心理学を体系的に学ぼうとなさるのなら#2さんの推薦図書に私も1票入れますが,
「趣味で心理学」とおっしゃるのでしたら興味のおもむくままでいいのではないかと思います。
ただ#2さんも書いていらっしゃるとおり,
街なかの書店の心理学コーナーに並んでいる本の半分は
心理学徒の視点からすれば心理学書とは呼べない代物であり,
その一方でまともな心理学書の半分は心理学書以外のコーナー,
たとえば工学や生物学のコーナーに置かれていたりするのが現実です。
というわけで
書店の心理学コーナーには置いてなさそうな本を中心に御紹介します。
『○○の心理学』なんてタイトルの本がほとんど含まれていないことに注目してください。
また私は挙げた本のすべてを読んだわけではありません。
●岩波科学ライブラリー
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/7/006501=.html
最前線の日本人研究者が自らの研究テーマについて平易に語るシリーズ。
心理学の研究者が執筆したものをピックアップしてみます。
見落としがあるかもしれませんが。
『小鳥の歌からヒトの言葉へ』 岩波科学ライブラリー (92) 岡ノ谷一夫 (著)
『赤ちゃんの手とまなざし―ことばを生みだす進化の道すじ』 岩波科学ライブラリー (78) 竹下秀子 (著)
『心の理論―心を読む心の科学』 岩波科学ライブラリー (73) 子安増生 (著)
『ニューロンから心をさぐる』 岩波科学ライブラリー (64) 櫻井芳雄 (著)
『鏡の中のミステリー』 岩波科学ライブラリー (55) 高野陽太郎 (著)
『喜怒哀楽の起源―情動の進化論・文化論』 岩波科学ライブラリー (41) 遠藤利彦 (著)
『意識とは何か―科学の新たな挑戦』 岩波科学ライブラリー (36) 苧阪直行 (著)
『認知の起源をさぐる』 岩波科学ライブラリー (21) 渡辺茂 (著)
『アフォーダンス―新しい認知の理論』 岩波科学ライブラリー (12) 佐々木正人 (著)
●講談社ブルーバックス
http://www.kodansha.co.jp/bluebacks/
老舗の新書版科学読み物シリーズ。
比較的新しいものからいくつかリストアップしておきます。
こちらは心理学だけでなく,広く認知科学関連の本を含みます。
『視覚世界の謎に迫る―脳と視覚の実験心理学』 講談社ブルーバックス 山口真美 (著)
『試してナットク! 錯視図典 CD-ROM付』 講談社ブルーバックスCD-ROM 馬場雄二, 田中康博 (著)
『知能の謎 認知発達ロボティクスの挑戦』 講談社ブルーバックス けいはんな社会的知能発生学研究会 (編)
『夢の科学』 講談社ブルーバックス A.ホブソン (著)
『マンガ サイコセラピー入門』 講談社ブルーバックス C.N. ベンソン, V.B. ルーン (著), 清水佳苗, 大前泰彦, 小林司 (訳)
『マンガ 脳科学入門―心はどこにある?』 講談社ブルーバックス A. ゲラトゥリ, O. サラーティ (著), 小林司 (訳)
『方向オンチの科学』 講談社ブルーバックス 新垣紀子, 野島久雄 (著)
『リラクセーション―緊張を自分で弛める法』 講談社ブルーバックス 成瀬悟策 (著)
『心はどのように遺伝するか―双生児が語る新しい遺伝観』 講談社ブルーバックス 安藤寿康 (著)
『超常現象をなぜ信じるのか―思い込みを生む「体験」のあやうさ』 講談社ブルーバックス 菊池聡 (著)
もうひとつ。
●『逆さめがねの左右学』 吉村浩一 (著)
http://www.hino.meisei-u.ac.jp/psy/yosimura/sayuugaku.html
近年,次々と注目すべき研究書を世に問うている著者が
ライフワークである「逆さめがね」研究から派生した「左と右」の問題を一般向けに解説した本。
心理学を趣味にする人にも仕事にする人にもおすすめします。