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ラテン語について

今,医学ラテン語について勉強しています。それでどうしても分からないことがあったので質問します。 奇静脈という静脈があり,ラテン語はVena azygosと書いてありました。azygosという語は名詞の後にあり形容詞のような感じもするのですが,語尾から考えても第1変化形容詞でも第2変化形容詞でもなさそうです。 azygosの品詞と,その活用を教えていただけると幸いです。 ご教授よろしくお願いします!!

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noname#122289
noname#122289
回答No.4

No.2です。 前回の回答でどうも引っかかるのでギリシャ語の大きい方の辞書(Liddell&Scott Greek-English Lexicon)を確認したら、αζυξの属格のαζυγοsとは別に、形容詞でαζυγοs(azygos)という語が記載されているのを見つけました。φλεψ αζυγοs vena azygos という用例が Gal.15.529 とありますからこれはガレーノス のことでしょう。 つまり、No.2での第3変化のαζυξの属格という回答は間違いでした。 azygosは形容詞の単数主格です。ギリシャ語のこのタイプの形容詞(つまり否定のa-で始まる)は男女同形(この場合は文法的には女性)です。「結びつきの無い」「未婚の」「(二つ一組にならず)単独の」という意味です。「奇妙なつながり方をした」という見方も出来ます。 以上訂正します。申し訳ありませんでした。 phleps azygosというギリシャ語をラテン語に翻訳してvena azygos となったのです。おそらくいくつかの理由でazygosは訳しにくかったのでしょう、ギリシャ語そのままの形で残ることになりました。 それにしてもガレーノスは紀元後2世紀の人です。その用語が今でも使われているとは! 医学ラテン語については特に専門的に勉強したことはありません。たまに翻訳の仕事で必要なのでステッドマンと看護学生向けの解剖学書は一冊持っていますが。結局のところ古典語の文法と語彙をしっかり身に付けるのが遠回りでも一番よい方法だと思います。なかなか時間をかけるのが難しいのですが。 ところでNo.3さんのインターネット検索でヒット数が少ないという件について少々。 「教えてgoo」「OKWeb」ではギリシャ語の気息記号・アクセント記号付きの文字は文字化けを起こすので記号を省略表記することにしています。本来αζυξの先頭のαには左向きの気息記号と鋭アクセントが付いています。unicodeで0x1f04です。これを補えばazyxは100件以上、azygosも各変化形合わせて同じくらいの数のヒットがあるはずです。

noname#24819
質問者

お礼

どうも丁寧なご回答ありがとうございました。 azygosはギリシャ語の形容詞なのですね。色々インターネット上や文献でも検索したのですが,全く分からなくて困っていました。 Vena azygosは日本語では『奇静脈』といい,体内での血管の走行が奇妙であることから付けられたのですが,azygosの由来もまた『奇なる』ものだったのですね。 ほんとうにありがとうございました。

その他の回答 (3)

回答No.3

αζυξという単語はギリシア語でもかなり出現頻度が低いようで、インターネット検索では参考URLのページしかヒットしませんでした。否定辞a-に語根zyg(くびき)が結合して派生した語です。ペアになっていないまたは孤立したものを表すようです。女性名詞ではないかと思うのですが、確認できませんでした。 ギリシア語の語として稀であるということは、ラテン語に移入されてからも使用頻度が低いと予想され、ラテン語ではagyzos以外の格形が文証されているかどうかは定かではありません。Vesaliusなる人物がvena absque coniugeという順当なラテン語名詞を提唱し(www.bmj.sk/2001/10203-08.PDF)たり、現代ヨーロッパ語では単数属格形ではなく形容詞が使われ(英:azygous vein)たりすることから見ても、azygos以外の形がラテン語として使われた可能性はかなり低いものと考えます。

参考URL:
http://gamesmuseum.uwaterloo.ca/Archives/Austin/index.html
noname#24819
質問者

お礼

どうもありがとうございます。 とても参考になりました。 確かに,azygosというギリシャ語が突然出てくると分かりにくいですよね。英語がazygous veinと「u」が入ってくることも疑問の一つだったのですが,それも解消できました。ありがとうございました。

noname#122289
noname#122289
回答No.2

ギリシャ語のαζυξ(azyx)は単数主格azyx、単数属格azygosという変化をする名詞です。この形の変化を第3変化子音幹のうち喉音幹といいます。そのままローマナイズしてラテン語化したものでしょう。 語幹はazyg-で、これに主格語尾の-sが付くとgs>ksという音韻変化が生じます。属格語尾-osが付くと-g-osのままです。

noname#24819
質問者

補足

早速のご回答ありがとうございます。 さらにいくつかご教授いただけるとうれしいです。 (1)azygosはギリシャ語からの移入語ということでしたが,ギリシャ語からの移入語の場合,単数は異形の変化を示すことがあっても,複数形の格語尾はラテン語化していることが多いと聞きます。azygosの場合,単数形はazyx, gosという異形の変化を示すようですが,ラテン語化したazygosの複数形の格変化はどうなるのでしょうか?ラテン語の第3変化名詞のような変化になるのでしょうか? (2)azygosは名詞ということでしたが,性はどうなるのでしょうか? (3)以前にも"nakanonanako"さんにはお世話になり,医学ラテン語にお詳しいようですが,医学ラテン語について分かりやすい本をご存知であれば,数冊薦めていただきたいです。 長々と質問してしまいましたが,よろしくお願いします。

  • trgovec
  • ベストアンサー率52% (2538/4879)
回答No.1

医学は専門ではないので、奇静脈とはどんなものなのかわかりませんし、azygos という単語も見たことがないのですが、これはギリシア語でしょう。zとyは本来のラテン語にはありません。os の語尾はラテン語の第二変化に相当するものですが(主格単数の場合)、語尾が vena と合っていませんので、属格と思われます。属格が os に終わる可能性としては参考URLの第3変化が考えられます。ギリシア語からの借入語は特殊な変化をしますので、正直言って見たこともない名詞の変化は自信がないのですが、一応表に従って変化させてみると 単主 azyx 単属 azygos 単与 azygi 単対 azyga 両主対呼 azyge 両属与 azygoin 複主 azyges 複属 azygon 複与 azyxi 複対 azygas やはりラテン語に入った場合の第3変化は想像付かないのでギリシア語の変化をさせてみました。第1、第2変化の場合は主格以外はラテン語の変化に従うようですが、申し訳ないのですが第3変化の変化は見たことがありません。

参考URL:
http://homepage1.nifty.com/suzuri/gg/ggk005.html
noname#24819
質問者

お礼

分かりやすいご説明ありがとうございました。 この単語についてはいろいろ調べたのですが,ギリシャ語からの移入語だったのですね。 お世話になりました。

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