はじめまして。
お子さんをご自分で教えたいとの気持ち、とても深いものがあるようですね。教育熱心でいらっしゃることは、学校にとってもありがたいことでしょう。
家庭教師、学校の先生などは、一応、教えることのプロです。
プロは自分が行っていることを細分化して考えることができます。
例えば主婦は程度の差こそあれ、料理を自然と段取りよく行い、ほんのわずかな味付けの調整をほぼ無意識に行うことができると思います。これはなぜか。
料理の手順を細かいステップに分けて考えることができ、複数の料理を同時にこなす際は、ステップを組み合わせているのです。また、味が完成したイメージと現在の味を比べて、足りない調味料が分かるから、味を調えることができるのです。
つまり、勉強を教えるのを仕事としている方は、例えば1年生の足し算ひとつとっても複数のステップに細分化し、思考の組み立てを考えることができます。
ステップをより多く組み立てられると、つまずきの段階もより細かくわかるようになりますし、対応も細やかにできるようになります。細分化した上で、どの段階でつまずいているかを見ることができれば、いま必要な学習がより明確になるわけです。
もうひとつ。
我慢強さは大切かもしれませんね。
耐えるのではなく、待つ。
正しく答える以上に、楽しくやれるように。
分からないのを叱るより、できる方法を考える。
これは一般に、親御さんは苦手で、家庭教師・先生は得意です。
なぜなら、プロとしてお金をもらって教えているから。親御さんより多くの事例を知っていて、ある意味パターン化できるから。そして、そういうことが好き(得意)な人は続けていき、苦手な人は別の仕事に移っていくから(親御さんは、育てていくことのプロです。必ずしも教えるプロにならなくていいというのが、持論です)。
親御さんとして、お子さんの勉強についてお悩みのようなので、蛇足ながら思っていることを書きます。
具体的には、うまく周囲を利用することを提案させていただきます。
先生、友達など、教えてくれる人はたくさんいるのです。
まず、学校の勉強を教える際は、徹底的に復習を大事にすること。問題集なんて買う親さんも多いですが、あれはできる子のための物です。苦手な子には学校でもらう教材(教科書、ワーク)の復習で十分だと思います。
親御さんは教えなくていいんです。やらせるだけで。
学校とは別にノートを買ってあげて、前にやった教科書の問題を「ノートを見ないでもう一度やってみな」って、言うだけでいいんです。習った当日、1週間後、1ヵ月後、3ヵ月後…繰り返し繰り返し。
子供にだってプライドはあるから、一度やった問題ならできるはず、と思うものです。できれば、「よく覚えてるね、結構結構。大したもんだ」と誉めて(認めて)やり、似たような問題を作ってあげるか、買ってきた問題集の類問を1つやらせてみましょう。できなければ、「どうしてできなかったんだろうね。どうしたらできるようになる?」と尋ねます。あくまでそれを考えるのは、親ではなく本人。漢字や算数の計算なら反復練習するとか、その子なりのイメージはあるはずです。
苦手な教科はできるだけ当日と1週間後に同じ問題を解かせます。間違ったら次の日も解かせます。でも算数なら、答えだけ書いたら×。式も途中の計算も、全部を省略しないで書かせます。で、できたら類問。
「分からない」と言い出したら、「学校で先生はどうやって説明してた?」と聞きます。多分、答えられません。
「じゃあ、分かるわけないね」って。「先生の言ったことを覚えてないんだから、出来るわけないよね」って。「先生の言ったとおりにやればできるんだよ。先生が言っていることが分からなかったら授業中でも、終わってからでも質問したら?分かってる友達に聞いてもいいでしょ」って。
あくまで学ぶのは自分、やるのは自分だということを、早い段階で学んだ子は強いと思うのです。人に聞くのも最初はためらうでしょうが、「分かんないなら、分かるようになるまで先生(友達)に聞いてきなさい」って。…ちょっと冷たいようですが、いつまでも親が勉強を見れるわけはなく、最終的に頼れるのは先生と学友ですから。自然とそこを頼れるようにしてあげるのが、親さんができることなのでは、と私は思います。
少しできたら、すぐ類問を解きます。できたらほめます。努力したらほめます。昨日より1つでも分かることが増えたら、ほめます。「昨日よりひとつ頭良くなってるよ、大したもんだね」って。親のできることは、頑張る子を認めてほめてあげること、頑張る子の背中を押してあげることです。頑張っている人が好きだというメッセージを、送り続けることです(でも「頑張らない人はダメ」なんてメッセージにならないように気をつけて下さいね)。
感情的になるのは、気持ちを込めすぎているからでしょう。それは仕方ないんですが、親御さんの気持ちだけでは、できるようにはなりません。ここはシビアに考えるべきところです。
大きく見れば、勉強ができるようになることよりも、勉強の仕方がわかることの方が大事ですから…きちんと机に向かう時間を確保すること、勉強が分かるような手段を確保すること、ご褒美をあげて応援すること、なんかが親御さんができる最高の学習支援だと思うので、あまり悩まないで下さい。
ちょっと質問から外れた変な回答ですが…何かの参考になれば幸いです。
それでは。
お礼
ありがとうございます。私が親としてできることをとても具体的にわかりやすく書いていただきまして、 深く感謝いたします。一つ一つを何度か読み直して、感情的になりそうなときに思い返したいと思います。 ありがとうございました。