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ナマケモノってどうして進化の過程で生き残っているのでしょうか
進化というのは、生き物が環境に適応していくということだと思います。でも、ナマケモノは結構大きくて、しかもあんなにのろい動きなのに、弱肉強食の世界を勝ち抜いて(?)今日まで生き残っているのはどうしてなのでしょうか。爪が強いと聞いたことはあるのですが、それだけで、自然淘汰されていく進化の過程を生き延びられるものなのでしょうか。 以前、襲われたらテレパシーのような特殊な電波を出して敵を追い払うと聞いたことがあるのですが、本当なのでしょうか。
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僕らが生き残った理由(各論)はもう人間さんたちに完璧に説明して貰えたので、総論の話をします。念のために言っておきますが、僕らはそんなエスパーみたいなことはできません。 『動きが速ければ良くて、遅ければ悪い』なんて、生物の世界はそんな単純なものではないんですよ。『他のヤツらがやらないことをやる』――それが世界に自分の居場所(生態学では生態的地位ecological nicheと言う)を確保するための鉄則なのです。僕らが毒のある葉っぱを食べるのも、その一例です。 弱肉強食の世界では弱いものは滅びる? そんなことはありません。だって、弱いものがいなくなったら強いものは食べ物が無くなるじゃないですか。だから食べる方も、滅ぼさない範囲内でしか食べないのです。むしろ、強者の宿命について考えて欲しいものです。6億年前に動物と呼べるものが登場して以来、各時代時代に生態系の頂点に君臨した動物種は、必ず絶滅しているのです。自らの地位に甘んじて進化をやめてしまうからです。現在生態系の頂点に君臨している動物も......あ、失礼しました。 光合成するよりも、食べる方が栄養を効率的に摂取できますが、だからと言って、世の中動物ばっかりになったらどうですか? そんな世界は存立し得ないでしょう。 細菌だって、必要とされているから存在しているんです。彼らがいなければ地球は死体と排泄物で埋め尽くされてしまうでしょう。 強いとか大きいとか速いとか、それだけじゃないんです。この星の命はみんな、個性で自分の居場所を勝ち取ったからこそ、今ここにいるんです。一度も滅びずにここまで生き残って、進化してくることが、どれだけ大変なことだったか。動物も植物も細菌も、みんな40億年の試練を勝ち残った超エリートなんですね。生命に優劣なんてないんですよ。 人間さんは、短期間に爆発的に数を増やして世界中に拡がったため、他種に類を見ないほど遺伝的に均質な動物になったのだそうですね。人種によるDNAの差なんて、チンパンジーさんで数十km離れた隣の群れを比較した差よりも小さいと言うのですから。その中にあるほんの小さな小さな差のために差別や戦争がなくならないのは本当に悲しいことです。僕らのように、「個性の赴くまま、ただ生きてるだけ」、ということの大切さを、人間さんたちにも見直して貰いたいですね。 以上、ナマケモノでした。
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- russy1
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生物は環境が確保されていれば滅びないらしいです。ナマケモノは、きっと環境が長い間変わらずに現在に至ったのではないでしょうか。
お礼
なるほど、環境の方が変わらない、ということもあるのですね。 皆様から丁寧な回答をお寄せいただき、ありがとうございました。お礼が遅くなりましたことお詫び申し上げます。 皆様の説明を読みながら、自然界は強いものだけが生き残るわけではない、改めてそのことをかみしめています。たかがナマケモノ、されどナマケモノ。生き物一つからでも、生物界、地球の歴史、人間の生き方…いろいろなものが見えてくるのですね。
- nozomi500
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以前に聞いた話では、 「保護色」で守られている動物は、動きが遅い方が敵に見つかりにくい、ということです。 たぶん、「すばしこいナマケモノ」も進化の過程で登場したけれど、そっちのほうが先に淘汰されたのではないでしょうか。(もちろん、敵に襲われるだけでなく、エネルギー効率や生殖能力も含めて)
お礼
敵に見つかりにくい、というのも大事な要素ですよね、確かに。 すばしこい方が淘汰される、それも有り、ですか。自然界の不思議(当然の摂理?)でしょうか。
- baihu
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ナマケモノという種が今まで生存してきた理由は、参考URLにいくつか載っています。 進化の流れの中での生き残り戦略は、力の強さや素早さ、凶暴さなどだけではありません。戦わずに済む暮らし方を身に付けていることも、ひとつのタクティクスです。 それに、「たまたま」天敵が来ない場所で繁殖しているというような“運”だって、現代に生き延びている種は少なからず持っているはずです。すっごい強力な脚力や鋭利な牙を持っていながら、「たまたま」それより少し強い種がそばに移り住んできたとか、「たまたま」天変地異で全滅したとか、“不運”ゆえに滅んだ種は数限りなくありました。
お礼
運、ですか。確かにそうかもしれません。 自然は大きい、そして計り知れないものなのですね。
生き抜いてきた理由として、主に食している「セクロピア」という毒素の強い植物がナマケモノしか食べないというのも理由だと思います。 他の動物はこの植物の毒素を分解できないので、ナマケモノはこの植物を見つけるとそこから動く必要が無くなります。 ナマケモノの動きがトロいのは、この毒素を分解するためで、体の中でエネルギーを使うので、体は最小限にしか動かさないというのが理由です。 動物園のナマケモノは色々食べるようですけど。 他の動物に餌を取られる事が無い(食料確保)、木の上にいつもいる(地上より安全)、排泄はわざわざ降りてトイレでする(排泄物の匂いで敵に居場所が特定されない、と私は思う)などが生き抜いてきた理由だと思います。 ナマケモノは子供が生まれると自分のテリトリーを子供に譲り、親が別の場所に移動するそうです。 子供は大人よりも狙われやすいでしょうし、そうやって子孫を残すために危険なリスクを少なくしているんでしょう。 ちなみにナマケモノは地上での動きはトロいですが、泳ぎは達者です。 以前テレビで泳ぐ姿を見たことがありますが、泳ぐのが早くてビックリしました。
お礼
詳しい回答をありがとうございます。 やはり、理由というのはあるものなのですね。 ナマケモノが泳ぐとは初耳でした。いつも木にぶら下がっているのかと思いました。
- foobar
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感覚的にですが 体が大きい→捕食者が限定される 樹上生活→同じく捕食者が限定される 通常はゆっくりとした動作→摂取するエネルギーが比較的少なくて済む(体が大きいと、体積あたりの体表面積が小さくなるので、これも摂取エネルギ低減に効果があるかも) という具合に、それぞれ、生きのこるのに際してのメリットはあるように思います。
お礼
捕食者が限定される、ですか。なるほど。そういうこともあるのですね。
お礼
詳細な説明をありがとうございます。 『他のヤツらがやらないことをやる』、弱いものがいなくなったら強いものは食べ物が無くなる、生態系の頂点に君臨した動物種は必ず絶滅、個性で自分の居場所を勝ち取ったからこそ今ここにいる、人間は他種に類を見ないほど遺伝的に均質な動物…どれも、目からうろこが落ちるような説明でした。そうなのですか。おっしゃるとおり、「生命に優劣なんてない」んですね。 後半の文章、心に染み入りました。ありがとうございました。