が 0.3%以内に収まると言う結果でも出れば、観測所の測定誤差を その範囲に収めることができれば、明日の天気は予想できると 言えたりするわけです。 ところが、実際のシミュレーション結果は、入力する初期値を 0.001%変えただけでも、計算結果が1桁違うくらいの (この数値の部分は、例え話ですが) 信じられないような大きさだったんです。 アトラクターの研究などで、後から分かってきたのは、 周期解(初期値で計算し、その答えをまた入れて計算し続けた答え) の変動が著しく、(答えの出方が)非常に不安定であることがその理由です。 初期値が正しければ、つまり測定誤差がゼロなら計算できるんです。 しかし、実際の測定では、どんな測定でも必ず測定誤差があります。 誤差は限りなく小さくできても、ゼロにはできません。 (ご質問者の方、理系の大学の1年以上の方なら実験の授業などで 誤差については詳しく出てきていると思います。) そのためカオスと呼ばれている現象は、実際の測定値をもとに 計算しても、(測定値が誤差により、真の値からずれているため) 正しい答えが出てこない。つまり計算で(ある誤差内で)予想 することが不可能なんです。 ------------------------------- ★★カオスとは 1)計算式とその計算方法がはっきり分かっていて、答えが一意に 決まる。<これを決定論的という> (解なしや、現状では解き方が分からないといったものではない) 2)その式の微分方程式の特性から、周期解が不安定。 →初期値が少し違うと収束値が劇的に違う・・・ 以上の特性からカオスとは、これを測定値に基づいた自然現象の計算に 使おうとすると、測定値が持つ誤差から、実際の現象を計算で 決定的に予測できない<これを非決定論的という>現象と その関係式のこと。 -------------------------------- 計算で答えを一意に求められないもの、いわゆる非決定論的な問題はいくらでも あるんですが、その多くは現象を数学的に分析しきれていないのが 答えをちゃんと出せない理由なわけです。 式が分かっていて、初期値が分かっていて <つまり決定論的問題で>、なんで計算できないんだ! というあたりが、20世紀前半までの常識から大きくはずれたもので、 衝撃的だったんで、特にカオスと呼ばれるようになったんです。 カオスという名前は、確か「リー・ヨークの定理」の 論文で、1970年代に出てきたものと思います。 カオスという現象が広く認識されると、実はおお昔に アンリ・ポアンカレという物理数学者が同じことを言っていた 事が分かり、彼が19世紀に出した「3体問題」という 天体の運動に関する問題も、カオスの1例とされるように なりました。「ポアンカレ写像」という言葉が、カオスの 本によく出てきます。
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- grothendieck
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カオスではありません。問題をよく読んで下さいよ。「初期値のわずかの変化で収束値が劇的に変わる現象」ですよ。カオスって収束しますか?偏微分方程式の解が初期値に連続に依存するときは、アダマールによって適切な問題と呼ばれ、そうでないとき「不適切な問題」(ill-posed problem)と呼ばれました。不適切な問題と言っても問題の立て方が悪いのではなく、通常の方法で解析できない困難な問題というほどの意味だと思います
お礼
私の質問仕方に問題があったかも知れません。が、私の知りたかったのは気象の変化や昆虫の変化という現象に対してですので、やはりカオスというのでいいように思います。言葉のあやになるのかも知れませんが、ある関数がカオスに属しても初期値が決定的であればその周期解はある値に収束するという理解でよさそうな気がしますがどうでしょうか。ご指摘ありがとうございます。
- onioncat
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NO.2です。一般人です。私のカオスについての認識が間違ってる可能性もあると思って聞いてください。 昆虫の密度が~というのは、相変異と呼ばれるものでしょう。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E5%A4%89%E7%95%B0_%28%E5%8B%95%E7%89%A9%29 普段は単独で行動するバッタなどが、密度の多い状況で何世代にも育つと、翅の長い長翅型に変化したバッタらが生まれ(相変異)、集団で群れを成して植物などを食い荒らす「飛蝗」という現象を起こす。 それらのバッタが、また密度の少ない場所で生活を始め、世代を重ねると、また単独行動するバッタが生まれるようになるという。 これをカオスと呼ぶかというと、違うと思いますね。 たぶん、「少なかったバッタがいきなり大量に増加した」とかだったら、カオス理論に引っかかるんでしょうけど、バッタの集団性・凶暴性はまた違う話だと思います。 カオス理論を比較的簡単に書いているサイトさんがありました。↓ それでも、すっかり理解するのは難しいですけれども。まあカオスっていうくらいですから、漠然と。 http://obog.ome.meisei-u.ac.jp/~tuchiyaob/chaos.html
お礼
回答ありがとうございます。 少しネットサーフィンしたのち、ご紹介して頂いたホームページを見て、簡潔に書いてあるサイトというのがようやく理解できました。 バッタの数に関してはカオスが関わってきそうですが、性質についてはまた別の(おそらく遺伝子レベルの)パラメータが関わって来そうですね。これまたカオスが関わってると言われても不思議じゃないですが。
- miniture_min
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>ある現象がカオスであるかどうかってどこで判断すればいいのでしょうか 一応参考URL載せておいたんですけどね…ちゃんと見てください。 一応部分的に抜粋 『周期性を持たない リアプノフ指数が0より大 カオスにはその必要十分条件が与えられていないことから、カオスの判定は複数の定義の共通を持って、カオス性があるという判定以外に方法が無い。 スペクトルの連続性、ストレンジアトラクタ、リアプノフ指数、分岐などを持ってカオスと判定している。』 この説明で分からないなら、皆の統一の意見が無いんでカオスっぽいならカオスにしようと言う事にしといてください。 カオスっぽい…簡単そうな仕組みなのに将来どうなるか計算できない物。
お礼
回答ありがとうございます。 紹介して頂いたホームページは目を通したのですが、スペクトルの連続性、ストレンジアトラクタ、リアプノフ指数、分岐、どれをとってもなじみがなかった言葉なので理解できませんでした。
- Mr_Holland
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>ある現象がカオスであるかどうかってどこで判断すればいいのでしょうか。 私も勉強中なので確かなことは言えませんが、λパラメータを使って分けることができるようです。 λパラメータ=(静状態(例えば0)に遷移しない確率) http://www.e.yamagata-u.ac.jp/~sakai/HOME_PAGE/H10/megumi/sld014.htm http://www001.upp.so-net.ne.jp/suzudo/inverse.pdfのp2参照 このλパラメータによって4つのクラスに分けることができ、λの小さい順に クラス1:収束的 クラス2:周期的 クラス4:カオスの縁 クラス3:カオス的(確率的、でたらめ) となります。 求めているものがカオス的であることを示すのであればλがクラス3であることを示せばよいと思います。 なお、クラス4のカオスの縁では自己組織化などの興味深い特徴が見られます。私たち生物の進化もこの自己組織化によって行われたのではないかと考えられています。 興味があれば一度「複雑性」を学んでみてください。 ちなみに、「λパラメータ」と「カオス」で検索すると、10数件ですが割と良質のサイトが検索されました。覗いてみてください。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%B3#.E3.82.BB.E3.83.AB.E3.83.BB.E3.82.AA.E3.83.BC.E3.83.88.E3.83.9E.E3.83.88.E3.83.B3.E3.81.AE.E6.AD.B4.E5.8F.B2
お礼
回答ありがとうございました。ご紹介していただいたホームページも非常に興味深く読まさせていただきました。(この場をお借りして:関連ページや関連書も読みつつあるのですが、なかなか読み応えがあってすすみません。ので、お礼が遅れ気味で皆様すみません。) 私の理解が正しければλパラメータは計算させてみて初めて出てくるパラメータなんですね。裏を返せば、いくつかパラメータを与えられて、式が与えられてもこれがカオスかどうかはぱっと見てもすぐわからないんですね。コンピュータ様々といったところでしょうか。 これを機会に少し複雑系をかじってみます。
- onioncat
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バタフライ効果 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%BF%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E5%8A%B9%E6%9E%9C
お礼
さっそくの回答ありがとうございます。 バタフライ効果はとてもそれらしいです。多分、気温の上昇が気候の変化をもたらすというのは当たっている気がします。昆虫密度が高くなって閾値を超えると…というのもこれでいいのでしょうか。カオスであるかどうかの判断基準がよく分からないので、どういうところに目をつけるといいのか教えて頂けると嬉しいです。(一般科学の知識は大学教養程度です。)
- miniture_min
- ベストアンサー率24% (187/749)
カオス理論の事でしょうか?
お礼
さっそくの回答ありがとうございます。カオス理論はそれっぽいです。で、新たな疑問が、ある現象がカオスであるかどうかってどこで判断すればいいのでしょうか。できれば大学教養程度までの科学の知識で理解できれば嬉しいです。
お礼
カオス現象にとっては測定誤差がカギなんですね。 分かりやすい回答ありがとうございます。一応理科系の端くれですが、複雑系については噂(^^)を耳にするばかりで系統立てて勉強したことがなく、これがとっかかりになりそうです。