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ラテン語のsexとsexusと、それらとフランス語との関係
ラテン語の数詞6のスペルは“sex”で、これは英語のsex、フランス語のsexeと非常によく似ているので、関連があるのでは、と思い、調べてみました。 私はラテン語に関しては全くの門外漢ですので、ラテン語のsexが読めません。そこで「ラテン語 sex」をキーワードにGoogleで検索してみると、『ラテン語の数体系』というサイト http://www.sf.airnet.ne.jp/ts/language/number/latinj.html に、sexは「セクス」と読む、とありました。 ただ、これだけではまだ関連があるかどうか分かりません。そこで「教えてgoo」のこのカテゴリーに過去同じ質問がないかどうか調べるためにGoogleの時と同じキーワードで検索しましたが、ありませんでした。 次に、旺文社「英和中辞典」でsexの語源を見ると、このように書かれていました。 [F sexe <L sexus] FはFrench、LはLatinの略語ですから、もともとラテン語のsexusが語源であることが分かりました。そこで今度はGoogleで「ラテン語 sexus」をキーワードに検索してみると、『Wikibooks』の「ラテン語 第四変化名詞」の中の「U型格変化」 http://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%86%E3%83%B3%E8%AA%9E_%E7%AC%AC%E5%9B%9B%E5%A4%89%E5%8C%96%E5%90%8D%E8%A9%9E で、単数主格が-usとなるパターンの中の男性名詞の中に、 “sexus, sexus”: 性(seco, secui, sectum, secare(区分する)から) という記述がありました。 さらに今度は英和中辞典でsixの語源を見ると、 [<OE six, siex] とありました。OEはOld Englishの略語ですから、これだけ読むと英語のsixはラテン語とは無関係のように思われます。 しかし、フランス語のsexeはラテン語のsexusとも、またsexとも大変よく似ています。もっともsixともよく似ていますが。ただ、フランス語の語源は、私が持っている仏和辞典には語源が載っていませんので分かりませんし、ネットでフランス語のsexeやsixの語源を調べても見つかりませんでした。フランス語の方が英語よりラテン語に近いので、フランス語の語源が分かればもっと詳しいことが分かるのでしょうが…。 ラテン語のsexとsexusとは関係があるのでしょうか?また、それらとフランス語のsixやsexeとはどういう関係があるのでしょうか?
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>ラテン語のsexusが動詞で、sec-s-us と分解でき、語根はsecである 動詞は secare で -are は不定詞を表す語尾です。一人称単数現在なら seco のように -o の語尾となります。sec- の部分は品詞とは関係なく「切る」という基本概念をあらわす部分で語尾をつけることで動詞になったり名詞になったりします。同じ語根から発生したものに section があります。これも「切る→分ける、分類する」という基本概念を持っています。これは sec-tio(n) と分けられ、-tio(n) が名詞を作る部分です(名詞を作る部分といっても一つではなく意味の違いがあり sec-s-us の -us も名詞を作る語尾です)。 普通は sex-us のように切って考えます。この方が語形変化を考えるのに便利だからです。sec-s-us と切ったときの -s- はここではつなぎのようなものとでも考えて下さい。 意味のつながりは「切る→分ける→分類する→違い→性別」と考えれば無理がありません。 「6」の語源はどこまでさかのぼっても sieks, hexa, shest のように語尾子音が2つあるのに対し、「切る」の方は語尾子音が1つで(ややこしいのは途中で子音が脱落したり、変化語尾が付いて子音が2つに見えるものがあることです)、普通にさかのぼれる範囲では別物と考えた方がいいようです。 しかし語源とは別に「連想」というものがあり「民間語源」となることがあります。「切る」が「12進法の分かれ目」という連想が全くないとは言い切れません。
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- Big-Baby
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ラテン語のsexusを「性」と訳するのは正しくありません。「性別」と訳すべきです。古代ローマ人がsexusという言葉を聞いてエッチなことを連想することはありませんでした。オスかメスを区別するときにsexusという言葉を用いただけです。ただ、近代ラテン語(医学ラテン語と言ってもいい)になって「性」という意味で使われるようになりますが、それは近代になって付け加えられた意味で、本来そういう意味を持っていたわけではありません。 森鴎外が自分の性の半生をVita Sexualisと名付けて出版したことはよく知られていますが、そもそもsexualisという単語など古典ラテン語には存在しない語で、古代ローマ人が見たらびっくりするでしょう。 ラテン語の数詞sexについてですが、古典ギリシア語でhex(本来の語頭のsがhに変化したもの)、サンスクリットのsasに対応していますから、これは間違いなく、インドヨーロッパ祖語にまで遡る語で、ラテン語以外の古代語に対応が見られないsexusと関係があるわけがありません。 ラテン語sexusの語源的説明ですが、#4さんの説明の通り、「切る、切り分ける」という意味のラテン語の語根sec-から来ていて、オスとメスを分ける「性別」を意味するようになったのでしょう。 参考URLはインドヨーロッパ語の数詞対応表です。
お礼
ご回答有難うございます。 >ラテン語sexusの語源的説明ですが、……「切る、切り分ける」という意味のラテン語の語根sec-から来ていて、オスとメスを分ける「性別」を意味するようになった お言葉を返すようですが、「切る、切り分ける」のは何も性別だけとは限らないのではありませんか?それならケーキを切っても毛を切っても木を切っても切ること自体に変わりありませんから、それだけの理由では申し訳ありませんが私には理解致しかねます。 ただ、Big-Babyさんも私のコメントに対し反論なさりたいことがおありになるかもしれませんが、本質問ははっきりこうだという答えが見えてこない質問であると私が判断致しましたので、これ以上補足、回答を求めることはせず、誠に勝手ながらただいまをもって締め切らせて頂きます。
- anapaultole
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この単語sextant(sex +tant=新婚さん)と 訳詩して叱られたことを思い出します さて、枕は脇にして、本題です Syzygie(朔望)との言葉をご存知ですか コレは、ラテン語のsyzygia (結合)から 生まれた言葉です。音韻だけですとご質問の内容に近く 【si+zizi】(zizi?は辞書でご覧下さい)です 天文学の太陽と月のある位置関係から 男女の繋がりをもその意味に含みます 6のSixは、古代フランス語で sis (ラテン語は sex)で 序数詞Sixiemeは、ラテン語のsextus, sexta から生まれて sisteになり、俗ラテン語のseximusからは sisisme, sisime, sisiesmeが生まれ、生き残っているのが今日の sixiemeです これらの音韻を考察しますと、淵源は同じと考えて仕舞いたくなります 三(trois)とtres(沢山の)とは 同根らしいとの尻尾は捕まえていますが、こちらはまだです。 どちらにしましてもラテン語からフランス語の変遷に思いを巡らす際には 地口(calembours)的なアプローチが大切と思います。 中世は、この語の連想の宝庫でしたから。。。
お礼
Bonsoir, Monsieur anapaultole ! Ca va bien ? >中世は、この語の連想の宝庫でしたから 先生のこのお言葉を聴くと、何だかミステリー小説でも読むようなワクワクした気にさせられてしまうから不思議です。今回もご登場頂き、また非常に興味深い、示唆に富むコメントを頂戴しまして、どうも有難うございました。<(_ _)>
- supsupsup
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No2です。 「性」が「分ける」に由来するというのは、私は自然な連想によるものと思います。辞典の語源説明でもこれに遡るとしてあります。しかし「なぜ関係するか」は書いてありません。 また別の箇所で書いておられる12進法との関係については、 当時のラテン語圏で12進法がどれくらい一般的だったかどうかは面白い研究の種と思いますが、少なくとも言葉の上からは「10進法が優勢」が示唆されます。 10, 20, 30, 40・・・はdecem, viginti, triginta, quadraginta・・・であり、100, 200, 300, 400・・・はcentum, ducenti, trecenti, quadringenti・・・であり、11, 12, 13, 14・・・もunadecim, duodecim, tredecim, quattuordecim・・・と数の組織は10進法的であり、12単位になってはいません。
お礼
補足に対し再度詳細に調べて頂きまして、誠に有難うございました。そのご尽力に対し、厚くお礼申し上げます。
- supsupsup
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NO2です。ラテン語のことを書くのをわすれました。 まとめますと、 英語、フランス語、ドイツ語の「性」、sex, sexe, Sexはラテン語のsexus、さらにはsecare(=分ける)、se(=apart)まで遡れるとの記載がこれら現代語の辞典にあります。 「6」のsix, six, Sechs, sex(羅)は下に書いた印欧語まで遡れるようです。 手持ちのわずかな資料では、両者の関係の記載は見つかりませんでした。
- supsupsup
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No1の方のおっしゃるとおり、 フランス語、英語、ドイツ語などのsex, sexe(性)はラテン語のsecare(分ける)に由来するようです。 「6」のsixは、印欧語の「seks」あるいは「hexa]に発祥しさまざまな欧州語もこれに関連するようです。 両者には関係はないと思われます。 以上、手持ちの小型の辞書の語源説明によるものです。 詳しくは専門の語源辞典でお調べになればと思います。
補足
質問文にも書きましたが、フランス語や英語のsex, sexe(性)はラテン語のsecare,あるいはsexus(分ける)に由来する、ということまでは私も行き当たったのですが、そこから先が分かりません。 つまり、なぜ「分ける」ことが即ち「性」になるのか、ということです。 これは宗教的な解釈になってしまって、言語学からはかけ離れてしまうのかもしれませんが、例えばキリスト教で言うと、人間1人の存在は不完全なものなのでベター・ハーフという概念が登場する。ということは「性」とは神が人間を「分けた」ものである(?)…という説明では、いかがでしょうか?あっ、私は別にクリスチャンではありませんので、念のため。
- trgovec
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これは関係はありません。調べられたとおり sex の方は動詞語幹に由来し、6(に限らず数詞は)は印欧語からの古いつながりがあります。数詞がいろいろな言語で似ているのはそのためです。sexus は sec-s-us と分解され語根は sec までです。いっぽう6の方は sex 一つながりで分解できません。 ただし更にさかのぼった語源はというとこれは「分からない」としかいえません。 フランス語はラテン語の子孫なので直接つながりがあります。母音や子音が変わることは珍しいことではありません。
補足
ラテン語のsexusが動詞で、sec-s-us と分解でき、語根はsecである、という理解でよろしいのでしょうか?と言いますのも、質問文にも書きました様に私はラテン語の知識が全くなく、『Wikibooks』のsexusの訳が単に「性」とだけありましたので、てっきりこれは名詞だと思っていました。 さて、私は言語学の方も門外漢ですので、当初「印欧語」の意味が分かりませんでした。そういう名の言語が存在するのかと思っていました。これをキーワードにして調べてみますと、下記のサイトに詳しく載っていました。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%91%E8%AA%9E%E6%97%8F 「インド・ヨーロッパ語族」のことなのですね。そしてその中のイタリック語派のラテン・ファリスク語派に、ラテン語もフランス語も属しますが、英語もまたインド・ヨーロッパ語族であり、ゲルマン語派という異なる語派に属するものの、いずれもインド・ヨーロッパ祖語を起源とする、とあります。ですから、おっしゃる様に数詞がこの語族内の言語で似てくるということは、よくやく分かりました。 さて、ここからはあくまでも私の単なる推量に過ぎないのですが、質問を投稿した後、私になりに、他の数詞に比べて6だけこの「区分する」という意味のsexusと非常に形が似ているのはなぜか、ということを考えてみました。 現在我々は通常10進法で物事を考えますが、時間や暦(月)は12進法ですね。あるいは1ダースもいうなれば12進法です。ということは6はそのちょうどその半分に当たりますね。古い時代にはこの12進法の方が10進法より一般的であった、ということは考えられないでしょうか?ですから12進法において2等分するということと6とは同じことなのではないか、だから似ているのではないか、というようなことを考えてみたのですが…。trgovecさんはこれについてどう思われますでしょうか?
お礼
補足に対し、大変詳細なご説明を行って頂きまして誠に有難うございました。ラテン語の素人に対し分かり易く説明をして頂くことは非常に困難であったろうと推察致します。この場を借りて厚くお礼申し上げます。 意味のつながりに関するご説明も、大変説得力があり、分かり易かったです。 また、「連想」や「民間語源」なる概念もご説明頂き、ごくわずかですが広大に広がる言語学の海に一歩足を踏み入れたような気になりました。