個人的には、避けられなかったと思います。
なぜなら、冷戦の本質は「資本主義 対 共産主義」ではなく、先進国英米に対する途上国ソ連、中国の挑戦だったと思うからです。
経済史的にみると、産業革命が起きて機械で大量生産が可能になり、大型の鉄道、船、飛行機で輸送できるようになってから、自国の生産品を売るための市場を持って儲けたいとどの国も考えました。
当初は、英・仏が中心でしたが、後に米・独・露・日なども力をつけてくると、空いた土地もなくなり、あとは奪いあいの繰り返しでした。
第一次世界大戦で英・米は独の挑戦を退け、第二次大戦では日独の挑戦を退けました。
この間にも、英仏はジリ貧となってしまい、米と真っ向から対抗できる体力を失ってしまいます。
戦争で負けた日独も米に屈し、基本的に同じ土俵で米に対抗できる相手はいなくなりました。
そこで、ソ連・中国は、米=資本主義=労働者をいじめる悪の社会とし、共産主義=労働者、一般人が中心の善の社会と仕立て上げ、世界の一般人の世論を巻き込みながら米に対抗しようとした、と捉えることができるのではないかと思います。
結局、冷戦はソ連の崩壊で終わりましたが、ロシア・中国とも、今のところ米に歯向かう気はないようです。
唯一、現在米に対抗しようとしている勢力にイスラムがありますが、一致団結している訳ではないですし、体力差がありすぎて、テロでしか渡り合えない状況です。