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若山牧水 白鳥は・・の訳について
白鳥は「哀しからずや」の「哀しからずや」はどう訳せば良いのでしょうか。 できれば、入試問題的な解答をいただきたいのですが。
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牧水の元の歌はひらがなだたような気もするのですが、漢字で「哀」を使っていたなら、それは「悲」の場合の「かなしからずや」とはニュアンスが違います。そもそも、同じ「かなし」が、何故、「哀し・悲し・愛し(かなし)」に漢字で書き分けるかと言うと、元の言葉に複数の意味・ニュアンスがあって、それを表現するための工夫で、自覚的に文章を書いている人は、それぞれに意味やニュアンスを区別して使っているはずです。 「悲哀」は、「かなしみ」ですが、「悲痛+哀切」というような感じで、決して、「かなしい+かなしい」の二重重ねではないはずです。(悲哀、悲痛、哀切で、人によって把握が違うかも知れませんが、明らかにニュアンスが違っています。みな、同じ「かなしい」ことだと言えば、乱暴でしょう)。 しらとりはかなしからずや → 白い鳥は、悲痛ではないのだろうか しらとりはかなしからずや → 白い鳥は、哀切ではないのだろうか これは、意味やニュアンスが違っています。「悲痛」というと、しらとりを見て、心が、どういう理由か「痛む」という感じで、かなり感情で辛いものがあります。「哀切」というと、心に痛みがあるかも知れませんが、それを詩的に受け止めるというか、ある程度客観化し、距離を置いた感じがわたしにはします。(悲痛は、「私が悲痛」で、哀切は、「何かが哀切」です。大ざっぱですが)。 白き鳥よ、あなたは何と哀切なことか、空はこんなに青く、海はあんなに青いのに、空からも海からも離れ、ひとり孤独に漂っていることか。 (そのように、わたしの心も、哀切のなか、漂泊の思いに満たされる……)。 これは、わたしの解釈ですが。
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宮宮崎県にある牧水記念館、電話0982-69-7722に問い合わせ た結果、牧水の歌は次のように書かれています。 しら鳥はか奈しからずや そらの青 海のあおにも そまずたヾよふ 従って哀しからずやは後世の当て字です。日本語の「かなし」に含まれる幅広い意味 をもたせるために敢えて漢字を使わなかったものと思われます。一般には読む人(鑑 賞する人)が感じる様々な「かなし」で解釈したらよいことですが、試験問題になる と権威のある学者の解釈が出てきたりするのでこまったものです』
No.1の方が完璧な回答をされているので補足になりますが・・ 哀しは、やまとことば「かなし」に含まれる感情を、悲しい、哀しいと書き分けているに過ぎず、現代語訳は悲しいでよいと思います。この歌は旅と孤独に生きた牧水が白鳥に託して自らの心情を歌ったものといわれます。昔から鳥の種類、鳥の数 (単数か複数か)、鳥の漂うさま(水中か、空中か)などでいろいろな解釈があります。
お礼
ありがとうございました。たしかにいろいろな説があるようでした。 現代語訳「悲しい」でたしかに良いものと思われます。
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確かに、試験で最もよく見かける歌ですね。 哀しからず、は、哀し、という形容詞の未然形と、打消しの言葉がくっついたもので、「哀しくない」。 や、は、疑問を投げかけることば。 よって、直訳すれば、「哀しくないのであろうか」ということになります。もう少し意訳すれば、「なんと哀しいことだろうか」というニュアンスが入ってきます。 こんなところでよろしいでしょうか。
お礼
ありがとうございました。 いろいろなホームページがあることも今回の件を通じて知りました。
補足
早速ご回答ありがとうございます。 「哀しい」は辞書で引くと「悲しい」になってしまうのですが、 もっと良い訳し方はないでしょうか。
お礼
ありがとうございました。とてもわかりやすい解説で参考になりました。