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新しい会計基準と貸借対照表の透明性について
大学の講義で、2008年3月期から棚卸資産の評価基準が低価法に一本化されると聞きました。 それに関連して6月18日の日経新聞の朝刊に不動産、建設、電鉄などの企業が 新基準を前倒しで適用しているという記事を見ました。記事の最後に 「経営者は含み損の処理を前倒しで進めることによって、バランスシートをはじめとする財務諸表の透明性を高め・・・」 とあるのですが低価法を使うことが透明性を高めるというのは具体的にどういうことなのでしょうか? また、今まで原価法が使われていた理由もお聞きしたいのですが
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現在会計基準が、世界的に統一されてきています。さまざまの国の投資家が、その資金をさまざまな国々の企業に投資するわけですから、会計基準の一本化というのは避けて通れないと思います。 さて、棚卸資産の評価方法ですが、NO1さんのご指摘の通り、通常、取得原価主義ですから、棚卸資産の時価が低くなったとしても、取得原価で評価されていました。そうすると、帳簿上、取得原価で資産計上されている資産価値が、時価で見た場合、低くなっているのにもかかわらず、原価で載っている。これは、その企業に投資する者や債権者から見たら、企業の資産実態を適切に評価していない事になります。従って、米国会計基準では、すでに原則低価法が採用されています。 例えば、商品Aを仕入れして、当期全く売れなかったとしましょう。取得コストは、1億円でした。当然期末在庫として計上され、翌期首の棚卸資産として1億円の記載があるでしょう。しかし、商品Aは、再調達コストが相当低く、また、販売価格も相当安くなってしまいました。このような場合、商品Aの価値は、明らかに1億円ではありません。しかし、原価で載せると相変わらず、1億円の資産として載って来ます。低価法を使うと、その辺のごまかしが出来ませんから、棚卸資産の算定が厳しくなり、企業のバランスシートは、より透明性を確保される事になるのです。簡単に言えば、一億で買ってきた物の価値が、販売市場と再調達市場で劣化していなければ良いのですが、仮に販売市場でも値下げしないと売れないとか、再調達コストが低くなってきな場合、低価法が適用になり、損失分を計上しなければならないというのが、低下法の趣旨であり、そうしてもらったほうが、企業のファイナンシャル ステートメントに対して、信頼性が担保されるということではないでしょうか?
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原価法→購入価格で資産計上している。という事は値下がりしている資産がある場合財務諸表でそれを知る事が出来ない。 低価法に統一すれば、そういった事はなくなると考えられている。 原価法を使用していたのは評価損を計上したくない。評価損があるという事は経営責任を問われる事が有るからです。