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STMの熱ドリフトについて
結晶の表面をSTMで観察をしている論文の中にでてきた事なのですが・・・ X線回折測定で決定した単位格子とSTMで観察した単位格子に差が生じて、これは熱ドリフトによるものらしいのですが、これがよくわりません。熱ドリフトとは何なのか?あと、熱ドリフトがあるとなぜ差が出てくるのか教えてください。ちなみに論文ではSTMで観察した単位格子の方が大きくなっています。 よろしくお願いします。
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STMの専門家では無いのですが、類似装置のAFMは使ったことが有ります。 ただし、原子像を見るほどの高分解能観察の経験は有りません。 おそらく、この場合の熱ドリフトとは、試料ステージのドリフトのことではないでしょうか? 私が観察した数十nmレベルの精度でも、観察中にイメージが一定方向へどんどんと流れてました。 STMのスキャン方向とドリフト方向が同じだった場合、動いていく原子を追っかけながらイメージを撮るようなものなので、ドリフト方向が実際より伸びた測定になると思います。 ドリフトの原因が、装置内部の発熱によりステージの位置制御系が安定しないためか、あるいはピエゾ素子そのものが温度変化の影響を直接受けているのかは分かりませんが。 あと、ドリフトとは別に、STMは試料の表面原子の並びを見ていますが、X線回折は試料全体の平均測定になりますので、測定結果にわずかな違いが出ても不思議は有りません。 物質にもよりますが、一般的には物質の表面の原子間隔は多少内部より大きくなっていると言われています。 内部の原子と違って、表面原子は片側にお仲間がいませんから、本来の原子位置に止めておく力が少し弱まるためです。
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- chiaki_primary
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No1のコメントでほとんど全てなんですが、蛇足を。 STM像を見たときに、ある方向に伸びたように見える場合は、 試料や試料ステージ、ピエゾの熱ドリフトや、 コントローラーの電圧ドリフトで、 原子レベルですのでよくあることです。 像全体が等方的に大きくなっている場合や 小さくなっている場合は、 サイズの校正がきちんとできてないと考えられます。 ピエゾの移動量は経年変化や温度などで変わりやすいので、 全体に大きくなることもよくあります。 ドリフトなら一方向に流れるだけなので、 方向によって格子間隔が変わってくるはずで、 サイズ校正がおかしいのとは明白に区別できます。
お礼
ありがとうございます。ピエゾ次第で像が変わってしまうのですね・・・まったく知りませんでした。
お礼
ありがとうございます。大変参考になりました。参考書などを読んでみましたら、表面では結晶構造が変わる(表面再構成?)ようなことが書いてありました。