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ピリオドグラムって…
時系列データの周波数うちわけを知る統計量(?)として, ピリオドグラムというものがあることを知りました。 p(f) = C_0 + 2 Σ{k = 1 to ∞}C_k cos(2πkf) 周波数のうちわけを知るだけなら FFT で十分なのに, なぜピリオドグラムというものが存在するのでしょうか。 不運にも私には,高校数学程度の理解しかありません。 ピリオドグラムのメリットとかデメリットが気になります。 ピリオドグラムをかみくだいて語ってくださると幸いです。
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ピリオドグラムというのは,つまり,確率的な信号についての,FFTの平均値みたいなものです. 普通,信号解析をする場合,多かれ少なかれ,外部ノイズなどの確率的な現象を含む信号(時系列)を対象にしています. なんでスペクトル解析なんかをするときにも,確率的な取り扱いが入ってきます. 例えば,なんかの観測を無限回,繰り返したとします. 1回目は,時系列 f1(t) を観測, 2回目は,時系列 f2(t) を観測, … f1(t),f2(t),…は,だいたい似ているわけですが,細かく見るとノイズなんかの影響でちょっとずつ異なります. なんで,f1(t),f2(t),…をそれぞれ,フーリエ変換(あるいはFFT)したF1(ω),F2(ω),…もちょっとずつ違います. で,ピリオドグラムというのは,こいつらの各ωごとの平均のことです.つまり Periodogram(ω) = E[ Fn(ω) ]_{n=1,2,…} です.(つまり.確率空間全体にわたる平均のこと) あと,パワースペクトルというのもあります.これは Fn(ω)の絶対値の2乗の平均のことです. 信号解析では,各周波数成分ごとのパワーのほうに興味があることが多いので,こっちのほうがよく使われます. つまり, PowerSpectrum(ω)= E[ |Fn(ω)|^2 ]_{n=1,2,…} です,(これも,ほんとは,確率空間全体にわたる平均のこと) 注意しないといけないのは, PowerSpectrum(ω) ≠ |Periodogram(ω)|^2 ということです.これは,ある確率変数Xについて E[X^2] ≠ (E[X])^2 てことを考えればわかりますね. なんで,パワースペクトルを計算するには,普通は観測した時系列を直接FFTするのではなくて, 時系列の自己相関をとってそれをFFTします.(ウィーナー・ヒンチンの定理) 定義上は,各観測時系列直接FFTして,それぞれ絶対値の2乗を計算してから,平均すればいいわけですが, これだと,収束性がものすごく悪いです.
お礼
かみくだいてご説明いただき,助かりました。 FFT とピリオドグラムとで結果を比較してみました。 たしかにピリオドグラムは,ノイズ成分が非常に少ない! でも拾いたい(高次の)周波数まで,低減されてました(笑 今後,ピリオドグラムを使うことがあれば,活用したいです。 とてもよい勉強になり今後,ツールの一つとして覚えておきたいです。