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フランス語のフランク語起源語彙

英語の中には多くのフランス語起源の語彙がありますが、その中に割合としては少ないがフランク語(西ゲルマン系)起源の語彙があります。例:blue,blank, war,warrant 英語も西ゲルマン系の言語だから、もともとのアングロサクソン系語彙の中に、これらと語源を同じくする単語が、意味を大きく変えてでもあってもよさそうなのに、私の知る限りでは思い当たりません。どうしてでしょうか。

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  • starflora
  • ベストアンサー率61% (647/1050)
回答No.1

    これに回答するには、英語の歴史の専門家でないとだめでしょう。しかし、英語の歴史を研究して行くと、フランス語の歴史の研究が必要になり、またドイツ語の歴史や、ケルト語の歴史、ノルド語(北ゲルマン語)の歴史も必要で、ラテン語から通俗ラテン語(Vulgar Latin)への展開の歴史、従ってラテン語の歴史、ロマンス諸語の歴史なども関係して、膨大な範囲をカバーしなければならなくなるのだと思います。     印欧語の歴史そのものの研究、従って、比較印欧語の研究も必要になってきて、迷路のようなことになるのかも知れません。     わたしが回答できるような内容ではないのですが、「想像」や「想定」を交えて考えてみたく思いますので、参考にでもなれば幸いです。     フランス語の歴史については、以前、そういう質問があり、以下のURLにあります:     >No.237686 質問:フランス語の歴史について教えてください。   >http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=237686     この martinbuho 氏の回答が、その内容はともかく、「参考URL」に記されていることが、なかなか無視できない重みがあり、色々検索しましたが、日本語のページでは、この参考URLのページがもっとも内容的に豊かで、信頼できるので、わたしの方の回答はやめたことがあります(参考URLには、細かい部分で間違いがあり、martinbuho 氏の回答も、不十分だとも思えたのですが、些少な違いを述べても仕方がないので、概ねのところ、適切な回答なので、わたしの回答する余地がないと判断しました)。     英語の歴史を大まかに振り返ると、ブリテン島には、非常に古代は分かりませんが、歴史的文字記録の残る民族としては、島嶼ケルト民族が住んでいました。「ストーン・ヘンジ」などを造ったのがケルト人かどうか分かりませんが、「ストーン・ヘンジ」は、違った時期に、違う設計で手が加えられており、ケルト人も、ドルイド教の儀式の場として使っていたことは確かです(「ストーン・ヘンジ」の中心になる巨石は、何時頃造られたのか、またその原石はどこから運ばれてきたのか分かっており、現在の場所にあったのではなく、かなりな距離の複数の場所から運ばれて来ており、それに要する人力などの手間を考えると、古代においては膨大な工事だったことが分かっています)。     紀元1世紀にローマがブリタニアを属領とした時、ケルトの諸部族が住んでいた訳で、ローマのブリタニアの公用道路は、ケルト人の造った古道をベースに造ったとされます。ケルトは三世紀か四世紀頃まで、ブリタニアの住民でしたが(現在も、その子孫がブリテン島に多く住んでいます)、この頃、ゲルマン民族の大移動が起こり、大体東から西へと、ゲルマンの諸部族が、移動し、新しい土地に、自分たちの部族国家を築きます。     大陸の大体ドイツのライン河か、もっと北の方からか、サクソンとアングルの二部族が、ブリタニアに移住して来て、ケルトの土地を奪い、彼らの部族国家を立てます。これがヘプターキー(七王国)で、4世紀頃から9世紀頃まで、イングランド領域で、七つの王国が並立して力を競います。サッセクス、エッセクス、ウェッセクスなどは、南サクソン、東サクソン、西サクソンのことで、アングル族の王国マーシアが勢力的に優越した時期もありますが、最終的に、サクソン族の王国ウェセックスがヘプターキーを統一し、イングランドの統一王朝を造ります。     ブリテン島は、イングランド、ウェールズ、スコットランドに分かれるのですが、ウェールズには、ケルト人の王国があり、スコットランドにもケルト人が居住していたはずです(いま調べると、スコットランドの原住民は、知られている限りはケルト系ピクト人で、その後、アイルランドからケルト人が移住してきて、両者が連合して9世紀半ば、ケルト人の王国を造ったようです)。     しかし、9世紀から10世紀にかけて、北ゲルマン、つまりノルマン人の海洋活動が盛んになり(ノルマンというのは、スカンディナヴィア半島やデンマークの人々です)、ヴァイキングとして知られるのですが、フランス北部のノルマンディーを征服したノルマンの部族を、フランス王は、ノルマンディー公として封じます。イングランドにもノルマンのデーン人が責めてきて、ウェッセクス王朝を倒し、デーン王朝を造ります。(スコットランドにも責めて来たはずです)。     デーンを何とか打破して、アングロサクソンの王朝を再度造ったと思ったら、北フランスのノルマンのギョーム(ウィリアム)公が侵略して来て、ノルマン・コンクエスト(1066年)で、ヘースティングスの戦いでアングロサクソン軍は破れ、ノルマン王朝が成立します。ノルマン王朝は、一旦途絶え、本国のノルマンディー公が再度イングランド王となって、プランタジネット朝になります。プランタジネット朝は1399年まで続き、ウェールズを征服し、この後、ランカスター、ヨーク朝へと続きます。     「古英語」というのは、ノルマン・コンクエスト以前のアングロサクソン語のことで、アングル語とサクソン語は、あまり違わなかったのではないかと思います。両部族の言語は、一つに結局まとまって、古英語になってしまいます。英語が変化するのは、ノルマンの征服により、征服者・支配階級がノルマン人になった為で、現在の英語の日常用語は、アングロサクソン語起源で、抽象語などは、ノルマン・フランス語だという分離が起こります(あるいは、肉などの元になる家畜の名前は、飼育しているの人々の言語からアングロサクソン語で、それが肉となり料理されると、食べるのはノルマン貴族なので、ノルマン語になるなどの分離が起こります)。     古英語の複雑な屈折構造は、ノルマン・コンクエストが原因ではないと思いますが、アングロサクソンの純粋な国家が失われると、急速に構造が消え、シェイクスピアの頃、16世紀になると、構造的には、現代の英語と同じようになります。無論、語彙や言い回しが、現代英語からすると難しく、17世紀の『ジェイムズ王欽定訳聖書』も、ほぼ現代英語で読めますが、語彙や言い回しに、変化して、理解できない部分があり、普通、聖書本の末尾に、現代語との対応表が付いています。     フランス語が、西欧文化の花として、フランス語が、西欧諸国の宮廷語となると、文化を通じて、色々な言葉が、英語にフランス語から入ってきます。無論、それ以前にも、大陸との関係で、イギリスには、フランス語の単語が、ノルマン語とは別に入って来ていたというのも事実です。     ラテン語は、ブリタニアでも、キリスト教が広まると、必然的に使用された訳で、大陸のラテン語が通俗ラテン語となり、やがてロマンス諸語となるのに較べ、日常使用言語でなかったので、形があまり崩れず、フランク王国のシャルルマーニュは、イングランドからアルクィンなどを招いて、イングランドに継承されていた、古ラテン語の文献などを学びます。   --------------------------------     こういう風にイギリスの歴史、また英語の歴史が展開して行った訳で、フランク語の歴史はとなると、これは西ゲルマン語派で、元々ライン河沿いに住む、小さな部族の言語だったのが、時流に乗ってか、その一派が、フランク王国を築き、現在のフランス-ドイツを中心に、広大な領土に支配権を持ったので、フランク族が有名になったのですが、フランク王国の覇権の背後には、ケルトやゲルマンのローマ化あるいはラテン化があり、属州に残されたローマ人が、ケルトの人々にとって、そして後にはゲルマンの人々にとって、有能な行政官として役立った結果、広大な領土で支配する行政語や文化語は、ラテン語、通俗ラテン語になったという経緯があると思います。     支配者フランク族の言語を、広大な支配地の人々に普及させるだけの力は、フランク語にはなかったというべきだと思います。人々は、日常会話では、自分たちのケルト語やゲルマン語を使っていて、行政語の通俗ラテン語は、地域の行政者や文化人が知っており、一般庶民も、王国の行政や宗教に関することについては、通俗ラテン語の語彙を使ったのでしょう。しかし、会話で使われていた諸部族の言語は、記録に残っていません。記録として残ったのは、通俗ラテン語の行政関係文書や文化関係文書、キリスト教など宗教関係文書でしょう。     アングリサクソン語や、ドイツ語のように、後継者を得たというか、支配者の行政・文化語としても、口語でも文章語でも使用され続けた場合は、その形がかなり後世まで残り、英語やドイツ語には、現在も、多数のゲルマン語の語彙を残していて、また、文法構造もゲルマン語のそれであるに対し、ロマンス諸語は、どう考えても、崩れたラテン語の文法構造を持っているとしか思えません(ポルトガル語、ルーマニア語は分かりませんが、フランス語、イタリア語、スペイン語は、崩れたラテン語だと思います)。     フランス語のなかには、フランク語起源の言葉が残っているようです。しかし、それは、フランク族の語彙なのか、ゲルマン語派の語彙なのか、西ゲルマン語派のなかで、元の西ゲルマン語の原形で考えると、フランク語なのか、アングロサクソン語なのか、区別が難しいというのが実状ではないでしょうか。フランス語の単語のなかで、起源をというと、「青」の bleu は、ラテン語起源ではなく、ゲルマン語起源は明らかで、イギリスやドイツから、この言葉が入って来たという証拠がない限り、古くからこの言葉があれば、それはフランク語起源だということになるでしょう(正確には、何語起源か不明だということだと思いますが)。     英語の blue, black, blank は、ゲルマン語の「耀く」という動詞から派生していて、西ゲルマン語にこれらの言葉があり、古ドイツ語にもあれば、アングロサクソン語にもあり、ノルマン語から、英語に入って来たとしても、古い言葉の上に乗った訳で、その古い言葉も、同じような語源から来た、同じような語彙であった場合、これらの言葉の語源はフランク語と云えるかどうかです。blue は、ノルマン・フランス語に遡り、フランク語に遡るようですが、そこで止まらないで、西ゲルマン語まで語源が遡り、更に、印欧語まで遡っています。すると、この語はフランク語起源と云えるのかどうか、難しくなります。     warrant は、guranty と同語二形で、古い時代に、ノルマン・フランス語を通じて入って来たのが、warrant で、後になって、パリ地方の方言から英語に入ったのが、guaranty のはずです。これはフランク語に遡る言葉とされますが、同語源と考えられる war になると、古高地ゲルマン語起源で、garant も、ゲルマン語起源になってしまいます。     >英語も西ゲルマン系の言語だから、もともとのアングロサクソン系語彙の中に、これらと語源を同じくする単語が、意味を大きく変えてでもあってもよさそうなのに、私の知る限りでは思い当たりません。どうしてでしょうか。     「意味を変えて」ではなく、おそらく一杯あるのだと思います。しかし、フランク語は、死語で、口語としては、8世紀か9世紀頃までは、少し残っていたかも知れませんが、民衆への説教は、口語俗流ラテン語で行うようにというような、布告が、教会から9世紀に出されています。(参考URL2参照。813年の「トゥールの司教会議」の決定)。そうすると、口語段階で、すでに、現在のフランスに当たる領域の人々の日常語は、通俗ラテン語従って、ロマンス語→フランス語になっていたということになります。     フランス語の立場から、フランス語に含まれる語彙の起源を調べて行くと、ケルト語とかゲルマン語=フランク語というような区別が出てくるのでしょうが、英語の場合、フランス語から入って来た単語だと分かるもので、元のフランス語で、フランク語から来たとされている以外の「ゲルマン語の語彙」は、アングロサクソン語であったと考えるのが自然で、フランク語→アングロサクソン語への語彙の流入としうのは、あいだに、古フランス語とかノルマン・フランス語を考えないとありえないということになります。     アングロサクソン語の語彙に、デーンの言語つまり、ノルド語(北ゲルマン語)の言葉が入って来ているというのはありえるのですし、スコットランド・ケルト語やスコットランド語には、ノルウェイの言語、ノルド語がもっと入っていると思えます。しかし、アングロサクソン語にフランク語の語彙が入る理由というのがありません。西ゲルマン語の共通語彙なら、それは、アングロサクソン語にたくさん入っているはずですが、フランク語自体が、どういう言語だったか、詳しく分かっていないと思えます。まったく分からない訳ではないでしょうが、フランク族が、広大なフランク王国を築いたので、王国領土内で、フランク語が優勢になったということではないようですから。     広大な領土を支配するための言語は通俗ラテン語で、フランク王国の地域ごとで、居住する人々が、日常会話では、自分たちの言語を使っていたというのが実状でしょう。参考URL2の「ストラスブールの誓約書」(842年)では、古フランス語とゲルマン語を使ったとありますから、無知な貴族や、一般の人も分かるためには、フランス地域では、ロマンス語の古フランス語が通じたのでしょうが、ドイツ地域では、ゲルマン語が必要であったということで、フランク王国の統一が、フランク語という言語による支配ではなかったということを示していると云えるでしょう。     >参考URL1:No.237686 質問:フランス語の歴史について教えてください。   >http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=237686     >参考URL2:フランス語の成立   >http://www.ab.aeonnet.ne.jp/~memoria/lingua/francia.html   

参考URL:
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=237686,http://www.ab.aeonnet.ne.jp/~memoria/lingua/francia.html
nikuzanhorin
質問者

お礼

お返事ありがとうございます。blue,blankと語源的に対応する純アングロサクソンの単語はblackということになりますね。どうもこのことは込み入っているようなので、とりあえず参考URLを見てみます。