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STMが役に立つのは・・・
走査型トンネル顕微鏡はどんな分野で役に立つのでしょうか?大学の研究で固体の表面を観察したり電子状態を調べたりすることは学術的な研究として意味があるのでしょうけど、産業的には・・・という感じがします。 具体的にどんな分野に使われているのか?もしくは役に立ちそうか?知っている方いましたら、よろしくお願いします。
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公的な研究機関で材料研究をやっているものです。 今はSTMより、類似のAFM(原子間力顕微鏡)を中心とした種々の複合システムとしてSPM(走査型プローブ顕微鏡)と言う名前で商品化されています。 今は他の顕微鏡同様に当たり前の測定道具として幅広く使われてきてますよ。かつては、SPM専門の研究者中心でしたけど、今は私のような材料研究者でも比較的気軽に使える汎用装置になってます。 我々が主に使う目的としては、 1.薄膜材料などの表面粗さの評価。(多層膜構造の電子デバイスには非常に重要な情報になります) 2.ナノ材料の形態観察。(電子顕微鏡のように真空中に試料を入れる必要がないので、水分を含む試料には最適。また、走査型電子顕微鏡より分解能が良くてコンパクト。AFMの場合には、試料が絶縁体でも問題なく、電子顕微鏡より便利。) 3.材料の表面構造の精密観察。(表面を微細加工した試料などで、ナノレベルのサイズ測定が可能です) 4.電気伝導性、磁区観察、誘電性、試料の温度変化など、多様な物性評価の組み合わせ観察。(電子デバイスでの絶縁層の品質評価。磁気記録材料評価。ミクロンレベル以下のサイズの領域に対して、このような多様な物性評価を組み合わせられる市販品の観察手法は他にないと思います) などの使い方をしており、特にいま流行のナノ材料の開発には、電子顕微鏡と共に必要不可欠な観察装置となっています。
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- mmmmsato
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産業的にというのは量産されている製品に対して利用するということでよろしいでしょうか? だとするとないと思います。 なぜなら、面倒だからです。STMで観察するためには一般的に洗浄、超高真空が必要です。 イメージとして2~3日間くらい一枚の試料に時間を割いていいのなら測定に意味があると思いますが、量産にはなかなかついていけません。 さらに評価領域がnmオーダーですから大きいものを評価するのには向きません・・・ もうひとつ原子レベルの凹凸を測定できるものですので、逆に言えば大きな凸凹のものを測定できません。世の中なかなか原子オーダーで平らなものはありませんので・・・ 流行はAFMです。真空にしなくてもいいからです。ただし、AFMも測定に数十分~数時間を要するため、なかなか量産には耐えられません。 一般的には分解能がだいぶ落ちますが、干渉顕微鏡などで表面を評価します。これだと数秒~数分で終わります。 STMをどんなことに使うの?ということですが、結構使えます。表面の状態を原子のレベルで直接的に調べる事に関してはSTMがNo.1です。ここで詳しく書くことができないのでSTMで検索してみてくださいね。 ほとんど主観ですのであしからず。
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- sekisei
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もしくは役に立ちそうか?というレベルですが・・・ 集積回路関係の技術開発で役に立っているかも知れません。 年々集積回路の集積度は上がっているのですが、回路が形成されるSi基盤の結晶状態(欠陥とか)は、その上にアルミの配線が綺麗に乗るためには邪魔になりますし、乗せたアルミ配線の結晶状態も品質に非常にかかわってきます。 例えばアルミ配線の途中に結晶の不連続な部分があるとそこで配線が切れたり余計な抵抗になったりすると思います。 そこでさまざまな技術でそういった欠陥をなくす手法が開発されるのですが、それを評価するのにSTMは使えるのでは・・と思います。 (大学のとき少しそういう内容にふれたのであくまでも予想ですが・・) 恐らく今は単電子デバイスなどが開発中ですので、その辺の評価で使われているかも知れません。(研究開発レベルでは使われているようです) STMで原子レベルで配線する技術も開発中のようです。
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お返事が遅くなり、申し訳ありません。ありがとうございました。
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