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文体とは
文体とはどういう意味なのでしょうか。辞書によると「語句・語法・修辞などにみられる、その作者に特有な文章表現」とありますが、例えば批評家が「**には文体がない。」と言う時それはどういう意味になるのでしょう。(文章が書かれているから文体がないとはいえない気がするのですが。) また、文体はその人の考え方を反映するのでしょうか?それともその逆なのでしょうか。翻訳機械は文体を持つことができるのでしょうか?同じ作家が大人向けと同じ内容だけど少し噛み砕いたけど基本的内容や主張の違う中高生用の文章を書いたとするとそれは異なった文体が違うと考えられるわけでしょうか。
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「文体」とは英語や仏語のStyle(厳密にはLiterary Style)を翻訳したものです。 日本でも、「彼女はスタイルいいね」とか「彼のライフスタイルは素敵だ」などと使われますね。基本的には同じものと理解していいと思います。 こんな会話において「…スタイルが無い」と使った場合、それは洋服を着ていなかったり、生活していなかったりしていることをいません。普通は「個性がない」とか「主張がない」とかを意味していますね。 もうちょっと文学的説明 古典的には、「文体は思想を修飾する」ものといった修辞学的な見方(質問者さんの辞書の考え方ですね)を指します。 しかし、ルネサンスから近代以降はビュッフォンの「文は人なり」の見方が始まって、人格に結びつくものとしたり個性の表現だとみる傾向になってきました。 最近では、文体の発生原因を心理中心としたり内部意義としたりする考え方も出てきています。 また一つの作品に関しても、(1)作者の個人的な文体、(2)時代的な文体、(3)客観的な作品自体の文体などにも分けられます。 「**には文体がない」という場合は(1)のものに言及しているのでしょう。 これら文学的な考え方からいうと、「文体がない」とは、単に外見的スタイルについて「個性がない」、「主張がない」など言っているだけではなく、作者自身の美意識や思想といった内面が文体にまでは及んでいない、と指摘しているのだと思います。 清少納言、紫式部、平家物語、漱石、大江、名作のどれにもはっきりとした「文体」がありそうな気がしませんか。
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No.1の方ほど明晰に表現できませんが・・・・。 >例えば批評家が「**には文体がない。」と言う時それはどういう意味になるのでしょう。(文章が書かれているから文体がないとはいえない気がするのですが。) こういう場合の「文体」は、作家の持ち味、独特の言い回し、トーンなど、読んで「この作家ならでは」と思わせる文章だと思います。 作家のフランソワーズ・サガンは「本を読むと、作者の『声』のようなものがあるのです」と語っています。 たとえば現代の作家でも、村上春樹と村上龍とよしもとばななを並べたら、読んだことある人ならたいてい、どの文章が誰のだか分かりますよね。 その作家があるスタイルを、自分自身のモノにしてないといけないんだと思います・・・・。 表面的な誰かの真似とかでなくて。 >文体はその人の考え方を反映するのでしょうか?それともその逆なのでしょうか。 こういう文体で書こう、と意識して書く場合もあるでしょうし、こういう内容をどう表現するか、と探っていくうちに出来上がる文体もあるんじゃないでしょうか。 >翻訳機械は文体を持つことができるのでしょうか? 外国語を日本語にした場合などですか? 機械翻訳は、正確性にまだ欠けるというか、人手を入れて修正しないと文章として仕上がらないらしいですよ。 なので、文体というほどのものは無いのではないでしょうか。 ソフトウェアごとの個性、訳し方のクセはあるかもしれませんが。 >同じ作家が大人向けと同じ内容だけど少し噛み砕いたけど基本的内容や主張の違う中高生用の文章を書いたとするとそれは異なった文体が違うと考えられるわけでしょうか。 私見では、異なった文体と言えると思います。
お礼
やはり辞書的な意味で考えると間違いのようですね。声ですか。例えがいいですね。ご回答ありがとうございます。
お礼
ご回答ありがとうございます。個性といわれればピンときます。今までの疑問が解けました。我ながら、辞書に引っ張られすぎていたなぁと反省です。作家の主張や美意識、ひいては世界観が伝わってくると読んでよかったなぁと思います。漱石、大江、私も好きです。残念ながら古典はほとんど読んだことないです。