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純粋科学(基礎科学)
純粋科学(基礎科学)の必要性はどのような点に見出せると思いますか?
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大昔の基礎科学には、世の中の真理の探究といった哲学的・宗教学的な意味合いが強かったようですが、現在の基礎科学の大半は応用科学と繋がっており、その境界をはっきりと決めることすら困難です。 材料科学を例にすれば、例えば、高温超伝導の発生メカニズムを調べることは、基礎科学と呼んで良いと思いますよね。実際に、その研究を行っている研究者には、特に応用との結びつきを意識せずに、純粋にあの不思議な現象の真実を明らかにしたいという気持ちで研究に没頭している人も多いと思います。 しかし、その発生メカニズムが分かれば、さらに高温、夢の室温超伝導物質を作り出す開発指針が得られることになり、現在のような運に頼った材料開発より、はるかに効率が良くなるはずです。 また、かつて、量子力学などという学問は、世の中の根源物質は何か?という純粋基礎科学の探究の過程で出来上がってきた学問ですが、今は、日常生活で使われているあらゆる材料の開発、光技術、電子回路設計から医療機器開発なども含めて、ほとんど全ての実用技術開発に不可欠の知識となっています。 つまり、科学の発展において、実用技術研究がスポーツにおける実践練習のようなもので、基礎研究は体力養成のようなものと思えば良いでしょう。両方の練習には明確な境界は有りませんし、即効性が無い体力養成をなおざりにして実践練習のみに特化しては、直ぐに実力の限界が来てしまいます。 また、基礎学問は、直接には特許などに関係しない場合が多いので、積極的に国際的な雑誌や学会での発表も行われ、全人類共通の知的財産となりやすい利点も有ります。 バブル崩壊以降、研究開発も効率重視となっており、大学ですら実用化への道筋が見えにくいような基礎研究に対する風当たりは強くなっています。このような傾向が続くと、日本の科学技術の基盤が細っていき、昔のように外国からの技術導入とその物まねばかりになるのえはないかと危惧しています。 是非、基礎科学への理解と支援をお願いします。
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- norioP
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#3の方は 1)超伝導 2)量子現象 の2つの例を挙げておられますが,2)が「歴史的事実」の例です. 直接何かを開発しようというモチベーションではなく, 知りたい,面白い,美しいというモチベーションによって 研究した結果,量子力学から今日のMRIなどの思わぬ副産物が生まれているのです.MRIが先ではありません.この順番が歴史的事実なのです. 一方で,直接何かを開発しようとしても,できないことがあります.難しくて解けない問題だらけなのです. 無論,知りたい,面白い,美しいというモチベーションによる研究の全てが正当化されるわけではありません.研究が成果になるには「覆面の査読」というシステムがあり,合格率が非常に厳しい論文誌に掲載される必要があります.レベルによっては国際学会で発表するにも査読があります.新しさがないつまらない論文は不合格になりますし,簡単なレベルの論文誌ばかり目指していると研究者は首になります.この厳しい競争が思わぬ副産物を生み出しているのです.
お礼
再度のご回答、ありがとうございます。 MRIがその実例だとは知りませんでした。 論文のお話も興味深いです。
- norioP
- ベストアンサー率32% (11/34)
「思わぬ副産物によって間接的に人類の福祉に貢献している点」 です. 直接的に人類の福祉に貢献することを目的に詠うのが応用科学ですが,直接解こうと思っても解けない難しい問題が多いのが事実です. 一方で,興味本位,面白さ,美しさを動機に研究すると, 誰も予想できなかった結果が発見されることがあります. さらに,誰も予想できなかった分野に応用されたりするのです. これは歴史的事実です. 上の2つの事実を組み合わせると,基礎科学(に税金を投入すること)の必要性が成立します. これだけで十分だとおもいます.
お礼
上記で述べられている歴史的事実、 具体的にはどのようなものがあるのか、ご存知でしょうか??
- kb-nike
- ベストアンサー率36% (72/200)
純粋科学(基礎科学)は、その呼び名の通り、我々の暮らしに直接影響があるような応用科学の基礎となっている点に必要性があると思いますが…。
お礼
なるほどです。。 ごもっともと思います。
お礼
例をまじえた非常に豊富な実例、大変ありがたく思います。 基礎科学のもつ意味合いがよく理解できました。