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摩擦と熱について
運動エネルギーは摩擦にともなって熱エネルギーに変換されるそうですが、冷たい缶ジュースを振りつづけると温かくなりますか?
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理論上は温かくなりますが, 実際に観測するのはなかなか難しいのではないかと思います. 缶ジュースを振り続けたために温度が上がったかどうか見るためには, 厳密には断熱しておかなければなりません. 下手をすると, 周囲から熱が入るために温度が上がる方の効果が大きかったりしかねません. 振り回すと次々新しい空気に接するわけですから, 温まるのも速いわけです. ちょっと概算してみましょう. 人間の最大馬力は0.2~0.3馬力などと言われていますが,これは瞬間値でしょう. また,足は相当力が出ますが,腕や手は足に比べればずいぶん力が劣ります. 缶ジュースを振る馬力を 0.01 馬力くらいとしてみますか. これは約 7[W] に相当します. 1[W] = 1[J/s] です. 1 [cal] = 4.2 [J] ですから,腕力で 2 [cal/s] 行かないか位ですか. ジュースと水は少し比熱が違うでしょうが,同じとしちゃいましょう. 350 [ml] のジュースを 1℃ 温度を上げるのに必要な熱量は 350 [cal] ですから,350 [cal] ÷ 2 [cal/s] = 175 [s] ≒ 3 [分] くらいかかりますね. さらに,ジュースがポチャポチャ音を立てる分にもネルギーは取られるし, 空気を切る分にもやはりエネルギーを取られます. そうすると,3分よりもっとかかりそうです. 前にも「やかんを叩くと温度が上がるか」という質問 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=122928 がありました. そのときの私の回答でも似たような計算をしたのですが, 人間のパワーを 0.1馬力としたのはどうも過大評価だったような気がします. 手はそんなに力は出ませんし,すぐ疲れちゃいますよね.
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- hagiwara_m
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コメントさせて下さい。 一般の温度という概念を純粋力学的に定義することは、実は、かなり困難です(だからこそ熱力学という体系が存在する)。接触する相手の内部構造に関わらず、体系間でエネルギーをやりとりし得る機構を考えねばなりませんし、体系内部の熱平衡状態のミクロな意味付けの問題も関わってきます。こうしたわけで、教科書等の説明にもかなり誤解を招きやすい記述がありますので、気をつける必要があります。-脱線をいたしました- (かなり妙ですが)こんなモデルで考えると、ジュースに何が起こるかの意味を考えやすいのではないでしょうか。冷蔵庫の中に入って実験します。缶は、断熱性のいい(例えば発泡スチロールの)容器に変え、その形は1mほどの長さの細長い閉じた筒状(蛍光灯状)とします。容器の質量は無視できるほど小さいことにします。容器の容積よりかなり少ない100ccのジュースを中に入れます。これを立てておいて、えいやっとひっくり返します。ジュースは、約1ジュールの力学的エネルギーを持って容器内を落下していくことになりますね。ジュースが落下して、容器の底にぶつかるとどうなるでしょう。力学的エネルギーが保存するなら、ジュースは底面と弾性衝突して、また1mの高さまで跳ね上がってくることになりますが、そんなことは考えられません。ほとんどすぐに静かに底に溜まってしまうでしょう。1ジュールのエネルギーは、熱に姿を変えてしまうのです(散逸するといいます)。 (以下はsiegmundさんのお答えとほとんど同じことですが) この一回のプロセスで、ジュースはどれぐらい暖かくなるでしょう。約4.18ジュールのエネルギーが熱になると、水1gを1℃上げられることが分っています。そこで、ジュースの熱的性質が水と同じとすれば、0.002℃だけ上昇するものと見積もれます。エネルギーがジュースの温度上昇以外には一切使われないと考えても、この程度です。
- chukanshi
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運動エネルギーと熱エネルギーの定義から考えましょう。 運動エネルギーとは、物体の重心の運動に伴うエネルギーです。 熱エネルギーは、物体を構成している粒子が、物体の重心の 運動とは別に乱雑に運動していることによるエネルギーです。 運動エネルギーが摩擦にともなって熱エネルギーに変換される ということは、物体の重心の運動によるエネルギーが、物体を 構成する粒子の乱雑な運動のエネルギーに変換される ということです。 「缶ジュース」一体として考えると、振ることによって「缶ジュース」の 重心運動が変化していると考えられます。したがって、この運動が止まる ときは、「缶ジュース」と「外界」(例えば空気)との摩擦により、 熱エネルギーが発生しますが、ほとんどは 「熱浴」である空気に熱は奪われてしまうでしょう。 また、ジュースは液体なので、ジュースを構成する分子は、初めから 乱雑な運動をしていて、缶を振ることによって、分子レベルでの、 運動の乱雑さや、その乱雑な運動が激しくはならないと思います。 したがって、熱エネルギーは「缶ジュース」を「外界」から きり離したときのみ発生するわけですが、「外界」がなくなると 摩擦も起きなくなります。 結局以上の考察をまとめると、缶ジュースを振りつづけても温度は あがらないということになります。 ただし、手で持っていることによる、手からの熱エネルギーはないと します。
- ryuiti
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なります。手から熱が伝わらないと仮定しても温度は上がります。ただし、缶の中の液体が出来るだけぐるぐる移動するように振ることが大切でしょう。物理の単位でジュールというものがありますが、これは自然落下する物体に糸をつけて、風車のようなものに捲きつけておいてこれを水中で回転するようにセットし水温が一度上がることに要した落下距離と熱との関係を決める単位なのです。運動エネルギーを熱エネルギーに換えるにはかなりの運動を要します。試してみてください。
お礼
回答して頂いた皆様どうもありがとうございました。結局人間の手だけでは至難の業ということですね。