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イタリア語で読み方が、わからない。
会計学の歴史で、1494年にベネツィアで発刊された有名な複式簿記の最初の著書がでてきます。Luca Pacioli(数学者・修道僧)が、編集した書物でタイトルが「算術、幾何、比及び比例全書」と言われているものです。 1.まず、Pacioliは、姓だけで呼ばれる場合、Pacioloとなるとか? イタリアでは、このように呼び方が変化するのでしょうか? 2.書物のタイトルで、全書にあたる「Summa」という単語ですが、 発音は「スンマ」でしょうか、濁って「ズンマ」でしょうか? それともどちらも正しいのでしょうか? ちなみに原語タイトルは、「Summa de arithmetica, geometria, proportioni et proportionalita」です。 商業高校の教科書にも出てくる名前、書名ですが、学者によって異なっています。イタリア語がわかれば単純な質問だと思いますが、いつも気になって仕方がありません。どなたか明快な回答をお願いします。 会計学者の卵(院生)より。
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n.3です 題名はラテン語ではないようです。(私のラテン語知識は宗教曲を歌う時に発音が分かる程度なので...ごめんなさい) Summa, arithmeticaがラテン-イタリア語辞典 http://www.gamoto.net/dizionario-latino/latino-italiano.htmで出てきたのでそうではないか、と書いたのですが幾何-geometriaがありませんでした。因みにラテン語版WIKIPEDIAには”geometria”で見出しがあります。が、言葉の源はギリシャ語の「geo (ラテン語: terra) 土地、地球」- 「metria (ラテン語: metrum) 大きさ、サイズ、尺度、測定」だと言うことです。 比-“proporzione”(単数)はラテン語"ratio", ギリシャ語"logos"だそうです。 上記の古代ラテン語-イタリア語辞書では出てきませんでしたが、porzioneで調べてみると、ラテン語では”portio”(単),”portionis”(複)でした。 ところで、ここにラテン語の発音についての表がありました。 http://www.ostraca.it/pronlat/pg000003.htm classica..... 紀元前1世紀頃の有名詩人、文学者が活躍した頃の発音 scolastica.. 教会での公用語となり、聖職者、またはその為の教育機関での発音 教会ラテン語ではSの発音はzなんですね。とすると彼は聖職者でしたから、ラテン語にしろ、イタリア語にしろzと発音していた可能性もありますね。...ごめんなさい、よけいに混乱させてしまっているかも.... 日伊-伊日辞典 http://www.notitle.ne.jp/~amore/
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- tanaka2007
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15世紀のイタリア語についてお聞きになっていたのですよね。 きちんと汲み取れず、申し訳ありませんでした。 このようなサイトを見つけました。↓ご参照下さいませ。 http://www.lib.meiji.ac.jp/openlib/issue/kiyou/no4/pdf/luca2.pdf 補足ですが、現代イタリア語でも、「~家」を表すときに 男性形定冠詞複数形「i」に姓(不変化)を付けることがあります。 (例:I Malatesta 等) これは、昔の言い回しの名残ではないかと思われます。 ですので、サイト中にもありますように パチョーリ家のルカであることを表すという意味で 数の語尾変化したということはあると思われます。 (古典文法に全く明るくないので、いい加減ですみません) また、「ズンマ」についてですが、憶測の域を出ませんが 同書第1部第9編論説第11「パチョーリ簿記論」について ドイツ語による正確かつ権威ある翻訳書があるという記述があります ので、もしかして、日本で最初に翻訳した方が、原文でなく 他の既に翻訳されていた言語(例えばドイツ語)で翻訳をして、 その発音にひきずられてしまった、という可能性は無いでしょうか? (ドイツ語ですと母音の前のSはにごりますので。。。) 大御所の先生の事をあまり存じ上げませんので、変な事申し上げて いたら申し訳ありません。 あと、タイトルは、イタリア人に言わせると「volgare(古いイタリア語」だそうなのですが。。。 ちなみに、paciuolo(パチュオーロ)という表記もあるようです。(下記URL参照) http://www.itcgfermi.it/areaprogettolav/viafrancigena/PICCI/pacioli.htm 「 Il suo cognome si trova scritto sotto varie forme: Paciolo, Paciuolo」(彼の姓は様々な形で書き表されている:パチョーロ、パチュオーロ) 全然自信がありませんので、間違っていたらお赦し下さい。
お礼
素晴らしい!! 明大の良いサイトを紹介いただき感謝です。 この中でも、関学の小島先生は「ズムマ」ですね。また、パチョーリの綴り方、読み方には、いろいろあり、昔から議論されているのがわかりました。この文献のP6で、「パチョーリ説」なる紹介がありますが、この意見がKO大のT教授説と同じですね。 これだけで、論文が1本書ける話題であるとは、私も知りませんでした。黒澤教授は語学に長けており、日本語の文章も素晴らしい方でした。イタリア語ができたとは聞いておりません。ドイツ語の訳書を読まれたかもしれませんね。 やはり、過去の大先輩も同じテーマで、疑問を持っていたことがわかりました。有難うございました。
n.3です。アクセントが分からないと変な読み方になるので追記です。アクセントはひらがなで記します。(イタリア語に沿った読み方です) 「Summa de arithmetica, geometria, proportioni et proportionalita」 「すンマ・デ・アリトめティカ・ジぇオメトりーア・プロポルツィおーニ・エ・プロポルツィオナリた」
お礼
ご丁寧に、完璧な読み方まで、ご指導いただき有難うございます。 今後、この書物について話をするときは、自慢げにしゃべれます。ちょっと、カッコいいですね。 有難うございます。
イタリア語版WIKIPEDIAを覗いてみました。 Fra' Luca Bartolomeo de Pacioli またはPaciolo と書かれています。 Fra'とはFrate(修道士)の略です。彼の衣服(頭巾、麻縄ベルト、WIKIPEDIAの画像では見えませんが素足にサンダル)からも、frate francescani(フランシスコ会修道士)であるのが分かります。 トスカーナの出身ですね。 名前はルーカ・バルトロメオ、姓はデ・パチョーリまたはデ・パチョーロですが、このde(di,da)は元々の出身を表すことが多いです。意味はde,diは英語のof、daはfromです。フランスでは「ド」ドイツでは「フォン」が付く名字も多いですが、これらと同じです。 Paciolo/iが何を意味するのか、伊伊辞典でも分かりませんでしたが、古トスカーナ地方方言での名詞なのでしょう。単数、複数があるところを見ると。 また彼は、Fra Luca dal Borgo フラ・ルーカ・ダル・ボルゴ(ボルゴからの修道士ルーカ)という呼び名でも知られているそうです。 蛇足ながら、レオナルド・ダ・ヴィンチは「Vinci村出身の」という意味が姓に隠れています。 さて、「Summa de arithmetica, geometria, proportioni et proportionalita」ですが、かれはvolgare(庶民の話し言葉)で著したと公言していますが、実際には、ラテン語、イタリア語、ギリシャ語の入り混ざった表記だそうです。題名の「Summa de arithmetica, geometria, proportioni et proportionalita」は古イタリア語、ではなく、ラテン語だと思います。イタリア語にすると"Somma di aritmetica, geometria, proporzioni e proporzionalita`" まあ、ほとんど同じですが。 読み方ですが、イタリア語系ラテン語でも"Summa"は「スンマ」で「ズ」とは濁りません。また、"tion"はイタリア語式に読むと「ティオン」と読みますが、ラテン語では「ツィオン」となります。(なので、イタリア語ではzionと表記されます)
お礼
大変詳細なコメント、有難うございます。 歴史が専門ではありませんが、会計学専攻者の一般常識として、Luca Pacioliは、複式簿記を普及させた最初の人物であることを理解しておく必要があります。本当に参考になりました。 彼は、今までラテン語で書かれていた文献を一般庶民向けに易しいイタリア語で書き、編集して、木版印刷で出版し、普及させた功績が認められたようです。彼が独自に数学、簿記などを開発したのではなく、「編纂し、出版した事」が素晴らしいのでしょう。当時、木版印刷を印刷職人に依頼するのが、どれほど大変だったのかわかりませんが。。。悪く言えば、「恩師とか他の仲間からアイデアを盗んで纏めただけ(数学の部分)」との評判もあります。また、書名はラテン語なのでしょうか?木版印刷の原本は、日本では、一橋大に保管されていますが、簡単には読めませんね。江戸時代の木版刷りの小説を読み解く感じですかね。 蛇足ですが、学術書ではないですが、3年ほど前に出版された木村剛さん(TVに良く出ている方)の「会計戦略の発想法」では、彼をルカ・パツィオロと呼んでいます。会計専攻者は一般的にルカ・パチョーリと呼ぶ人が多いですね。私個人では、手に負えないイタリア語の解説、本当に助かります。大変参考になりました。
全くの参考意見ですがPacioliはスペイン語のwikiによれば以下のように別の呼び方があったそうです。 Paciolo Paciolli Paciolus(ラテン語風表記) 昔の人だから表記が安定していなかったのでしょうか・・・。 また現代イタリア語では語頭にきて直後に母音を伴うSはNo.1の方がおっしゃるように濁らずに発音すると思う(というか辞書にも、そう明記してある)のですが、大先生があえてズンマとお書きになったのならこの時代のイタリア語の発音なんでしょうか?それとも大先生が学ばれた外国語ではズンマと呼んでいるのかもしれませんね(おっと、失礼な想像をしてしまいました)。
お礼
有難うございます。 No2さんのURLで納得しました。英語版Wikipediaも見てみると、「(sometimes Paciolo)」と括弧書されています。だから、No2さんの言われるように、表記が幾つかあったのでしょうね。また、Luca もLucas と表記されている文献もあるようです。 姓だけで呼ばれる場合、「Paciolo」になるとのT教授の話は、確認できませんね。本当かな?とも、思えますが。 兎に角、大分前進しました。 有難うございました。
- tanaka2007
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著者及び書籍についての知識はありませんことを始めにおことわりします。(すみません) 現代イタリア語に照らして言いますと、 1 Pacioli は姓であるため、性数に関係なく無変化となります。 2 語頭で、次に母音が来る場合のSは[s]の発音となり、よって 発音は「スンマ」となります。 以上お役に立てれば幸です。
お礼
早速のご回答、本当に有難うございます。 tanaka2007さんの言われるとおりだと思います。 大御所は、だいぶ前の方なので、なぜこのような記述になったのかは 今では聞くこともできません。 とにかく、参考になりました。 有難うございます。
補足
早速のご回答、有難うございます。 例えば、一橋大のWebSiteで、「Patiolo」とか、大御所(故人)の黒澤先生(東大)の辞典では、「ズンマ」と紹介されています。 下記は、一橋大のサイトです。 http://www.lib.hit-u.ac.jp/service/tenji/k15/paciolo.html 理論的には、まったく問題にならない話題なのですが、学生に話す場合に自信をもって紹介できないのは、自己嫌悪に陥ります。 なぜ、サイトのタイトルにPacioloと、書かれているのかについては、まだ疑問が残ります。姓については、三田のT教授の意見です。
お礼
了解です。ご丁寧な補足情報、有難うございます。 やはり、庶民的なイタリア語なのでしょうね。庶民と言っても、当時、どんな人が数学書を読んだり、簿記を勉強したのでしょうかね? ベニスでは、簿記は商人が学習したと思われますが、商人といっても、株式会社のような大企業の出現は、まだですし、比較的小規模なら、複式簿記ではなく、小遣帳のような、単式簿記だったでしょうし。。。 詳細にみていくと、歴史的なものにも、好奇心が沸いてきますね。会計学(簿記)のような実学を勉強していると、歴史などの分野は、一般的に評価が低くなるので研究者は少ないですが、本当は面白いんですよね。 またSかZかですが、これは私にはわかりません。貴方の語学の知識レベルまで達したうえで、大先生達はSだZだと考えたのでしょうかね? 当時のこのような状況を考量したうえで、Sと読むことにしておきます。 有難うございました。