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「三びきのやぎのがらがらどん」の最後で
幼稚園の読み聞かせについての講演会で 「三びきのやぎのがらがらどん」を薦められて 購入して子供に読んでいますが 最後のページの もしもあぶらが ぬけてなけらば、まだふとっているはずですよ。そこで─ チェキン、パチン、ストン。はなしは おしまい ↑のあぶらが ぬけてないければ、の部分の意味がよくわからないのですが ご存知の方おしえてください このお話はとっても好きです うちは一人っ子なので三匹を パパ、ママ、子供となぞらえて聞いてもらえたらと思ってます
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原語でどうなっているかが問題だ,とのご指摘がありましたので,それを引き継いで補足しようと思います。 まず,サブタイトルに「アスビョルンセンとモーの北欧民話」とついていることからも分かるように,この話はもともと1841~44年にノルウェーのピーター・クリステン・アスビョルセン(Peter Christen Asbjoernsen, 1812-1885)とユルゲン・モー(Joergen Moe, 1813-1882)が刊行した『ノルウェー民話集』に収められているものです。 この作品は早くも1859年にイギリスでPopular Tales from the Norseという英訳本が出版され,これを訳したのがデースント(George Webbe Dasent, 1817-1896)という人です。 日本で発売されている絵本は,マーシャ・ブラウン(Marcia Brown, 1918- )の絵で,1957年にアメリカで発売されたものが元になっています。この英文は先ほどのデースントによる訳です。 瀬田さんがノルウェー語から直接翻訳したか,それともデースント訳の英文に基づいたかはちょっとわかりませんが,絵がアメリカ版と同じですし,英訳からの再翻訳の可能性が高いのではないかなあ。 さて,第1の疑問点「あぶらがぬけていなければ」ですが,英文では And if the fat hasn't fallen off them, why, they're still fat となっています。 従って,意味としては「皮下脂肪(体内脂肪かも)が落ちてやせてしまっていなければ」といったところでしょう。 ここで気がつくのが,「あぶら」も「太っている」も同じfatという単語なので,一種のシャレのようになっていることです。 もっとも,語源は同じ(元々「太っている」の意味だったのが,「太らせている原因=脂肪」などの意味に広がっていった)ですので,本当のシャレというよりは同義反復というべきかもしれません。 このfatという単語は,それまでの作中にたびたび登場しています。 まず冒頭の「やまの くさばで ふとろうと,やまへ のぼっていきました。」が,go up to the hillside to make themselves fatですし,橋を渡るときの「やまへ ふとりに いく ところです」もI'm going up to the hillside to make myself fatです。 そんな感じでずっと来て,最後にif the fat hasn't fallen off them, they're still fatですから,二つのfatという言葉が,今までの流れを受けたしめくくりのセリフとして快くこだまするのでしょう。 こういうのは日本語に直しにくいですよね。 無理にやってみると,「もし太さの元が取れてなければ今でも太っているはず」ですが,これでは意味不明です。 しかたがないので,同じ単語の繰り返しという効果は犠牲にして,「あぶら」という訳で妥協したのではないでしょうか。 「チョキン,パチン,ストン」は英文ではSnip, snap, snout.です。 snipは紙などを鋏で切るときの音ですし,snapは指を鳴らすときの音に使いますので,英語の語感を生かしたうまい訳だと思います。 日本の「とっぴんぱらりのぷう」や「どっとはらえ」などと同様,欧米の民話でも,子どもたちをお話の世界から現実の世界に引き戻す「おまじない」が最後についていることがしばしばあります。 グリム童話でも,話の末尾に「これでお話はおしまい。ほら,そこに鼠が走っている,捕まえた子は毛糸の帽子を作ってもいいですよ」みたいなフレーズがついているのがあったかと思います。 おそらく,snip, snap, snoutもその一種で,特に深い意味はないと思われます。 ただ日本語と違って,英語ではその先まで続けるとSnip, snap, snout. This tale's told out.となっていて,snoutとoutが韻を踏んでいます。 また,この一節はこのお話を離れて,一種の決まり文句として「これでおしまい,めでたしめでたし」のような感じで,文章の中などで使われることがあります。 ちなみに,ノルウェー語版では snipp snapp snute, her er det eventyret ute. となっていて,これまたsnuteとuteが韻を踏んでいます。 というわけで,私なりの結論としては 1.「あぶらがぬけてなければ」は「その後何らかの事情で脂肪が落ちて,やせたりしてなければ」の意味。 No.5さんも書かれているように,話者はヤギたちがその後どうなったか,いまどうしているかは知らないというスタンスで,推量形で話を終えています。 そうすることで,話が終わった後に余韻が残るように感じられます。 逆に,「プロジェクトX」のように詳しい後日談を入れるというのも,もっと長い文学作品などでは時々見られる手法ですが,民話ではあまりなさそうです。 「やせてなければ太っているでしょう」というのは当たり前ですが,わざとそういう言い方をしておどけてみせたのかもしれません。またfatの繰り返しによる音の響きの効果もあると思います。 2.チョキン・パチン・ストンは特に深い意味はなく,民話によく見られるエンディングの一つ。 と思っています。 最後に,この回答を書く上で参考にしたページを上げておきます。 Three Billy Goats Gruff http://runeberg.org/folkeven/021.html ノルウェー語の原文が載っています。 De tre bukkene Bruse som skulle gå til seters og gjøre seg fete http://www.pitt.edu/~dash/type0122e.html 英訳文が載っています。 Folktale Closings http://www.folktale.net/endings.html 民話の終わり方に見られるいろいろなパターンを集めたページです。 長くなってしまってすみません。参考になれば幸いです。
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- kogotokaubewe
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http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=15 この本ですよね。手元にないので、はっきりしたことは申し上げられないのですが……。 まず、北欧民話で瀬田貞二さん(あの「指輪物語」の瀬田さんなんですね)の訳ということですので、原語がどうなっているかが問題だと思います。 たとえば、現実的な話ではありませんが、もし原語の「あぶら」の部分の単語が、が日本語の「体脂肪」に相当し、「体脂肪」という意味だけを持つ単語だとしたら、文全体の意味は明白です。食材としての「油」を意味する単語だったら、解釈は違ってきます。 そのあたりを確かめないと確実なことは言えないと思うのです。 しかし、私は、「体脂肪が取れていなかったら、まだ太っているはず」ではないかと推測します。 「山の草をたべて太ろうとする3匹のヤギと、谷川でまちうけるトロル(おに)との対決の物語」(前掲URL)なんですよね? ヤギたちはトロルを見事倒して、草にありついたんですよね? だから、太ることができたんですよね? 家にあった大昔の児童文学全集の「北欧童話集」を引っ張り出してみました。「がらがらどん」に相当する話はありませんでしたが、「きっと二人とも丈夫で幸せに暮らしていることでしょう。」と推量形で締めくくっている話がありました。 この「がらがらどん」の話も、たとえば、「その後、ヤギたちは幸せに暮らし『ました』。」と断定の形で述べるのではなく、「暮らしたこと『でしょう』。」と推量の形で述べられているのではないでしょうか。 「太ったヤギたちは、その後も草を食べ続けることができて、幸せに暮らしたことでしょう。だから、天変地異で草が枯れたり、血液サラサラを目指してダイエットをしてたりしなければ、今も太っていることでしょうね。」、言ってみればそんな感じなのではないでしょうか。(自信なし) ところで、「チェキン、パチン、ストン」は「とっぺんぱらり」に相当する部分なのでしょうか? ご教示いただければ幸いです。 ついでに、ウィキペディアにある、「となりのトトロのエンディングでサツキとメイが布団の中でお母さんに読んでもらっているのがこの本」というのも興味深い話です。さっそくたしかめてみなくちゃ。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%8C%B9%E3%81%AE%E5%B1%B1%E7%BE%8A%E3%81%AE%E3%81%8C%E3%82%89%E3%81%8C%E3%82%89%E3%81%A9%E3%82%93
お礼
ご回答ありがとうございます そうです この本です 推量の形で述べられているというところ なるほどそうなのかもしれないと思いました エンディングにその先の事を推量して一言ある。というのが北欧童話のスタイルなのかもしれませんね 知らないうちに断定形で終わるお話に慣れているので あれっ?と戸惑ってしまうのかもしれません それと そもそも油の解釈が訳の問題でもはっきりしないとありますから kogotokaubeweは 本当にとてもよく調べられていて感心いたしました 北欧童話集なるものがあるのですね 北欧は童話が多いのでしょうか興味をもちました 丁寧なお返事感謝いたします 子供も私も大好きな サツキとメイもこの本を読んでもらっていたと知って ますますこの絵本が好きになった気がします 子供にも説明が出来る気がしてきました どうもありがとうございました 最後に 「チェキン、パチン、ストン」ですが これも分かりません ごめんなさい あまり気にすることもなく読んでしまいました お力になれずすいません どなた知っておられたらよいのですが では
指人形で、演者担当ではなく、トロル、中やぎ、ナレーション担当でした。 昔話で、いうところの「とっぴんぱらりのぷう」に、あたるものだと、解釈します。 お話を聞いてくれたみなさんに、最期のおまけのプレゼント、子どもの喜びそうな、意味のない、楽しそうな、言葉です。 そこを何だろう?と、つっこむのは、大人の感性であって、子どもは、ただのおもしろそうな、言葉として、受け止め、スルーしてくれます。 もう、通算2回、100人以上の前で、演じましたが、「それって、何?」と、聞いてくる子どもは、ひとりもいませんでした。 「脂ののりきった」の、「脂」でも、いいんじゃないですか? やぎの体内の人間の使う物質としての脂、油でなくても。
お礼
ご回答ありがとうございます このお話は指人形でも演じられているのですね odochanさんの お話を聞いてくれたみなさんに、最期のおまけのプレゼント、子どもの喜びそうな、意味のない、楽しそうな、言葉という解釈も素敵だなと思いました うちの子に最初に読んでやったとき あぶらってなに?って早速聞かれてしまい 説明にとっても困ってしまったのです そもそも5歳の男の子で まだあぶらそのものを知らなかったからだと思うのですが。。
こんばんは。 あぁ、懐かしい本です。 うちの子供たちが幼いころ、よく読み聞かせしてあげました。 私は、油=脂肪だとずっと思っていました。 油がぬけるとは、痩せることだと思っていました。 だから、ふとっているはずですよは、痩せていないから生きていると思っていました。 本当はどうなんですか?逆に質問してしまいました。 ANo.2さんのお答えは、なるほどと思いますよね。
お礼
本当ですね 一冊の絵本でも長く読み継がれているものは なにか一味ちがうのでしょうか seitotさんは きっと沢山の読み聞かせをお子さんにされたんだろうなと思います 読み聞かせの時間は子供だけではなく 親にとっても素敵な思い出になりますね 私も子供が大きくなって あぁ懐かしい本といえる本が沢山あれば素敵だなと思います ありがとうございます
- aji1828
- ベストアンサー率27% (38/137)
学校の授業で、よみきかせをやった際に、「がらがらどん」の担当(?)でした。次男がらがらどんが好きです(笑) 質問者様も仰っていますように、がらがらどんの物語には、油は関係してこないので、私の推測ですが、お答えしたいと思います。 あぶら、とはまさしく油、ヤギ油のことだと思います。 かつて石鹸の原料には、ヤギや牛の油だったそうですし、頭痛等の薬としても使われているようです。 なので、「もしも油が~」というところは、間接的に、まだ死んでいなければ、まだ生きていれば、という意味なのでは?と思っています。 日本でも、「干からびてなければ~」といったような言葉を目にした気がしますし。 北欧では、ヤギは身近な生き物なのでしょうか? 外国のお話に触れるのは、文化が見えてきて面白いですよね。
お礼
回答のありがとうございます とても参考になりました aji1828さんのご推測どおりなら 三匹のヤギは最後は死んでしまったという事になるのでしょうか? ますます真相が知りたくなりました 余談ですがその講演会はご高名な小松崎進先生のものでした 先生曰く 幼児への読み聞かせで選ぶ本は 結末のあやふやでない はっきりしたものを選びなさいと言うことでした ではこれってどっちなんでしょうって事になりますね。。。
- shigure136
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あぶらと三匹のヤギさんの関わりがわかりませんので、これだけでは何とも解釈できません。 このように唐突にあぶらが出てきたのではなく、皆が大切にしているあぶらが無くなったとか、あぶらを巡るお話があったのでは? こっそり大切なあぶらを食べてしまった犯人探しなのでしょうか? もう少し前半のお話を教えて下さい。
お礼
早速のご回答ありがとうございます 補足をお礼に入力していまいすいません このお話は 三匹のがらがらどんという名前のやぎが化け物がいるつり橋を 知恵を働かせ協力してわたり 橋の先にあるえさのたっぷりある草場にたどりつくというものです 草場に無事に三匹そろった話の終わりに このくだりがあります 前半からあぶらにかかわるお話が全くないので ???となってしまった次第です このお話は有名なヨーロッパに伝わる昔話らしく 国名ははっきり覚えていませんが ノルウェーだったような気がします そのあたりにヒントがあるのかなとも思うのですが。。
補足
本文 もしもあぶらが ぬけてなけらば と もしもあぶらが ぬけてないければ の部分 もしもあぶらが ぬけてなければ に訂正します 大変失礼しました
お礼
ご回答ありがとうございます 疑問がほとんど晴れたと同時に和訳する際の苦労がよくわかりました また絵本は読み聞かせるものなんだと改めて感じました 話の最後に共に 今頃は~と主人公達を推量し チョキン・パチン・ストンの合図で現実の世界にもどりお話をおわる なんて素敵な時間なんだろうと思います これからも読み聞かせをつづけていきたいと思います 私ひとりではこんなに調べたりする事は無理でした 重ねてお礼もうしあげます どうもありがとうございました