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ホールもトンネルしますか?
大学で研究しております。あまり物理のお勉強は得意ではありませんでした。 電子がトンネルするというのは大学の授業でもならいましたし、トンネル効果ダイオードや走査トンネル顕微鏡などというものもあってなんとなく納得していました。 最近ふと、ホールもトンネルするのだろうか?という疑問を持ちました。 固体内で考えると電子もホールも少し有効質量が違って符号が違うだけでよく似た波動関数で記述出来るような気がしますので、トンネルとは量子状態がしみだすという考え方をすると、なんとなくホールもトンネルしそうな気がします。 しかし電子にはやはり電子という実態がありますが、ホールは何かの中にあいた隙間のようなイメージがあり、何もないものがトンネル出来るのか?と疑問に思います。 例えば金属とp型半導体との間のトンネルはこれまで絶対電子がトンネルしていると考えていました。 しかし導電性のかなりあるようなP型半導体同士を近くくっつけてそれなりの電位差をかけるとトンネル効果が起こり、電流が検出されると思思います。そのときそのP型半導体間を飛び移るのははたして電子なのでしょうか、それともホールなのでしょうか・・・・。 後者のケースがホールだとしたら前者のケースは電子かホールをどうやって見分けたらいいのでしょうか・・・。 悩んでます。なにかヒントだけでもありましたら下さい。 よろしくお願いします。
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- nzw
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ホールもトンネルします。単一ホールトランジスタなどでは、ホールのトネリングを利用します。 さて、結晶中の自由電子は実在だが、ホールは仮想的な存在だと思われているのであれば、それは間違いです。どちらも、対等な存在であり、後者を仮想的な存在であるとするならば前者もそうであり、前者を実在するというなら後者も実在します。 結晶は多数の原子核と(本物の)電子から構成されています。結晶内の電子は、原子核による引力、電子間の反発力など多数の複雑な相互作用を受けています。また、原子核は空間的に離散的に存在しており、それが作るポテンシャル場は空間的に均一ではありません。また、結晶場にとらわれているからこそ、電子が結晶から出て行く事はないのです。ですから、本来結晶中の電子が、自由空間中の電子と同じように振る舞う必然性は全くありません。たとえば、水素原子中の電子は、自由電子のようには振る舞っていませんよね。 有効質量近似されている結晶中の自由電子は、自由空間中の電子と同じ形のシュレーディンガー方程式に従っていますが、その中身は大きく異なります。前者は、実際にはブロッホ関数の包絡線が従っている方程式です。そのため、グラフェンやカーボンナノチューブなどの自由電子では、有効質量が0となり、シュレーディンガー方程式ではなくディラック方程式に従うようなことも生じます。 半導体における自由電子と正孔の関係は、自由空間における電子と陽電子の関係と同じです。後者は真空場を基底として、それに電子の生成消滅演算が作用したものですが、前者は非励起状態の結晶を基底として、それに自由電子の生成消滅演算が作用したものです。(ボソンとフェルミオンの違いはありますが)フォノンやマグノンのように、結晶中の素励起の一種と捉えるべき存在です。
- eatern27
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「電子が物質Aから物質Bにトンネル(に限らず移動)した」という状況を、ホール(非占有軌道)に注目してみれば「ホールが物質Bから物質Aにトンネル(移動)した」という風に見えるでしょう?
ファインマン図で考えると陽電子がトンネルすることと等価に思えます。