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ひずみ波交流回路について
コイルωL=6Ω、抵抗R=8Ωを並列に接続した回路に、並列回路に流入する 全電流i(t)=20+40√2 sinωt+60√2 sin3ωt(A)を流したとき、 (1)抵抗に流れる直流電流と、 (2)抵抗に流れる基本波電流実効値はどうなるのでしょうか? ひずみ波に直流分があるので解き方が良く分かりません。 おわかりの方はぜひご教授ください。
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arishuさん、こんにちは。 電気回路で重要な概念の一つに「線形(線形回路)」というものがあります。線形の回路では入力をa倍にすると出力もa倍になり、またbという入力とcという入力を重ね合わせて入力すると、出力は「入力bのときの出力+入力cの時の出力」の重ね合わせになります。 これは「重ね合わせの定理」などと呼ばれ、実際の回路計算でも頻繁に使われます。 さてこの問題ですが、コイル・抵抗とも線形素子ですからまさにこの「重ね合わせの定理」を使うことができます。 合計電流を求める場合 i(t)=20+40√2 sinωt+60√2 sin3ωt(A) を i1(t)=20 [A} i2(t)=40√2 sinωt [A] i3(t)=60√2 sin3ωt [A] と分解してそれぞれについて解き、最後に全部足し合わせればよいのです。 (1)直流分に対して コイルのリアクタンスは0ですから、並列接続であればコイルに全電流の20 [A]がそのまま流れます。抵抗には直流分は流れません。 (2)基本波成分 基本波の実効値についてしか訊かれていませんから、上記の「重ねの理」に従えば、当該回路に i2(t)=40√2 sinωt [A] の電流を流したときに、抵抗に流れる電流を求める問題に帰着されます。これでしたら簡単に解けることと思います。 実効値の定義に立ち返りますと、与えられた電流の2乗を作って1周期T(基本波の1周期)積分し、これをTで除してから平方根を取るということになります。しかしこの問題では基本波の実効値だけを訊ねられていますから、特に積分する必要もなく、直流成分や高調波成分との干渉を気にする必要もありません。 以下はこの問題を解くのに直接は必要ありませんが、参考までに。 一般に、 A0+A1 sin ωt + A2 sin 2ωt + A3 sin 3ωt + A4 sin 4ωt +...... と表される波形があったとき(電流でも電圧でもよい)、その実効値は √(A0^2 + A1^2 + A2^2 + A3^2 + A4^2 +.....) の自乗和の平方根で表されます。 になります。(実効値の定義に立ち戻れば容易に求められます。補助定理としてn,mを整数としてn≠mのとき、∫sin nωt・cos mωt dt=0 (積分区間は0~1/ω)であることを使います。)
お礼
直流電流は抵抗には流れないのですね。 よくよく考えてみればそうでした。 お答えありがとうございました。