自分の知っている範囲で多少回答させていただきます。今自分のいる環境で一番近いというかよく耳にする話題はリーマン予想とポアンカレ予想なのですが後者についてはまず間違いなく解かれたと言われています。ここで解かれたのは(Ricci Flowと呼ばれる比較的古い手法が根本にあるようですが)ポアンカレ予想だけではなくそれを一つの系として含む大きな予想(たしかThurston予想と呼ばれていたと記憶してますが間違ってたらすみません)のようです。なので審査に時間がかかっているようですがトポロジーの専門家の間ではほぼ確実に解かれたという意見が多いようです。前者のリーマン予想についてですがこれは打って変わってほとんど何もとっかかりが掴めてないのが現状のようです。どのアプローチがいいのかが未だに分かってないようです。その昔(そんなに昔ではありませんが)Weilという人が代数曲線(要するに特殊な体上での)と呼ばれるものに対してのリーマン予想を示しましたがそのWeilという人は本来のリーマン予想とその解かれた特殊なリーマン予想の間には超えられない感じのする壁があると言っていたそうです。これは本来のリーマン予想が複素数体を基盤としていてそこでは関数の微分という非常に自然な操作が出来ることにどうも由来しているということをWeilは言っていたそうです(アドバイザーがWeilから直接聞いた話らしいです)。Random Matrix Theoryというものがここ最近有力なアプローチとして盛んに研究集会など開かれているようですがこの理論はリーマン予想の仮定の下にいろいろと成り立つ性質を導き出しそれと類似した性質を持つ無限次元行列の固有値を調べようとする考えが元になっていますがこれも中々先には進んでないようです。ただ非常に活発に研究されているみたいで今後の動向に注目です。解析数論という立場では現在の主流になっていると言ってもいいL関数というのがありますがこれはまたバーチスイナートンダイアー予想、セルバーグの固有値予想とも関連したものでこれの性質について研究している人は多いです。どちらかといえばリーマン予想よりも上に挙げた2つの予想(特にセルバーグ予想)を解く目的が強いようです。ただこのL関数(正確にはAutomorphic L関数)というのはリーマンのζ関数だけではなくそれをほんの一つの例として含むものすごく大きな枠で捉えているのでもしかしたら一般化されたリーマン予想が解かれる可能性が今度高まってくるかもしれません。いずれにせよ今現在の段階ではこのリーマン予想がもうすぐ解決とみる専門家は少ないようです。Brian Conreyという数論家が書いている記事でリーマン予想へのアプローチについて色々見解を述べているものがあるのでそれも参考にしてみてください。(その記事のDL先がちょっと分からないので一応その人のHPをリンクしておきました。きっと見つかるかと思いますが見つからなかったらすみません)。