熱力学における運動エネルギーと熱について

質問

熱力学において，運動エネルギーをすべて熱に変換することは可能なのでしょうか．

摩擦によって熱に変わるとして，それは総て変換されるのかどうかがわかりません．

回答No.2

drmuraberg

そう簡単ではありません。

運動している粒子からエネルギを温度の形で奪うと、粒子の速度は低下します。
エネルギが低くなる（温度が低くなる）にしたがって、粒子間距離は詰まり気体は液体になり、
さらに低温では固体になります。
固体の状態でも粒子は振動していますが、絶対０度になっても振動し続けます。
「零点振動」と言う「量子力学」で説明される現象です。
絶対零度でも粒子はまだ「振動の運動エネルギ」を持つている訳ですが、これから
エネルギを取出すことはもはやできません。もしできると、量子力学の「不確定性原理」の
要請に反し、量子統計力学的にも「永久機関」が可能になるからです。

古典的な「熱力学」では運動エネルギの熱エネルギへの変換（エネルギの取出し）は
できるかも知れませんが、「熱力学」の基礎となる「統計熱力学」、更にそれを包含する
「量子統計力学」的には無制限にはできません。

お礼

>古典的な「熱力学」では運動エネルギの熱エネルギへの変換（エネルギの取出し）はできるかも知れませんが、「熱力学」の基礎となる「統計熱力学」、更にそれを包含する「量子統計力学」的には無制限にはできません。

ということは運動エネルギーは総て熱エネルギーには変わらない，ということでしょうか．

ご回答ありがとうございました．

回答No.1

Willyt

運動エネルギーを熱エネルギーに変換するのはそんなに難しいことではありません。運動している物体が空気や地面、水などの接触している物体に熱を放出してやがて止まってしまいます。通常私達が見ている物体が止まるときにはすべての運動エネルギーを熱エネルギーに換えている見て差し支えないでしょう。ただ、磁界の中を導体が動くときには電気エネルギーに変わる部分がありますね。しかしこれもやがてはそれがどこかで最終的には熱エネルギーに変わります。

お礼

最終的には総て熱エネルギーに変わる，ということでよいのですね．
「熱力学」という頭文字に気を取られ深く考えすぎました．
ありがとうございました．