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「自然は跳躍せず」について
自然は跳躍(飛躍)せず,誰が最初に言ったのでしょうか? リンネの言葉でしょうか?ライプニッツが最初に言ったのですか? ライエル・・・? 自然の漸進主義的な考え方(漸移観?)は,その根拠はどこからきているのですか?
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「自然は飛躍せず」 "Natura non facit saltum" (ラテン語) スウェーデンの博物学者(植物)カール・フォン・ リンネ(1707-78) の言葉とするのが一般的でしょう。 このような考え方の根源は、古代ギリシャ哲学の アリストテレスまで遡ることができます。 また、リンネ以前にもライプニッツも似たようなことを いっています。 ラテン語のことわざという説もあります。 http://www.shikoda.org/proverb9.htm この言葉が脚光をあびた科学史上の事件は、 1.ダーウィンの進化論 2.量子力学の提唱 です。 1.ダーウィンの進化論は、「自然は飛躍せず」という思想に強くサポートされていました。教会の、人間は特殊な存在である、という考えに対抗する考え方として、「自然は飛躍せず」は、人間といえども徐々に進化してこうなったという考え方を支持しました。 2.逆に量子力学が提唱されて、エネルギー(もしくは一般に自然の状態)がとびとびの値をとる、といったとき、「自然は飛躍せず」という思想は、これを真っ向から否定しました。一方、量子力学を提唱した人達(とくにボーア)の自然思想の根拠となったのは、キルケゴールの哲学や、弁証法といった飛躍の思想です。
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- chukanshi
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>「生物学は自分自身の環境や,個人的な価値観と直接な関連を持つことが >たくさんある.」と,何かの本に書いてありました.人間活動としての科学, >を意識していて,そのようなことに関心があり,今回質問させていただきまし >た。 わたしも、生物学の発展と人間の価値観に興味を持っています。 ダーウィンの進化論は、イギリスの産業革命以来社会発展が目覚しく、人間は向上していくのだという考えにマッチしていました。そして優れた勝者が生き残ると。 しかし、現代の分子生物学では、むしろ中立的なものが分子生物学レベルではのこるということが明らかになっています。この先駆者が日本の木村先生です。(皮肉なことに、ダーウィンメダルを受賞なさいました。)みんな発展のし過ぎにつかれて、中庸なものが生きのこるというかんがえに共感しているのではないでしょうか?
- chukanshi
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>新種が突然に(当然に)生じることは,ダーウィンにとって創造主義を >はっきりと受容することのように思われたんですよね? >では、リンネが「自然は飛躍せず」と考えていたのはどういう理由からでしょう >か。 >リンネは世界が神の創造によると考えていたんですよね。 >ギリシャ哲学の中から,答えが見つかります? 私は不勉強で、リンネとダーウィンの進化論との深い葛藤があるということを詳しく知りませんでした。 しかし、やはり勉強するとその辺のところが複雑で、なんとも一言では説明できない感じがあります。 私の勉強したページを以下に紹介しておきますので、参考になさってください。今回のご質問で、私も 随分と再勉強させていただきました。思想は単純ではないですね。あとから見るとこの人は矛盾して いるということもおおくありますよね。 http://www.ipe.tsukuba.ac.jp/~s965525/Daw.html#Lin
お礼
ご丁寧にどうもありがとうございます。 chukanshiさんのように,よく勉強されている方でも難しいことなのですね。 ということは、私がすぐに説明(理解)できるわけがないんだ(!) 勉強しなくては・・・。 「生物学は自分自身の環境や,個人的な価値観と直接な関連を持つことが たくさんある.」と,何かの本に書いてありました.人間活動としての科学, を意識していて,そのようなことに関心があり,今回質問させていただきました。 ご回答ありがとうございました。感謝します。
お礼
どうもありがとうございました. ものすごく参考になりました. 新種が突然に(当然に)生じることは,ダーウィンにとって創造主義を はっきりと受容することのように思われたんですよね? では、リンネが「自然は飛躍せず」と考えていたのはどういう理由からでしょうか。 リンネは世界が神の創造によると考えていたんですよね。 ギリシャ哲学の中から,答えが見つかります?