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複素数の複素数乗の考え方
- 複素数の複素数乗の考え方について悩んでいます。z, α, β ∈ C のときの考え方について説明してください。
- (i) z^α * z^β = z^(α+β)、(ii) (z^α)^β = (z^β)^α = z^(αβ) の成立する条件は何でしょうか?
- (i)の場合、z ≠ 0 で成立する気がするのですが、確証が持てません。ご教示お願いします。
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じっくりいきます. まず次のように定義しています (ギリシア文字は面倒なので π 以外は全てラテン文字で): z^a = exp [a (log |z| + i (arg z + 2kπ))], k ∈ Z. (ii) の式は, ここでは全く出てきません. この定義から z^a が一般には無限多価関数となることがわかるので, 他のところも無限多価関数を扱えるように拡張します: log X = { log x | x ∈ X } X Y = { xy | x ∈ X, y ∈ Y } exp X = { exp x | x ∈ X } ようするに「(無限) 多価なので集合として扱う」ってだけですが. これだけ準備しておいて, 1^i を考えると z^a の定義から 1^i = exp i [log 1 + i (arg 1 + 2kπ)] = exp i (0 + 2kπ i) = exp -2kπ となります. ということで, 1^i 1^i は 1^i 1^i = (exp -2kπ) (exp -2lπ) = exp -2π(k + l) と書けます (k, l ∈ Z). 注意してほしいのは, 2つの 1^i を計算するときに 1 の偏角として異なる値を使ってよいというところ. 一方 1^(i+i) = 1^(2i) は 1^(2i) = exp 2i [log 1 + i (arg 1 + 2kπ)] = exp 2i (0 + 2kπ i) = exp -4kπ です. で 1^i 1^i と 1^(2i) が (集合として) 等しいかどうかというと, 前者では (k = 0, l = 1 とおくと) exp -2π という値が取れるのに対し後者では取ることができません. 従ってこの 2つは (集合として) 異なるということになります. あと ±1 と (-1)^k の違いですが, ±1 では +1 と -1 のどちらの値を取ってもよいのに対し (-1)^k では (k の値に応じた) +1 あるいは -1 のいずれかしか取れないというところにあります.
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- Tacosan
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えっと.... 一方が整数なら他方は任意の複素数で (i) が成り立つような気がします. まさに #2 で間違えた点がここです. #5 で「z^α z^β を計算するときに z^α と z^β で違う偏角を使うことができる」ようなことを書いたんですが, α を整数とすると z^α の計算において偏角を選ぶ意味がなくなってしまいます. つまり, 選んでも 2πi の整数倍でしか違わないので無意味になってしまいます. そのため, z^β を計算するために使った偏角を z^α の計算でも使ったとみなすことができてしまいます. これは, 結果的に z^α z^β = z^(α+β) を意味します. また, α, β がともに有理数でかつ「その分母の最小公倍数が α+β の分母と等しい」(ただし全て既約分数で考える) 場合にも (i) は成り立つと思います. あと, z = 0 でも 0^0 を適切に (つまり 0 か 1 のいずれかで) 定義すれば成り立ちますね. (ii) は z, α, β を全て実数としても成り立たない例は作れるからなぁ....
お礼
z^α は z^α = e^(α*logz) で定義される(らしい)。 logzは2πの不定性を持つ多価関数であり、 z = re^iθとすると、nを任意の整数として logz = log|z| + i(θ + 2nπ) となる。 ここでlogzの主値Logz = log|z| + iθ , (-π≦θ≦π)とすれば、 logz = Logz + 2inπ と書ける。したがって z^α = e^{α(Logz + 2inπ)} 同様にm , lを任意の整数として、 z^β = e^{β(Logz + 2imπ)} z^(α + β) = e^{(α + β)(Logz + 2ilπ)} と書ける。したがって z^α * z^β = e^{α(Logz + 2inπ) + β(Logz + 2imπ)} = e^{(α + β)Logz + 2iπ(αn + βm)} であるから、z^α * z^β = z^(α + β)を満足するためには 両辺の位相差が2πの整数倍、すなわちαn + βmとl(α + β)の 差が整数でなければならない。 (exp(iθ)は周期関数であり、偏角が等しいまたは 2{x | x∈Z}πの差がないと、同じ値にはならないから。) (αn + βm) - l(α + β) = (n-l)α + (m-l)β n , m , lが任意の整数であるから、α , βがともに整数となれば 常に(重要。任意の値を取るので、特定の値の時に整数に なっても意味がない。)、 z^α * z^β = z^(α + β) が成り立つ。 (この場合、z = 0でも、0の実数乗となり等式は成り立つ。) (逆に言えば、z = 0ではα , βが虚部を持っていると成り立たない?)
- Tacosan
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えっと.... もう 一度 log をとるのが簡単かなぁ.... exp (2√5iπ) の log は 2√5iπ + 2iπ k (k ∈ Z) ですが, これは 2iπ k (1/2 + √5) という形にはならないですよねって話です. まあ α, β まで複素数の範囲で考えれば z = 1, α = β = i とおくのが簡単で, z^α z^β = exp 2πk (k ∈ Z) に対し z^(α + β) = exp 4πk (k ∈ Z).
お礼
すみません、理解できません・・。 ±と(-1)^kって同じものではないのでしょうか? あと >z = 1, α = β = i とおくのが簡単で, >z^α z^β = exp 2πk (k ∈ Z) に対し なぜそうなるのでしょうか? 1^i * 1^i = {e^(0+2kπ)^i}^i * {e^(0+2kπ)^i}^i = {e^(-0-2kπ) * {e^(-0-2kπ)} = e^(-2kπ) = e^(2nπ) (n=-k) とでもやっているのでしょうか?仮定を使っちゃ意味ないような。 それとも他の方法があるのでしょうか・・。 >z^(α + β) = exp 4πk (k ∈ Z). m = 2k とでもおいてしまえば良いような気が・・。 というか、どちらにしろ結果は1になります・・。 多価ではなくなってしまうので、例としては適切でないかと・・。
- Tacosan
- ベストアンサー率23% (3656/15482)
あ, 間違えた. 整数を使うと 2π の整数倍が角度のところに出てくるから無意味だった. z = 1, α = 1/2, β = √5 とすると z^α z^β = { ± exp 2√5 iπ k | k ∈ Z }, z^(α + β) = { (-1)^k exp 2√5 iπ k | k ∈ Z } ですから, 前者の式では exp 2√5 iπ という値になりえますが後者の式では不可能です. ん~, なんか複雑だなぁ....
お礼
変形がよくわからないのですが、式を見ると 前者でも後者でも exp 2√5 iπ になっている気がするのは 気のせいでしょうか?
- Tacosan
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z = 1 とすると log z = i 2kπ (k ∈ Z). ここで α = 1, β = √5 とすると z^α z^β = { exp i2π (k + l √5) | k, l ∈ Z }, z^(α+β) = { exp i2π k(1 + √5) | k ∈ Z }. 集合としては明らかに z^α z^β ≠ z^(α+β) となっているような....
- Tacosan
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無限多価関数が「等しい」というのを, どのように定義しましょうか?
補足
argz ではなくて i*arg(z + 2kπ) (k=0,±1,・・・) でしたね。 「等しい」は「集合として等しい」です。 よく見たら上の解き方だと主値のみでやってるみたいでした。すみません。
お礼
返信ありがとうです。 >注意してほしいのは, 2つの 1^i を計算するときに >1 の偏角として異なる値を使ってよいというところ. えええ、マジですか。 言われてみればそうですが目から鱗。 んで、この問題は恒等的に成り立つかどうかではなく どういう条件で成り立つかなので、おそらく 「αがβの有理数倍かつz≠0」 が(i)の解答になると思います。多分。
補足
と思いましたが「αとβがともに整数」ですね。