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ヴィーダーマイヤー様式
ドイツ、オーストリアの建築様式のひとつとして、 ヴィーダーマイヤー様式というのがあるそうです。 具体的にどういう様式なのでしょうか。
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結論から言えば、ビーダーマイヤーの様式とは、19世紀中ごろの市民生活の風情を体現するような様式です。 ビーダーマイヤーという概念自体は、1848年から49年に、ゴットリープ・ビーダーマイヤー(Gottlieb Biedermeier)という仮名の人物により生み出されました。彼は、「Biedermanns Abendgemütlichkeit」と「Bummelmeiers Klage」というヨゼフ・ヴィクトアー(Joseph Victor) が1848年に著した二つの詩から言葉を合成して作り出したのです。 ビーダーマイヤー(der Biedermeier 小市民 / das Biedermeier ビーダーマイヤー様式) の意味は、本来は、「愚直な(bieder)、山田(Meier)さん」のような感じです。なので、小市民や、小市民的な様式を表す言葉となりました。 もちろん、山田ではなく、田中でも佐藤でもいいのですが、とにかく、典型的な姓で人を表しています。〔たとえば、山田太郎とか。ちなみに太郎にはHansが対応すると思います〕 ビーダーマイヤー期は、だいたい1815年のウィーン会議から1848年の革命期くらいまでと言われ、その時期の市民の住居文化と芸術、そして特に文学に関連していますが、言葉のもともとの意味からすれば、「やぼな、平凡な、じみな」、という印象の様式です。 しかし、現代の日本人である私から見れば、美しい様式だと思いますが。 また、特に文学においてこの様式が問題となりますが、この時期の作家で有名な人は、フランツ・グリルパルツァー(Franz Grillparzers)やアーダルベルト・シュティフター(Adalbert Stifter)などがいます。 ビーダーマイヤーとグリルパルツァーで検索したところ、 建築などにも言及しているサイトがありましたので、こちらを参照してください。 http://www.a4j.at/theme/biedermeier.html また、シュティフターがどのように市民の日常を描いたというのが、『晩夏』に見られます。記憶違いでなければ、ニーチェはこの小説を高く評価していたような気がしますが、私はこう平坦なものを最後まで読み通す勇気がありません。しかし、最近新しく翻訳されて出版されました。建築とは直接関係ありませんが、時代時代の文化の特徴を最もよく示すのは文学ですので(残念ながら哲学や美術ではなく)、よろしければ書評でもご覧になってください。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480039449/qid=1130494521/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-8506716-8470722
お礼
詳しい回答有難うございました。私も最初のURLは 読んでビーダーマイヤー様式と称する建築を写真で見 たのですが、何だか全く普通の家にいしか見えません でした。ニーチェが絡んでいるとは新しい発見です。 小市民的なものということは、この頃から貴族の凋落 が始まっていますから納得です。 ビーダアーマイヤー様式の食器がHPに出ていました が、あれでも簡素になったのですね。