どもども.
あまり神経心理学的なことは詳しくないのですが,参考になる書籍としてお勧めできるのは他の回答者の方も紹介されているRamachandran & Blakesleeの「脳の中の幽霊」です.他には本田仁視先生の「意識/無意識のサイエンス-症例と実験による心の解剖」が読みやすいと思います.
「体の一部を失ったとき」=「実際にあったもの(例えば腕)がなくなったとき」と考えれば,これらの書籍には幻肢を感じる患者の方がどのような感覚をもったのかということが記述されています.
ただ「体の一部を失ったとき」=「働きがなくなってしまった」と考えた時,つまり腕はあるけれども,脳損傷などで腕が動かなくなってしまった場合を考えるとなると,なかなか難しい問題もあるかなぁと思います(本田先生の本にはこの状態の人々のことも書いてあります).
下の例だとある脳の機能がなくなってしまっているとも考えることができ,「心理状態」の変化の原因は,腕が動かなくなってしまったためなのか,脳損傷のためなのかの区別が大変難しくなります.
また上の例でも,ある末梢器官(感覚器官)からの入力が脳に届かないということになるので,もしかしたらそこからの入力も「心理状態」に何らかの影響を及ぼしているかもしれません(この辺りに関しては何かわかっているかもしれませんが私は存じません).そのため腕がないことによるのか,腕からの入力が脳に到達しないためなのかも区別が難しいかもしれません.
これは私見ですが,「体の一部を失った」患者の方に接する機会が多く,その「心理状態」に詳しいと思われるのは,心理学を専門とされている方ではなく,医療関係の方,特にその患者の方のリハビリテーションをされている方だと思います.そのような方達がどのように患者の方と接しているのか?という本があればそちらをお探しになるとよいかと思います(こちらはお勧めできなくて申し訳ないです…)「医療」カテゴリや「福祉」カテゴリの「介護」あたりで改めて質問をなさると,適切な書籍を紹介してもらえるかもしれません.