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「高名の依頼人」と「高名な依頼人」の違いは?
コナン・ドイルの作品で「高名の依頼人」というのがあります。 このタイトルに少し違和感がありました。 ふつうは、「高名な依頼人」というのではないでしょうか? 両者の違いを教えてください。 わたしたの予想では、「高名の依頼人」は古い言い方だとおもいます。 よろしくお願いします。
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こんにちは、校閲などを生業とする者(「専門家」にチェックしましたが、その程度です)です。 シャーロック・ホームズの「Illustrious Client」ですね。 ご質問ですが、とりあえず文脈を無視すれば、「高名の依頼人」と「高名な依頼人」は、どちらもふつうの言い方といって差し支えありません。 職業柄つい辞書を引いてしまうんですが、岩波の国語辞典には「高名」の項目に「…なの形でも使う」とありますし、三省堂『大辞林』だと「名詞、形容動詞」と分類されています。 派生関係にあるのかもしれないと考えましたが、小学館『日本国語大辞典』によると平安時代から名詞でも形容動詞としても使われているようですね。だからどちらかが古い言い方、ということもありません。 というわけで、「高名だ」という形容動詞の連体形で「高名な」としてもいいですし、「高名」という名詞に助詞の「の」を付けてもいいのです。 ただ、あくまで推察であることをお断りしておきますが、形容動詞を使って「高名な依頼人」と書くと、「高名な」が「依頼人」に直接係っていく構造になるので、まるで「依頼人として高名な人」というように感じる可能性があります。 しかし、おそらくそういう話ではないですよね。この場合、依頼人がなんらかのジャンルで評判の高い人のわけです。言い換えると「高名である依頼人」。 もちろん形容動詞を使うことが間違いなのではありませんが、小説の意味を表すなら、「高名な」ではなく「高名の」を使う方がより適当だという判断が働いたのかもしれません。こればかりは翻訳者(と、あるいは編集者)の感覚ひとつですからね。 ただ、校閲者としてなら、「高名な」でも「高名の」でも、それにチェックを入れて直すよう要求する、ということは絶対にありません。
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- sosdada
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「高名の依頼人」の正体は確かワトソンにすら明かさなかったはずで、誰もがその名を知っている王族と思われます。ところが「高名な」にすると「その人が依頼をしたことが有名である」という意味になってしまいます。シャーロックシリーズは新潮文庫の延原謙の訳が一番時代を出していて定評があります。日本なら明治っぽい台詞回しが多用されてますし。延原氏を信じましょう
- patofu
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「高名な依頼人」って、依頼人として高名な人となりますよ。 どんだけすごい依頼を出すねん、ってツッコミたくなりますね。 この依頼人は、他の分野で高名のはず(作品を読んでいないので分からないけど)。 依頼人自身を形容するには、「の」を使う方が正しいと思います。
- hakobulu
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根拠の無い感覚的な答えになります。 1、高名な依頼人: まず「依頼人」ということが主眼です。どんな依頼人かと言えば「高名な人」です、というニュアンス。 2、高名の依頼人: 依頼人は依頼人だが「高名である」ことに主眼が置かれている。 その依頼人を形容するのに「高名」であることを最も強調したい場合の表現のように思います。 どちらでも意味は通じるのでしょうが、「依頼人=高名」という図式をより強調したい場合には効果的な表現かもしれません。 他の例を考えてみたのですが、非常に謙虚な人を表現するのに「謙虚な人」よりも「謙虚の人」の方がインパクトが強いような気もします。