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二葉亭四迷『浮雲』について
二葉亭四迷の『浮雲』の「はしがき」でわからないところがいくつかあります。簡単に意味を教えてください。 「薔薇の花は頭に咲いて活人は絵となる世の中」 「三宝荒神さま」 「始末にゆかぬ浮雲めが」 「黒白も分かぬ烏夜玉(うばたま)のやみらみっちゃな小説・・・」 などです。 あと、この小説で、わかりやすく注や解説が載ってるものがあれば教えてください。 わたしの持ってるのは昭和40年の岩波文庫で注釈はありません。普通小説は注釈なんてないんでしょうけど、勉強不足なんで・・・。 よろしくお願いします。 http://www.eonet.ne.jp/~log-inn/futabatei/ukigumo.htm
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二葉亭四迷にはちょっと興味があるのですが、あまりきちんと調べていないので、以下は推測の域を出ません。ご質問の趣旨を外していたら、申し訳ありません。 「薔薇の花は頭に咲いて活人は絵となる世の中」 『浮雲』発表は、明治20年ですね。19年から「活人画」という催しが行われて、評判を呼んだそうです。「活人画」とは生きている人間が衣装を着けて、静止画の場面を構成するもののようです。このとき薔薇の花を頭に挿していた女性がいたのではないかと思われます。 http://med.main.teikyo-u.ac.jp/lab/kasahara/baelz19.htm 「三宝荒神さま」 坪内逍遥と三宝荒神に何かかかわりがあるかと思ったのですが、わかりませんでした。単に「神様仏様」みたいな、何かにすがる表現にすぎないのかもしれません。 「始末にゆかぬ浮雲めが」 「黒白も分かぬ烏夜玉(うばたま)のやみらみっちゃな小説・・・」 自分の小説がなかなか思うように行かず、何がなにやらわからぬものになった、と謙遜しているだけでは? 「浮雲」は実際の雲と小説のタイトルをかけているのでしょうし、「烏夜玉の闇」と「やみらみっちゃ」(これは今だと問題になりそうな表現ですね)をかけていると思われます。 『浮雲』はかなり昔に読んだのですが、わりとすらすらと何も考えずに読んでしまいました。本文は、それほど難しくなかったような印象があります。
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注釈があるのは、最近のものでは岩波書店の日本古典文学大系明治篇「坪内逍遥・二葉亭四迷集」か、筑摩書房の「明治の文学 二葉亭四迷」、古いものでは角川書店の「日本近代文学大系」です。
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回答ありがとうございます! いずれかをさっそく入手します。
- dereku
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♯2derekuです。 言い回しというか稲荷神社を「お稲荷さん」「お稲荷さま」八幡神社を「八幡さん」「八幡様」という感じ。 三宝荒神は顔を3つ持った神様です。仏像の阿修羅像を思い浮かべると分かるかと思います。あれを険しい顔にしたような。
お礼
ご教示ありがとうございます。 言い回しではないという指摘で、わたしは勘違いしてたかもと気づきました。「三宝荒神さまと春のや先生を頼み奉り」ってあるのを「神様仏様と願うように逍遥を頼んだ」みたいに解釈してました。「三宝荒神さま」と「春のや先生」なんですかね。文意はどうなるんでしょうか。 自ら無知をさらすような質問をたびたびすみません。
- dereku
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「三宝荒神さま」 どのような神様か知りませんが全国にある神社のひとつです。町の一画にポツンとある小さな神社ですから目立ちません。
お礼
回答ありがとうございます。 やっぱり文脈から考えれば、「三宝荒神さま」は、はじめに回答してくれたかたの説明どおり、「神様仏様」みたいなちょっとした言い回しなんでしょうね。尊敬する先輩の逍遥のアドバイスを乞うたってことを諧謔的な調子をつけて表現したんですかね。
お礼
丁寧な回答、ほんとうにありがとうございます。 「薔薇の花は頭に咲て活人は絵となる世の中」は、そんな背景があったんですね。 『余が言文一致の由來』を読むと「成語、熟語、凡て取らない。僅に參考にしたものは、式亭三馬の作中にある所謂深川言葉といふ奴だ。」ってあって、小説を理解するなら、やっぱり当時の文化や習俗の知識はある程度は必要なんですね。でも、(わからないとこは飛ばして読みましたが)ほんとにすごいおもしろい小説ですよね。