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染色体の研究で FISHとBACの違い

非生物分野の者です。生物学の基礎知識は高校生くらいなのですが、ふだん研究者の会話が身近にあります。  染色体の検査で、FISHとBACの違いがよくわかりません。 Fluorescent in situ hybridization,bacterial artificial chromosome で、どちらも染色体の特定の場所とだけ結合するものと理解しています。。 生物の研究者の会話で、FISHではどうだとか、BACではどうだとかという会話を聞きます。自分のイメージでは、ゲノムの特定の場所とだけハイブリダイズするプローブと言う点で、同じものと始めは理解していました。でもどうも違うようです。FISHで欠失を証明する、とか、BACを並べてとかいう言葉、これを逆にしたら言葉になりませんか。  どなたか、やさしく教えていただけないでしょうか。わかりやすいホームページがあったらそれも教えてください。

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回答No.3

> 20000塩基くらいに制限酵素でバラバラにしたDNAとそれに対応したBACが結合するということなんでしょうか ゲノムDNAは大きすぎ、いろいろな配列が含まれた複雑性をもっているので、そのままでは解析することが困難です。 そこで、適当な長さに断片化し、それぞれの断片を単離したり、それだけを大腸菌内で増やしたりできるようにします。ベクターというのは外来のDNAを組み込んで、大腸菌内で増やせるようにするためのDNA分子で、天然のプラスミドやファージ(大腸菌に着くウイルス)などを改変して作られたものです。 制限酵素や超音波などでランダムに断片化したゲノムDNAの断片の混合物に、制限酵素で切った空のベクターを投入して、DNAライゲース(DNA末端同士を結合する酵素)を効かせると、ベクターの切れ目に多様なゲノム断片が一分子ずつ組み込まれたDNA分子ができます。これを一個の大腸菌に一個ずつ入るような条件で入れてやると、それぞれの大腸菌の子孫は、同じDNA断片をもつベクターをもつ「クローン」になりゲノムDNA断片のクローニングができるわけです。 ゲノムのどの部分であろうとも、これらのクローンのなかにおさめられているということで、「ゲノムライブラリー」といいます。 >BACを蛍光色素で標識して変性DNAに結合させて光らせたモノがFISHという理解で良いでしょうか。> おおよそ良いのではないでしょうか。 in situというのはラテン語で「その場で」という意味で、組織標本や染色体標本の上でハイブリをおこなうのがin situ hybridizationです。この場合は「染色体標本上の変性DNA」にハイブリさせるということですね。 BACクローンがプローブとして使われることも多いですが、それ以外のDNAがプローブにされることも少なくないです(例えば、ほかの種類のベクターを使ったクローンやPCRで増やしたDNAやなど)。

jiaojiaowo
質問者

お礼

わかりやすく説明していただきどうもありがとうございました。またよろしくお願い申し上げます。

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回答No.2

FISHとBACの違いといっても、魚とオーブンレンジを比較するようなもので、同列にできないのですが、 FISHは染色体標本上に、ある遺伝子なりゲノム領域なりのDNAのプローブをハイブリダズ(相補鎖が二重鎖を作る性質を利用して、染色体上のDNAとプローブDNAを対合させる)して、その遺伝子、ゲノム領域を染色体上に位置づける方法です。一般的にin situ hybridization(ISH)といわれる方法ですが、蛍光標識を使うのでFluorescent in situ hybridization (FISH)です。 この方法では、未知の遺伝子を染色体上にマップできるほか、たとえば転座が起こっていればシグナルが別の場所に検出されるでしょうし、欠失が起こっていれば、シグナルが検出できないでしょう。 BACはクローニングベクターの一種です。ゲノムを解析するためには、ゲノムDNAを扱いやすい大きさに断片化してクローニングすることが必要です。小さな断片ほど取り扱いや解析がしやすく、こういうときにはプラスミドやファージベクターが良く使われます。おおよそ20 kb くらいのDNAをクローニングすることができます。 ところが、ゲノムワイドのクローニングをするときには、小さなDNA断片ではゲノム全体をカバーするのに莫大な数のクローンが必要ですし、オーバーラップ部分を重ね合わせて、ゲノム全体の配列を再構成するのも大変です。こそで、もっと大きな断片をクローニングできるベクターがつかわれ、それがBACであったりPACであったり、最近はあまりはやりませんがYAC (yeast artificial chromosome)であったりします。これらは、およそ200 kb くらいのDNAをクローニングすることができます。 BACを並べるというのは、ランダムに断片化したゲノムDNAをBACに入れたライブラリーを作り、個々のクローンを単離し、配列を調べて、重なり合う部分を見つけてつなぎ合わせて、ゲノム配列を再構成するということです。 何らかの方法で、着目している遺伝子座を含むクローンを見つけることができれば、そのクローンに含まれるゲノムDNA断片を解析していけば良いわけです。また、上記のFISHで、個々のクローンプローブにすれば、染色体上にマップしていくことも可能です。

jiaojiaowo
質問者

お礼

ありがとうございます。FISHは「方法」に対してBACは「モノ」なんですね。読んで私に基礎知識がないことを痛感しました。クローニング、クローン、ベクター、もぼんやりとしかイメージがつかめません。 >おおよそ20 kb くらいのDNAをクローニングすることができます。  20000塩基くらいに制限酵素でバラバラにしたDNAとそれに対応したBACが結合するということなんでしょうか。  BACを蛍光色素で標識して変性DNAに結合させて光らせたモノがFISHという理解で良いでしょうか。

  • Chicago243
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回答No.1

FISHはあってます。 BACは辞書的にはイカの通りです。 bacterial artificial chromosome 《生化学》細菌人工染色体{さいきん じんこう せんしょくたい}◆【略】BAC◆ベクターの一つ ベクターは興味ある遺伝子を実験のために保存するようなツールです。とくに高等生物の染色体にあるDNAは非常に長く、興味ある部分だけを追及するには無理がある場合があります。きっと染色体の一部をBACでもっているのでしょう。といっても興味ある部分全部がBACにおさまるとか限りません。一部オーバーラップしながらも違う部分をもっていることがおおいいです。オーバーラップしている部分から全体像をつかむことが可能でそのために並びかえとかいう会話になってるようなきがします。時間があればWEB SITE探しておきます.